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ヅラ刑事だ!ヅラ刑事だ! ゾディアック
あ、アンソニー・エドワーズ(写真右下。ERのグリーン先生)に毛がある! それ、ヅラっすよね。本当のヅラ刑事だ。ちょっとエドワード・ノートンみたいじゃないっすか。でも何故今更ヅラなんか。ああ、駄目だ気になって集中できない! 「ゾディアック」(2006年/デビッド・フィンチャー監督) 68年から74年にかけてサンフランシスコで5人が殺されたゾディアック事件に翻弄された人々を描く実話系群像劇。感想は一言。 「うわあ、つまんねえ」 なんせ未解決事件なので、犯人の逮捕も特定もできません。当然、犯人の人間像に肉薄することもできず、追う者と追われる者の距離感がぼやぼやぼ〜。 しかも、未解決(=映画的カタルシスゼロ)のくせに157分!長い、長すぎる! 同じ未解決事件でも、これならまだ「殺人の追憶」(2003年/ポン・ジュノ監督)の方が、キャラ立ちまくりの刑事(デブのくせに木戸ばりの高打点ドロップキックをかますソン・ガンホとか)が無駄に大暴れする分「映画的に」面白かったのではないかと。 久々のフィンチャー映画でしたが収穫はA・エドワーズのヅラだけでした。 ※関連:「ファイト・クラブ」→2008年1月16日 ※参考:「ヅラ刑事(デカ)」→2008年7月1日
なりたい自分になれ! はい、なります(泣)! アイアン・ジャイアント
アエラの吊り広告のオヤジギャグは有名ですが、心に残る1本と言えば何と言ってもこれ。 「金ちゃんのテポど〜んとやっては駄目!」 笑いとは「不謹慎」の中にこそ存在するんですねえ。 ミサイルで思い出す映画と言えば性格真逆な双生児「博士の異常な愛情」と「未知への飛行」、大統領を消耗品扱いした「合衆国最後の日」、ミサイルを撃つ撃たないで黒人と白人が潜水艦内でどつきあう「クリムゾンタイド」あたりが印象深いですが、私的ベストミサイル映画はやはりこれ。 「アイアン・ジャイアント」(1999年/ブラッド・バード監督) 冷戦真っ最中のアメリカの片田舎に降ってきた巨大ロボット。墜落の衝撃で記憶がすっ飛び、無邪気に少年ホーガスと遊んでたら、ロボットをソ連の侵略兵器と勘違いした米軍が殲滅作戦を開始したからさあ大変。 そしてロボットは思い出します。自分が全身兵器の破壊神だということを。 巨神兵の如き破壊力で軍隊を掃討。ビビった米国エージェントが核ミサイル発射を指示。待っていたのは、前半の伏線的台詞を一気に回収する力業の大団円。 「銃になんかなるな!なりたい自分になれ!」 「ET」「ターミネーター2」「ラピュタ」「ジャイアントロボ」の良いところをパクりまくった展開は男泣き必至。金ちゃんもこれ観て泣け。 ※余談ですが、ホーガスくんのお母さんは妙にエロいです・・・。
裏エクソシスト4? レクイエム・フォー・ドリーム
ダーレン・アロノフスキーがロボコップの新作を撮るそうです。アロノフスキーといえば、やはりこれ。 「レクイエム・フォー・ドリーム」(2000年/ダーレン・アロノフスキー監督) お話は簡単。登場人物がひとり残らずクスリで人生まっさかさま。 正直、観ると軽い鬱状態になります。リーガンのその後を追ったのが「エクソシスト2」で、カラス神父とキンダーマン警部のその後を追ったのが「エクソシスト3」なら、これはクリス・マクニール(リーガンの母。エレン・バースティン)のその後を追った「裏エクソシスト4」です。 クスリという悪魔に魅入られた母(エレン)、息子(ジャレット・レト)、その恋人(ジェニファー・コネリー!)と友人(マーロン・ウェイアンズ)。 ※ジェニファー・コネリーなんかクスリ欲しさに、あんなものをあんなところへ入れたりとアカデミー賞女優とは思えない大サービ、いや汚れ役を大熱演! どんな逆境でも一発キメれば無問題なお気楽さと現実の折り合いがつかなくなった時の恐怖は、そんじょそこらのホラー映画の比ではありません。 バーホーベンの跡目を継ぐには適任かもしれません。新作ロボコップ、期待しております。 ※参考:「ロボコップ(の立体ポスター)」→2008年1月15日
