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映画 怪物くん
「映画 怪物くん」(2011年/日本)を観ました。原作は、藤子不二雄Aの漫画「怪物くん」(1965年〜)。監督は、中村義洋。2010年に放送された連続ドラマの続編です。 怪物くんの一行がカレーの王国で、ピラリ姫(川島海荷)を助け出すというストーリー。怪物くんは両腕を長く伸びたり、口から火を吹いたりして大活躍。実際にインドでロケが行われています。インドに飛んで行ったシーンでは、「言語は日本語に統一します」という字幕がわざわざ出て笑えました。 3Dで鑑賞しました。ドラゴンが雲の上を飛んでいく映像など、立体的に見えました。TOHOシネマズでは、メガネはもらえるようで、次回持参すれば鑑賞料金が100円引きになるとのこと。 怪物太郎(怪物くん)役の大野智は、なりきって演じています。ドラキュラ(八嶋智人)、オオカミ男(上島竜兵)、フランケン(チェ・ホンマン)もよく似ています。 ヴィシヤール役の上川隆也もハマッていますが、ふかわりょうに見えました。怪物大王役の鹿賀丈史もハマッています。後半に少しだけ出る怪物王子時代の再現映像がかなり無理があって笑えました。デモリーナ役の稲森いずみは、立っているだけです。 挿入歌「ユカイツーカイ怪物くん」(作詞:藤子不二雄A 作曲:小林亜星)を、大野智が歌っています。
RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ
映画「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」(2011年/日本)を観ました。「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」(2010年)に続く、RAILWAYSシリーズ第2弾です。監督は蔵方政俊。今作が監督デビュー作です。 前作からは舞台もキャストも一新。今作の舞台は富山地方鉄道。主に登場する本線(電鉄富山駅〜宇奈月温泉駅)を含めて、長い路線を有します。単線の電化路線で、2両編成のワンマン運転です。立山連峰を背景に走る景色がすばらしい。いろいろな車両が走っていて、西武鉄道の「レッドアロー」もあります。 主人公は、定年退職前の運転士滝島徹(三浦友和)。無事故無違反のベテラン運転士です。前作の主人公(中井貴一)は新人運転士だったので、電車のネタは今作のほうが少ない。夫婦のありかたや生きがいを描いています。前作よりもストーリーは大人向けです。結婚指輪を投げ捨てて、一度離婚する展開が意外でした。富山の方言が少し下手なようで、セリフの話し方に違和感がありました。 滝島徹役の三浦友和は、仕事に懸ける情熱が感じられます。前作には息子の三浦貴大が出演したので、親子2代での出演です。片山麻衣役の小池栄子と新人運転士小田友彦役の中尾明慶がしっかりした演技を見せます。吉原満役の米倉斉加年も味がある。中川家礼二もちゃらい運転士(楠木雅也役)で出演しています。 音楽はイギリス出身のNick Wood。あまり洋楽らしくなく、映画にマッチしています。ラストランのシーンでは、壮大な音楽が流れます。ちなみに、ラストランは1週間以上かけて撮影されたとのこと。 主題歌は、松任谷由実の「夜明けの雲」。サビがおおらかに歌われます。
ハラがコレなんで
映画「ハラがコレなんで」(2011年/日本)を観ました。脚本・監督は、石井裕也。昨年に満島ひかりと結婚しました。 妊婦の原光子(仲里依紗)が主人公。「風向きが変わったら、その時ドーンと行けばいいんだから」「いったん昼寝しよう」などマイペースで気の長い性格。「粋だねえ」「粋じゃない」を口癖のように使います。「粋」はあまり使わない言葉ですが、石井曰く「美意識のある生き様」の意味とのこと。15年前に夜逃げしてきた回想映像を挿入しながら進行します。登場人物もちょっとずれた人が多いのは、「川の底からこんにちは」と似ています。不発弾が爆発して、大家の清(稲川美代子)が立ち上がる展開も面白い。 後半に福島に行く設定は震災前から変えていないとのこと。実際に撮影されたのは静岡とのことです。 最後は、光子が出産するシーンでぶったぎるように終わります。かなり意外な終わり方ですが、さっぱりしていてかっこいい。 石井監督はまだ20代と若いのに、年齢層の高い出演者を巧みに起用しています。原光子役の仲里依紗が大熱演。現実離れしていますが、愛すべきキャラクターです。仲は本当に幅広い役柄を演じられる女優です。子役の大野百花も仲とよく似ています。石橋凌と中村蒼のレストラン店員2人が直立不動で並んで立っているのが笑えます。清役の稲川美代子の個性が強烈。ママ役の斉藤慶子は9年ぶりの映画出演とのこと。 渡邊崇の音楽は派手に鳴って強力に盛り上げますが、演技がハイテンションなので違和感はありません。なお、長屋は都内にあるという設定でしたが、実際には高崎に実在しているとのこと。
