阪急電車 片道15分の奇跡
映画「阪急電車 片道15分の奇跡」(2011年/日本)を観ました。原作は、有川浩著『阪急電車』(2008年)。女性です。監督は三宅喜重。これまで関西テレビでドラマの演出を手掛けていたようでが、今作が映画デビュー作です。脚本は岡田惠和。
私は阪急京都線の沿線に住んでいるので、気になっていました。阪急の駅でもポスター貼ったり情報誌で特集を組んだりして大々的に宣伝されました。
阪急今津線(宝塚駅〜西宮北口駅 8駅15分)が舞台。車内や途中下車したホームで起こった沿線住民の一日の出来事を描いています。構成は、往路(10月)と復路(3月)。冒頭にまず登場人物が紹介されます。名前と住所(●●駅徒歩●分)が字幕で出ます。ストーリーや構成はほとんど原作と同じです。実際のところはオバタリアンの集団はあんなに乗ってないでしょう。
高瀬翔子役の中谷美紀はウェディングドレスを着ているだけで絵になります。萩原時江役の宮本信子は関西弁が板についています。伊藤康江役の南果歩は弱気なキャラクターがよく出ています。権田原美帆役の谷村美月は少し太りましたね。門田悦子役の有村架純は映画初出演とのことですがかわいい。カツヤ役の小柳友は、森岡ミサ(戸田恵梨香)を殴るなど暴力的で怖い。
通常に電車が運転される合間を縫って撮影が行われたようで大変だったようです。撮影用に臨時電車も運行されたとのこと。また、平井車庫ではグリーンバックで撮影が行われ、走行中に見せるためにスタッフが人力で車体を揺らしたとのことです。撮影は冬に行われたようで、半袖などの衣装が寒かったようです。空撮や前景などの映像や、車内放送やホームアナウンスなども入っているので、鉄道ファンでも楽しめるでしょう。小林駅は「おばやし」駅と読むんですね。
ロケ地では、冒頭で中谷美紀が別れを切り出されるカフェが印象に残ります。三宮駅の近くにある「カフェ フロインドリーブ」で、登録文化財とのこと。一度行ってみたい。関西学院大学は、原作では「関西の有名私立大」と書かれているだけですが、映画ではロゴマークが映ったり、正門がロケ地で使用されたり、ものすごくいい宣伝になっています。映画でも「特別協力」とクレジットされています。
ちなみに、駅のホームにある看板広告は映画用に製作されたとのこと。門戸厄神駅のシーンなどかなり目立っていますが、実在しないようです。
主題歌はaiko「ホーム」。音楽は吉俣良。
原作は、往路復路ともに土曜日の午後を描いているような記述があります。翔子は映画では西宮北口に住んでいる設定でしたが、原作では茨木に住んでいる設定です。圭一が発見する「真っ赤な鳥居」は、西宮北口駅の屋上に建っているようです。
スピンオフドラマとして、原作に書かれているが映画には登場しなかった征志とユキがLISMOドラマ「阪急電車 片道15分の奇跡 征志とユキの物語」としてauの携帯電話で配信されました。4月1日から全5話。監督は宮崎暁夫、監督監修として三宅喜重、脚本は渡辺千穂。
征志役を永井大、ユキ役を白石美帆が演じます。永井大のナレーションで進行します。撮影時期に合わせて、ドラマも冬の設定です。原作どおり、宝塚市立中央図書館で撮影されたようです。武庫川の中洲に石積みで作られた「生」の字も映っています。原作では明らかにされていない「好きな作家の新刊」のタイトルは、ドラマではイーサン・マクスウェル著『報復の行方』が映っています。実在しない書籍のようです。
|