それは名古屋にあるという。 極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU
「組長、あれはヤクザを殺すように仕込まれた暗殺犬です。危険ですからここを動かないでください」 とある喫茶店。字廻(あざまわり)組の若頭、尾崎(哀川翔)は組長の耳元で囁くと、立ち上がって店の外へ。 そして、可愛いチワワをむんずと掴むと大きくふりかぶって思い切り地面にどーん! さらに尻尾を持ってぐるぐると振り回して喫茶店の窓にだーん! 窓をつたう血の滴とガラス越しの尾崎の半笑い。 「極道恐怖大劇場 牛頭(ごず)」(2003年/三池崇史監督) ヤクザホラーという新しいジャンルを切り開いた1本です。 頭のおかしくなった兄貴分・尾崎を、名古屋に存在するという伝説の「ヤクザ処分場」に運ぶことになった舎弟・南(曽根英樹)の受難の物語。 が、途中、南はうっかり尾崎を殺してしまい、挙げ句に死体が忽然と消失。 南は名古屋という異次元空間を尾崎の死体を求めて彷徨い歩く羽目に。 名古屋の描写がほとんどつげ義春。異文化通り越してオープンスペースな精神病院(これ、クレームが来なかったのか。名古屋人は太っ腹だなあ)。 日本語の台詞を覚えられない外人役者の背後にカメラが回りこんでカンペを大写しにするなど開き直った演出が素敵です。 ※写真は驚天動地の輪廻転生を果たすベトベト哀川翔。
仁義なきブラジリアン銃術 シティ・オブ・ゴッド
「ヤクもやったし女も姦ったし人も殺った。もう大人だ!」 素晴らしい!流石ブラジル。 「シティ・オブ・ゴッド」(2002年/フェルナンド・メイレレス監督) リオのカーニバルの印象が強いので、ブラジル=陽気で呑気と思いがちですが、恐らくそれは間違いだと思います。 大規模な祭りがある(ハレとケの落差が大きい)ということは、「祭りでもやって騒がないとやってらんねー」くらい社会が閉塞しているという事です。 シティ・オブ・ゴッドとは、60年代にリオデジャネイロ近郊に作られた「臭いものに蓋」的公営住宅地。 子供は短パンにビーサンで手には当たり前のように拳銃。 写真家になることを夢見るブスカペ。リオ一のギャングになることを夢見るリトル・ゼ。 足を洗って平和に暮すことを夢見るベネといい仕事を見つけて街を出ることを夢見るバスの車掌マネ。 歯車は時代とともにゆっくりと狂っていきます。 深作魂入りまくりの侠気映画ですが、原作はシティ・オブ・ゴッドのルポルタージュ。 なんと一部のキャラクター設定以外、全て実話! 凄いなあ、ブラジル。
許可って何?なピンクの小粒 肌の隙間
「お願いだから私の子宮に戻って!」 これは下手に共感できる立場の人が観たら自殺したくなるのではないだろうか。 「肌の隙間」(2004年/瀬々敬久監督) 母親を刺殺した引き籠もりの青年と自閉症の叔母の逃避行。 もうこの1行だけで、「親殺し」「引き籠もり」「自閉症」「近親相姦」というナイスなキーワードがてんこ盛り。 主演の不二子は全編通して「あー」とか「うー」とかしか言いません。 とにかく金も時間も人手もないピンク映画。「許可って何?」なゲリラ撮影を大展開。 段ボールマンション群の中を腹から血ぃ流してる青年背負って歩くロングショットとか「体張ってます」って叫びが聞こえてきそうで好感度UP。 なんの説明もせず、なんの解決も見せずに唐突に終わるというのもピンク映画っぽくて良い。 「悪魔のいけにえ」を観た時のような「あー、何か俺変なもん観ちゃったよ」感満点な愛の寓話。 引き籠もり&自閉症は現代のアダムとイブか。はたまたヘンデルとグレーテルか。
