2009年9月1日(火)
1Q84 BOOK 2
『1Q84 BOOK 1』『1Q84 BOOK 2』を読み終えて、
何故心惹かれない作品だったのか朧げながら浮かんできた印象は、
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が孤独を描いてはいたものの
そこにある孤独は静謐な世界であり、
読んでいる私の心を穏やかに澄み渡らせた孤独だったのに対し、
この作品は絶対的で完全な死を感じさせる孤独であり、
その世界は読み手である私に恐怖を感じさせるものでしかないからだ。
能力を持つ天吾に対し、与えた神は奪う。
天吾が寄りかかれる人を、その人自身が実体を見失う程混乱させ出口を塞いでゆく。
天吾の周囲は失われ真っ暗闇になってゆくのに、天吾は記憶の温もりだけしか残されない。
一人でも生きて行かなければならない結末までの暗闇になってゆく過程に、
読み手である私も暗闇に包まれる暗澹たる風景を見た。
本当の孤独を突き付けられ、脱力しかなかった。
作成者
naonao/703