恋の罪
映画「恋の罪」(2011年/日本)を観ました。脚本・監督は、園子温。ヘアヌードがあるため、R18+指定。上映時間は144分とやや長めですが、意外に短く感じました。第64回カンヌ国際映画祭「監督週間」正式出品作品。 1997年に起きた「東電OL殺人事件」をベースにしています。パンフレット等では、実在の事件とだけ書かれていて、事件名には言及されていません。園子温の「事件の映画化にはしたくない」という意向があったのかもしれません。この映画では、被害者は東京電力OLを東都大学日本文学助教授(夜は売春婦=立ちんぼ)に置き換えています。被害者を殺したのは、菊池いずみという設定です。 5つの章で構成しています。「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」から始まる詩が何度も出てきますが、田村隆一の詩「帰途」(『言葉のない世界』(1962年)所収)です。 吉田和子役の水野美紀は、冒頭でいきなりヘアヌードを披露。主役は水野美紀ですが、菊池いずみ役の神楽坂恵がほぼ主役級で出番も多い。園子温との婚約を発表しました。尾沢美津子役の冨樫真は、化粧が濃い。身体も細く、二面性あるキャラクターを演じるのにふさわしい。尾沢志津役の大方斐紗子は、話し方は朗らかですが本性は怖い。菊池由紀夫役の津田寛治は、いかにも作家。カオル役の小林竜樹、土居エリ役の内田慈も特徴的で印象に残るキャラクターです。 音楽は森永泰弘。オルガン(古楽器らしい)のような和音が積み重なり、心臓の鼓動のような低音がテンポを刻みます。BGMでマーラー作曲/交響曲第5番第4楽章「アダージェット」が多用されます(演奏は、デプリースト指揮/ロンドン交響楽団)。 東電OL殺人事件の概要は、佐野眞一著『東電OL殺人事件』(2000年)、『東電OL症候群 (シンドローム)』(2001年)が詳しい。ネパール人に無期懲役の判決が出ましたが、冤罪の疑いがある事件で、最近になって再審請求が行われました。殺人現場となったアパート「喜寿荘」は現存しているようです。被害者が務めていたSMクラブ「マゾッ娘宅配便」は、映画ではデリヘル「魔女っ子クラブ」として登場します。
アントキノイノチ
映画「アントキノイノチ」(2011年/日本)を観ました。原作は、さだまさし著『アントキノイノチ』(2009年)。監督・脚本は、瀬々敬久。第35回モントリオール世界映画祭イノベーションアワード受賞作品。山木信夫(染谷将太)の飛び降り自殺シーンがあるためか、PG12指定。 遺品整理業という珍しい仕事をしている永島杏平(岡田将生)が主人公。こんな仕事があるとは驚きです。「天国へのお引越しのお手伝い」と称して、遺品が「ご供養」と「ご不要」に分けられます。Special Thanksとしてクレジットされている「キーパーズ」は、日本初の遺品整理専門会社として創設され、今年で10周年になるとのこと。私なら遺品は他人に捨てて欲しくないですが、人間関係の希薄さから生まれた仕事と言えるでしょう。永島の高校時代の出来事が随時挿入されます。後半で久保田ゆき(榮倉奈々)が事故で死ぬとは意外でした。 心情の揺れを反映してか、カメラがよく揺れます。手持ちカメラで撮影されているようです。 永島杏平役の岡田将生は、繊細な性格ですが突然叫び出したりします。原作よりも情緒不安定です。吃音もうまい。冒頭は岡田将生が裸で屋根の上に座っている後ろ姿から始まります。どういう意味があるのかはよく分かりませんでした。 佐相博役の原田泰造がクーパーズの上司役を好演。落ち着いて見れました。松井新太郎役の松坂桃李が、いいキャラクター。井上正志役の柄本明が電話を抱えて泣くシーンで、笑っている客がいました。 主題歌のGReeeeN「恋文〜ラブレター〜」がいい。名曲ですね。 原作は、さだまさしがNHKのドキュメンタリー番組を見て書き下ろされました。高校時代の回想と現在のクーパーズでの出来事が、交互に(映画よりも頻繁に)挿入されます。 ・佐相博は、原作では信州訛りで話します。 ・映画の久保田ゆきは、原作では沢村雪子(旧姓:久保田)。映画では永島のクーパーズの同僚ですが、原作では居酒屋「おふくろ屋」のアルバイト。永島と同級生で、松井に妊娠させられたという設定です。原作では死にません。 ・原作では、山木信夫が自殺に至った遠因として、松井にブログを炎上させられたことが書かれています。 ・永島杏平と久保田ゆきが叫ぶ「元気ですかー」は、映画オリジナルかと思いきや、原作にも登場します。 ・原作では、ラストで現在の松井新太郎が子連れで登場し、永島と沢村に再会します。
