ヤラセ無し(断言)! 食人族
よく“人生を変えた1本”なんて言い方をいたしますが、間違いなくこれはそんな一本。但し、観た人の、ではなく作った人の。
「食人族」(1981年/ルッジェロ・デオダート監督)
お待たせしました(いや、別に誰も待ってないと思いますが)
映画史上に燦然と輝く“特殊な方向に振り切ってしまったが為に、ある種の極めた感のみならず、あろうことか文明批評・マスコミ批判まで展開してしまった” ジャンル映画の大傑作です。
緑の地獄と呼ばれるアマゾンに分け入ったドキュメンタリー撮影クルーが音信途絶。
捜索隊が発見したのは撮影済み16mmフィルムのみ。そこに映っていたものは・・・。
「ブレア・ウィッチ」の原型云々ってな話はどーでもいいので割愛。
この映画の素晴らしい所は、リアルとフェイクの距離感(と言うか“間合い”)。
ヤラセ・ドキュメンタリー撮影クルーの顛末をフェイク・ドキュメンタリーとして紹介するニセモノ二重構造。
半面、「これは全部ヤラセなの」という紹介で挟まれる殺戮シーンは全部ホンモノ。
そして、心臓の弱い人は観ない方がいい“小動物腹裂き(内臓踊り喰い)” “亀解体(腑分けホルモン)” “猿切り落とし(脳天唐竹割り)”。全部本物、ヤラセ無し。
クルーの撮影フィルムのみで構成せず、捜索隊の派遣、フィルムの発見から現像・試写という現実(?)シーンを巧みに挟んで観客に一息つかせる映画的構成の上手さ。
監督は公開と同時に世界中の非難を浴びてフルボッコにされてしまいましたが、映画としてきちんと評価してあげるべき作品だと思います。
「ああ、確かに小動物も亀も猿も本物だよ。だが殺した後全部きちんと喰った」という監督の反論には頭が下がります。
DVD収録の「監督音声解説」は必聴。
「監督は本当に人を殺して喰った」とか言いふらしていた現地ガイドが、裏でサファリ・ツアー(観光客に先住民族狩りをさせて金を取る)をしている事が分かり、告訴したが何故か4ヶ月で釈放されてしまった話とか、
サファリ・ツアーと臓器売買を扱った新作の構想を練っていたが、どちらも普通に行われている事が分かってビビッて止めた話など盛り沢山(しかし洒落にならねえ話だな)。
美しい景色と美しい音楽と「はうあ!」な展開・・凡百のスプラッターが亀の内臓ひとつで消し飛ぶ衝撃をご堪能ください。
※参考:「クローバーフィールド」→2009年1月23日
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」→2009年6月12日
「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」→2009年11月10日
[●REC]→2010年4月28日
[●REC]2→2010年4月29日
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