は、鼻水が止まらねえ! ワンピース THE MOVIE エピソード・オブ・チョッパー+冬に咲く、奇跡の桜
「全く・・いい人生だった!」 涙腺決壊しました。 「ワンピース THE MOVIE エピソード・オブ・チョッパー+冬に咲く、奇跡の桜」(2008年/志水淳児監督) 決して春の来ない冬の島「ドラム王国」。赤鼻でなく青鼻だったために群を追われ、ヒトヒトの実を食べて半人半獣となって人間からも銃を向けられるトナカイ。 このトナカイに「チョッパー」という名を与え、息子として扱った男、Dr.ヒルルク。 「不可能をものともしない信念の象徴」として海賊と同じドクロの旗を掲げ、病んだ国を医学で救ってみせる、と豪語するヒルルクはしかし、不治の病に冒されていた。 ヒルルクを助けるために医者になる事を決意するチョッパーにDr.くれはは言う、 「やさしさだけじゃ、人は救えないんだ!」と。 そして、ヒルルクの旗が国王の砲弾を浴びた時のルフィの叫び。 「これが誰の海賊旗かは知らねえけど、これは命を誓う旗だから、飾りなんかで立ってる訳じゃねえんだぞ!お前なんかがヘラヘラ笑ってへし折っていい旗じゃねえんだぞ!」 もうとにかく全編泣き(と笑い)のツボを突きまくった卑怯極まりないシナリオです。 声優のひとりが言ってました。「この脚本でもしお客さんが泣かなかったら、それは声優の責任だ」と。 ほんんど勢いで買ったDVDですが、いい買い物でした。まだ鼻水が止まんねえ。
侵略SFだったのか! 吸血鬼ゴケミドロ
タランティーノが「ゴケミドロ・レッド」と呼んで「キル・ビル」でパクった真っ赤な空に浮かぶ旅客機。 鳥が次々と機体に特攻して窓も真っ赤。 爆破予告〜ハイ・ジャック〜謎の発光物体と接近遭遇ときて、何がなんだか分からない内に旅客機はバランス失って(撮影所の裏庭に)胴体着陸、生き残った乗客乗員10名の運命や如何に、という所でようやくメインタイトル。 「吸血鬼ゴケミドロ」(1969年/佐藤肇監督) 怪談話風なタイトルですが、設定は「飛べ!フェニックス」で、展開は「ボディ・スナッチャー」という超変化球な侵略SF。 生存者はステレオタイプのくせに行動・言動が意味不明(しかも「怪演」)。 ここにとってつけたような反戦思想を盛り込んで話が混乱したところで、アダムスキー型円盤と宇宙生命体ゴケミドロが乱入して更に不思議時空突入。 どんなオチにするんだべ?と思ってたら、ラスト、一気にデストピア・ワールドへ。 「マタンゴ」「昆虫大戦争」と並ぶ、「終末だねえ」エンディング。 中盤ちとダレますが、このラストを堪能するために我慢する価値はあります。 ※参考:「昆虫大戦争」→2008年5月6日
痛い、痛すぎる! ゴーストワールド
「ダメに生きる」。素晴らしいコピーです。 この映画の本質を捉えているかどうかはさておき、グッとくる惹句ではあります。 「ゴーストワールド」(2001年/テリー・ツワイゴフ監督) にしても痛い。閉塞感満点の街。周り全部が馬鹿に見えるくせにしたい事も出来る事も分からないイーニド(ソーラ・バーチ)、実はどこまでも「普通」な友人レベッカ(でもスカーレット・ヨハンソンだからふてぶてしい)、そして、ブルース・レコード・コレクターとしてオタク街道まっしぐらな中年シーモア(スティーヴ・ブシェミ)。 痛い。右も左も前も後ろも痛すぎです。 終盤、象徴的に登場するバスが、志水辰夫の「赤いバス」(傑作短編集「いまひとたびの」収録)を思わせて印象的。 オープニングで使われるインド映画主題歌「Jaan Pehechaan Ho」(意味も読み方も分かりません。ジャン・ペヘチャン・フーと聞こえます)最高。 イーニドの男友達ジョシュが働いているコンビにたむろしている上半身裸の謎の男(写真。ジョシュ曰く「僕より長く店にいる」)が、心にドラゴン入っていてナイスです。
