コパンのうら

熊本県北部の山鹿市にある、ちいさなフランス料理店の舞台裏をお見せします。

← 2010年2月

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28
My Yahoo!に追加 RSS
Counter

2010年2月10日(水)

いつにないこと。

そのとき、
われわれは
熊本城の
お堀端の
遊歩道を、
てくてくと
歩いていました。

先にたって、
後を振り返ることなく
すたすたと歩いていく
シェフ。
その後を、
小走りで追うようにして
ついていくわたし。

いつにないことです。

ふだん、料理をしていないときのシェフは、
よっぽどご機嫌斜めでない限り、
女子高生のようにキャピキャピしたり、
幼稚園生のようにぴょんぴょん跳ねたり、
ティーンエイジャーのようにダラダラしたり、
風来坊のように所かまわず口笛を吹いたり、
武田鉄矢のように往来で大声を出したり、
とにかく落ち着きがないのです
(こんな例えに挙げてしまったかたたち、
無礼をどうぞお許しください)。
ところが、今日のシェフは実にもの静か、
背中にもいまだかつて見たことのない哀愁が。

わたしは普段からわりと歩くのが早いので、
シェフの背中を追うのもめったにないことでした。

いったいどうしたのか、
わたしには薄々察しがついていました。

やがて、シェフの歩みが遅くなります。
そうして、わたしがほとんど横に並んだころ、
青白い顔をしてこちらを振り返り、ぽつんとひと言、
「ホントに大手術だった・・・」。

やっぱりね。

思ってた以上に皮膚を大きく切開されたので、
そうとうビックリしたようです。
ま、「20針は縫われた」と訴えるのは、
やや大げさだとしても。

うちのシェフ、人間の皮膚を切開し、
内蔵や肉や血が露になる映像が大の苦手。
テレビでそういうシーンが映し出されると、
すぐにチャンネルを変えてしまいます。
不思議ですよねー、あれほど毎日、
血だらけになって動物や魚の肉や内蔵をさばき、
「おれ、シカやイノシシの一匹くらいさばけるよ」
と笑って豪語しているくせに、
どうしてこんなに人間の肉と内蔵と血に弱いのか。

痛みや腫れ以上に、ショックのほうが大きかったようです。
ま、一日経った今はもうけろっとしてますけどねー。

あーあ、これじゃあ、
今熊本でやってる「人体の不思議展」、
シェフと一緒に行くのは無理だな、
ひとりで行ーこおっと。

ということで、おかげさまで順調に回復しております。
明日より営業を再開いたします。

作成者 コパマネ : 2010年2月10日(水) 12:09 [ コメント : 6]

2010年2月9日(火)

臨時休業のお知らせ。

突然ですが、本日2月9日(火)を臨時休業させて
いただきます。大変勝手ですがご了承ください。

実は、うちのシェフが昨日、料理人にとって
大事な局部の大きな手術をいたしまして・・・。
腫れと痛みが引かないようなので、
今日いちにちは安静にさせていただきたいと思います。

この峠さえ越えれば、料理人としてのコンディションが
確実にレベルアップすることは間違いないのですが、
そのために皆さんにご迷惑をおかけしてしまうことを
心苦しく思っております。

本人は、局部に関しては苦しい思いをしているようですが、
その他はいたって元気、珍しく自宅でのんびり過ごしております。
わたしはもちろん元気で、今は店でひとり黙々と
自分のしごとをしております。

今日の夜にでも、このブログで経過をご報告いたします。
皆さまも、どうぞお元気でよい一日をお過ごしください。

作成者 コパマネ : 2010年2月9日(火) 11:38 [ コメント : 0]

シャンドルール。

シェフも
わたしも、
これまで
ちっとも
知りませんでしたー、
シャンドルールという
お祭りのこと(恥)。

ついさいきん、
フランス在住の
友人に教えて
いただいたばかりです。

12月25日はキリストの誕生日、
つまり、聖母マリアが出産をした日。
その日から40日目の2月2日、
マリアが教会でお清めを受けたので、
その日を祝うようになりました。

かつては松明を灯して祝っていたのですが、
やがて教会にキャンドルが灯されるようになり、
「聖燭節」つまり「キャンドルのお祭り」を意味する
シャンドルールChandeleur(Chandelle=キャンドル)
と呼ばれるようになったのです。

キャンドルの灯は魔よけの意味も持っています。
・・・って、これってさ、どっかの国の
2月3日のお祭りにそっくりじゃなーい?
豆で鬼退治するか、火で魔物退治するか、
のちがいですもんねー。

さて、日本ではすっかり定着した(かな?)
節分に食べる恵方巻き。
一方のフランスでは、なんと、
シャンドルールにはクレープを食べるのだそうです。
・・・ね、それもなんか似てない? 似てなくなくなくない?
ほら、伸ばした穀物に好きな具材を包んで食べるとこなんか。

1月のお菓子、ガレット・デ・ロワが
お菓子屋の店頭から姿を消すと(うちでも出してましたー)、
今度は積み重ねたクレープが
ショーウィンドーに並び始めるのだそうです
(・・・実はわたし、現地で見た記憶ゼロ。
むかしはやってなかったのかなあ、それとも
わたしの目が毎年節穴だったのかなあ)。

そしてそして、日本では、ご存知のように
その年の恵方(今年は西南西でしたね)に向かい、
無言のまま恵方巻きを丸かぶりすると
福が来る、とされていますね。
なんと、フランスにも似たような(?)ならわしが!
左手にコインを握ったまま、右手でクレープを放り投げ、
フライパンで受け止められたら福が来る、のだそうです。

あのナポレオン皇帝もハマったというこのクレープ占い、
近いうちに日本で大ブームになるかも? なりそうかも?
うちでもやってみましょうかね、クレープ。
今年は残念ながら時期を逃してしまったので、
来年からになりますが。


ちなみに・・・個人的な話で申し訳ないですが、
シャンドルールってどっかで聞いたなあ、と思ったら、
わたしの小学生のころの愛読書『もしもしニコラ!
の主人公の愛称がシャンドルールなのでした。

ノルマンディーのラ・モワヌリーに住むニコラが、
パリに住むリーズに、シャンドルールの意味を教えます。

「ぼく、心の中では、シャンドルールってよんでるんだ」
「まあ! 名まえとしたらちょっと変ね」(略)
「『ろうそくのお祭り』って意味だけど・・・。
ぼくのいなかじゃ、きれいな花の名まえでもあるのさ」
「ええっ! どんな花なの?」
「ええと・・・ふちが緑の、白いつりがね草みたいな花なんだ。
まつゆき草ともいうけど、シャンドルールともいうのさ」(略)
「それで、これから、あなたは、
あたしのことをシャンドルールってよぶの?」
「うん、きみさえ、よければね」
J・シャルドネ作、南本史訳

しかし、ニコラが言うシャンドルールという花、
わたしはいまだにどんな花か知りません。
ご存知のかた、ぜひ教えてくださいませ。

この児童小説には、フランスの習慣や文化が
たくさん詰まっていて、今読んでもかわいくて楽しいのです。


※写真は、恵方巻きでもクレープでもなく、
唐津名物の松露饅頭。
二大松露饅頭店の食べ比べをしました。
味、けっこうちがっててビックリしましたー。

作成者 コパマネ : 2010年2月9日(火) 00:11 [ コメント : 2]

2010年2月8日(月)

有言実行。

やったー、
いいぞいいぞ。
タルト・オ・シトロン
Tarte au citron、
シェフが作りましたー。

無農薬レモンの果汁、
有精卵の全卵、
北海道バターで作った
リッチなアパレイユ。
国産小麦粉を使った
さっくさくのパートシュクレ。
有精卵の卵白を使い、
表面を軽く焼いた
コクのあるムラング。
ああ、カンペキなコラボ、
これぞ三位一体の美!

・・・すみません
早々と試食させていただきました。
そうそう、これこれ、この味!