聴けば走り出したくなる燃えサントラ ウォリアーズ
「サイラスから召集がきた。俺たちウォリアーズも参加する。人数は1組9人、武器は無しだ」 グラマシー・リフスのリーダー、サイラスの呼びかけでニューヨーク中のストリート・キッズがブロンクスに集結。このオープニングにかかるテーマ曲がいい!最高にいい! 「ウォリアーズ」(1979年/ウォルター・ヒル監督) ところが、集会でサイラスが凶弾に倒れ、犯人はウォリアーズだ!なんて噂が広まったからさあ大変。 刺客と警察を向こうに回して、アウェイど真ん中からホーム、コニー・アイランドまで命がけのランナウェイ。 ローカルラジオの黒人女性DJ(分厚い唇しか映らない)を通じて状況説明(ベースボール・フューリーズは落球、お友達は二塁を蹴って一気にホームへ、とか)とメッセージ・ソング(♪もう逃げ場はないぜベイビー、みたいな)を流すお洒落な構成。 どんな時も冷静さとプライドを失わないマイケル・ベックがかっちょいい。 5年後の「ストリート・オブ・ファイヤー」では熟女になってるデボラ・ヴァン・フォルケンバーグが現役バリバリ少女を演じてます(26年後の「デビルズ・リジェクト」では○女に・・・嗚呼)。
銃のように熱く、銃のように冷たい ヒート
どこでどのように出会うのか。 犯罪チームのリーダー、ニール(ロバート・デ・ニーロ)とLAPDの刑事ビンセント(アル・パチーノ)。まさかあんな形で顔を合わせるとは。 「ヒート」(1995年/マイケル・マン監督) ビンセントがニールの尾行を放棄して声をかけます。「コーヒーでもどうだ?」と。 ぐわあ、その手があったか。 混み合ったコーヒー・ショップのテーブルを挟んで向かい合う二人・・・絵になるなあ。 互いに「仕事好き」のために普通の家庭が築けない事、「その時」が来たら躊躇無く互いを撃ち殺す事を確認して別れます。 DVD特典のメイキングによると、デ・ニーロがこの役を引き受けたのは、このシーンが気に入ったからだとか。 また、このシーンのみ、デ・ニーロの発案でリハーサル無しだったそうです。 「銃撃のシンフォニー」と呼ばれる市街戦がやたら有名ですが、犯罪者と刑事の私生活を丁寧に描いた人間ドラマとして秀逸だと思います。 どちらかが死体になるまで手を握りあうこともできない似た物同士。切ないなあ。
手に汗握らない心地よさ トレマーズ
まったり、ゆるゆる、なモンスター・パニック・アドベンチャー。 「トレマーズ」(1989年/ロン・アンダーウッド監督) ネバダ砂漠。寂れまくった人口14人の町パーフェクションの煮え煮えな住人を地底怪獣グラボイズが襲う! というお話にも関わらず、確信犯的に緊張感がありません(笑)。 反面、真っ昼間に砂漠の砂を蹴立てて襲い来るグラボイズの描写は知恵と工夫とセンスの結晶。正に「陸のジョーズ」。 主演はケビン・ベーコン。社会派の大作よりも、「アニマルハウス」「13日の金曜日」「フットルース」「インビジブル」そして本作など香ばしいB級映画の方が印象深い「こっち側」の人。 後に脇役からレギュラー、主役へと出世するガンマニア、バート・ガンマー(マイケル・グロス)と奥さんの「武器・銃器大好きサバイバル夫婦」がナイスです。 DVDには、この手のB級には珍しい1時間近いメイキング映像が。 ※関連:「トレマーズ4」→2008年6月5日
メカと萌え、無敵の合体 ゴジラ×メカゴジラ