実は去年のこと、福岡天神のお菓子屋さんで
タルト・オ・シトロンを見つけ、
ほくほくして買ってみたのですが、
フランボワーズのジュレとか
パッションフルーツとか
余計なものがごちゃごちゃ入っててガッカリ。

タルト・オ・シトロンはシンプルが一番です。
ひとつひとつの材料にこだわることで、
それぞれのパーツが互いを引き立て、
1+1が10にも100にもなって
おいしさが口の中でぱーっと広がります。
今日はお客さまにもお出しできて、
ご好評いただきました。よかったです。

フランスではかなりポピュラーなのに
なぜか日本ではあまり見かけない
タルト・オ・シトロン。
この機会にぜひ本場の味をどうぞ。

・・・はじめは「一回だけ」とか言ってましたが、
しばらくは気が向いたら作るようです、ほっ。

※ 追伸。昨日の本はちっともこわくありませんでした。
りんごのこともきちんとわかりやすく説明してある、
構成のしっかりした、よくできた本でした。
クレバーなライターさんが携わってらっしゃるのかな。

作成者 コパマネ : 2010年2月8日(月) 00:19 [ コメント : 6]

2010年2月7日(日)

たぶんこわい話。

シェフが
本を
読み終わって、
いつになく
興奮してます。

「すげーっ、
なんか変な本だったー、
おもしろかったー、
こわかったー、
でも買わないで
図書館で借りてよかったー。
これ読んでから
ひとりでお風呂入ったり
ひとりで寝たりするのこえーっ、
でもオレ、オトナだから平気だもん」

・・・って、どんな本よ、いったい。

え? 木村明則さんの
すべては宇宙の采配』?
木村さんって、あの『奇跡のりんご』の?
無農薬・無肥料の自然農法で
りんご栽培に成功したという
あの木村さんの新刊でしょ、それ?

「うん、でもりんごのことはほとんど書いてない」

なんと、今回は自然農法のハウツー本ではなく、
木村さんの過去の不思議体験を紹介する、
シェフによると「ちょっとこわい」話なんだとか。

「あんたも読んでみなよ。あ、でもお風呂と
トイレは最初に行っておいたほうがいいよ」

ええーっ、そんなにこわいのー。

ちょっと興味が湧いたので、
コパマネ秘伝の速読術により(えへん)
ちゃちゃっと斜め読みしてみたのですが、
うーん、たぶんこの本って
要約するとこういうことじゃないの?

「木村明則さんが偉業を成し遂げたのは、
論理的な思考、粘り強さ、冷静な判断力が
あったのはもちろんのことだが、それだけではなく、
科学では説明できない不思議な体験から
得たはかりしれないパワーのおかげでもある」

・・・なんのことはない、
茂木健一郎さんの前書き、各章タイトル、
小見出しを読んだだけです。
わたしは、本を読む時間がないとき、
こうして済ませることがたま〜にあります、
とくにハウツー本。

うーん、ホントにこわいのかなあ。
ま、とりあえず今晩読んでみようかしら。
でもまだお風呂に入ってないので、
これ書き終えてお風呂に入った後にしーよおっと。
じゃ、ホントにこわかったら明日ご報告しまーす。
こわくなかったら触れませんのであしからず。

※ 写真は、うちのシェフの宝もの、
ミシュランの星を持つフランスの名店、
ラ・カシェット』から頂いたクリスマスカードです。
オーナーシェフは日本人で、なんとシェフの元後輩。
すごいですねー、昔から努力家でまじめでまっすぐで、
みんなから愛される素晴らしい料理人さんだったそうですよ。

で、彼がフランスに発つ時、その履歴書をフランス語で
書いたのがなんとわ・た・し(実は覚えてない。でもプチ自慢)。
うちのシェフ、かつての仲間の活躍は
手放しで喜ぶひとなので(←ハングリー精神ゼロ?)、
とーっても嬉しいみたいです。

リヨンから鉄道で1時間ほどのヴァランスValenceという町
にあります。皆さんもご旅行されるときはぜひ。

作成者 コパマネ : 2010年2月7日(日) 16:48 [ コメント : 0]
前の記事  |  次の 5 記事