釈由美子って出てきた時は単なる不思議ちゃんだったような気がするのですが、いつの間にか弁護士までこなす女優さんになってしまいました。 ドニー・イエン先生に精神注入された「修羅雪姫」でも頑張ってましたが、私的ベストはこっち。 「ゴジラ×メカゴジラ」(2002年/手塚昌明監督) 釈さんはメカゴジラ(以下、機龍)を操縦する自衛隊員です。 アンチ機龍派の方は「実写でエヴァごっこ」「実写でパトごっこ」と批判しているようですが、いやあ、全く以てその通り。 機龍は初代ゴジラの骨をベースにした人の造りし汎用獣型決戦兵器でゴジラのDNAに呼応して暴走しちゃうし、自衛隊の描写もやたら精緻。 「パトレイバー2」と「エヴァ」の影響は否定のしようがありません。 しかしながら、パトレイバー2の伊藤和典が脚本を書き、エヴァの作画監督である樋口真嗣が特技監督を務めた平成ガメラシリーズの監督である金子修介がゴジラという土俵にガメラ(的演出)を持ち込んだ「GMK」よりも「機龍」の方が面白い(俺にとっては)んだからこれはもう換骨奪胎と言ってよいのではないかと。 ただ、折角、釈さんがハードボイルドな役作りしてるのに演出が追いついてないのが残念。宅麻伸親子のエピソードは丸々いらない。
初心者向け内臓幻視 イグジステンズ
「魔女アレグラ・ゲラーに死を!」 おっと「ビデオドローム」の続きですか!?な発砲事件で幕を開ける悪夢の世界。 「イグジステンズ」(1999年/デビッド・クローネンバーグ監督) 発砲ったってクローネンバーグ(以下クロちゃん)ですからね、ただの銃じゃございません。小動物の死骸を組み合わせたもので弾は人間の歯。 バーチャル・リアリティ・ゲームがテーマですが、ストーリーはありがちで大した捻りもなく、岡嶋二人の「クラインの壺」に比べたら発想だけの直球勝負。 でも、これが純度100%のクロちゃん映画。 イグジステンズは、脊髄に開けた穴にゲーム・ポッド(コントローラーね)を直接差し込んでプレイするバーチャル・ゲームですが、まずこのゲーム・ポッドがクロちゃん印。 胎児なりかけのようなプルプルベロンな形、ケーブルはどう見てもヘソの緒。 また、ゲーム、特にアドベンチャー系が好きな人には口元緩むシーン多数。 正しい問いかけ(回答)をしないと相手が反応しない(同じ質問を繰り返す)とか、「林の中の中華屋に行ってスペシャルを頼め」という情報を入手して、スペシャルな肉料理の骨を組み合わせると武器ができるとか。 初心者でもお手軽に内臓幻視なクロちゃんワールドに入れる作品です。主演、ジュード・ロウなので女性の方も怖がらずに是非。 ※参考:「ビデオドローム」→2008年3月9日 「ヒストリー・オブ・バイオレンス」→2008年5月11日
奇想天外空想科学映画 妖星ゴラス
「まだ地球を元の位置に戻す仕事が残っているぞ」 「ああ、でも北極は大地じゃないから大変だ」 人間どんな時でも前向きに生きたいですよねえ。 「妖星ゴラス」(1962年/本多猪四郎監督) ちっこいくせに質量は地球の6,200倍という生意気な黒色矮星ゴラスが地球に接近。たとえ衝突しなくても、ゴラスの引力によって人類絶滅は必至。そこで出された結論は・・・。 地球の方でゴラスを避ける・・・。 なななんと、南極に巨大ロケット基地を建設し、その推力で地軸に沿って地球を移動させると言うのです。なんという荒唐無稽。なんという馬鹿馬鹿しさ。 しかし、この映画の真に凄い所は、観ていて全く馬鹿馬鹿しいと感じない点。 妖星ゴラスの発見から探査船隼号の遭難、地球上での政治的取引、第2探査船鳳号の発進、そして国連の元に世界各国の科学者が集っての大同団結、南極でのロケット基地建設、さらに勢い余っての怪獣登場からクライマックスのゴラス接近による地球上での天変地異までが1コマの無駄もなく描かれる様は正に快感。しかも全編通して88分という重密度。 ツッコミ所は数知れず、しかし、この奇想天外さこそSFの醍醐味ではございませんか。 水没した東京を見て「なあに、また新しい東京を作ればいいさ」というポジティブさ。 つまらん反省や自虐や自己憐憫のない自信に満ちた素晴らしい映画です。 アルマゲドンの36年前にアルマゲドンより100万倍面白い映画を日本が作っていたことを誇りに思いましょう。