蜘蛛の糸
映画「蜘蛛の糸」(2011年/日本)を観ました。原作は、芥川龍之介著『蜘蛛の糸』(1918年)、『アグニの神』(1920年)、『煙草と悪魔』(1916年)。企画・製作・宣伝・配給・監督は、秋原正俊。 有名な『蜘蛛の糸』を現代風にアレンジしています。ファンタジー要素が大きい作品です。低予算で製作されていて、セット等はいたってシンプルです。 葬儀で香典を盗んだところを車に轢かれた男(平幹二朗)は、三途の川を渡って、閻魔大王に「カンダタ」と命名されたと語ります。生前の名前は、原作と同じく出てきません。カンダタのいる地獄は、自然の中に家があり、服を着て、現世とほとんど変わりなく生活しています。たまに他人に会いますが、地獄の人口密度は低い。原作には「血の池」「針の山」などと書かれているので、映画の地獄はかなり平穏です。ちなみに、天国も似たような風景です。 魔女と恵蓮のエピソードは『アグニの神』を、煙草畑での悪魔とのエピソードは『煙草と悪魔』を引用しています。 カンダタ役の平幹二朗は、受け身の演技。もっと狂気的かと予想していましたが、喚いたり叫んだりしないので期待外れ。鬼/垣内聡子役の高畑こと美は、高畑淳子の娘とのこと。高畑淳子も垣内千枝役として特別出演で出演していて、今作が母娘映画初共演とのこと。十一面観音菩薩役のスティーヴ エトウは、打楽器奏者とのこと。 パンフレットは「原作付きガイドブック」になっていて、原作3作品を収録しています。『蜘蛛の糸』は久々に読みましたが、とても短くてびっくり。「〜でございます」調で書かれているのも味わい深い。
一命
映画「一命」(2011年/日本)を観ました。原作は、滝口康彦著『異聞浪人記』(1958年)。監督は、三池崇史。第64回カンヌ国際映画祭コンペティション参加作品。同じ原作で、「切腹」(1962年、小林正樹監督)を撮影されてました。 狂言切腹を認めず武士に二言はないという武士の情けと、刀を売らなかった武士のプライドが描かれています。ちょんまげを切られたから自害するという展開が珍しい。 冒頭にいきなり「一命」のタイトルが出た後、縦書きの筆書きの字幕で、出演者などが井伊家の屋敷をバックに表示されます。重厚感のあるオープニングです。ストーリー進行のテンポが遅く、間がゆっくりしています。男臭く、画面も暗い。G指定ですが、切腹シーンは腹を切り裂く音がえぐい。前作の「十三人の刺客」と似ています。時代劇初の3D作品とのことですが、2Dで十分でした。 津雲半四郎役の市川海老蔵は、歌舞伎役者だけあって話し方や声が独特です。暴行事件がなければ話題になっていたと思われるだけに、不入りが惜しい。千々岩求女(ちぢわもとめ)役の瑛太は切腹した後、回想が多く挿入されます。斎藤勘解由(かげゆ)役の役所広司は、足を引きずっています。美穂役の満島ひかりは紅一点。時代劇初出演とのことですが、違和感はありません。病弱の身ですが、出産します。田尻役の竹中直人は、地味な役です。沢潟彦九郎役の青木崇高が意地悪なキャラクターを好演。 音楽は坂本龍一。自ら演奏と指揮も担当しています。衣装の黒澤和子は、黒澤明の長女とのこと。 『シナリオ』誌(2010年12月号)に、山岸きくみの脚本が掲載されています。映画本編ではカットされたシーンが書かれています。「竹光はしなるだけ」と書かれていますが、映画では硬くて腹に刺さっていました。「39 欠番」はシーンごと削除されていて珍しい。 なお、原作は文庫本で30ページ程度の短編です。斎藤勘解由は映画よりも意地悪な性格で描かれています。
カメリア
映画「カメリア(原題:카멜리아)」(2010年/韓国=日本=タイ)を観ました。第15回釜山国際映画祭クロージング作品。カメリアとは英語で椿の意味。椿は釜山市の市花とのこと。 3編からなるオムニバス映画です。過去→現在→未来という流れになっているようです。釜山と愛を共通のテーマにしています。現実離れした設定が多く、B級映画と言ってよいでしょう。 1本目は「IRON PUSSY(アイアン・プッシー)」。監督は、タイのウィシット・サーサナティアン。女装したスパイが追っていた男はクローンだったというストーリー。突然歌を歌い出すなどミュージカル映画のような演出があります。生タコが電話の受話器になったり、韓国語が分かるようになるガムを噛んだり、独特のコメディセンスです。 2本目の「Kamome(カモメ)」は、行定勲が監督。カモメと名乗る少女(吉高由里子)との一夜を描いたストーリー。靴を履いていないのは、自殺した幽霊だったからというオチです。吉高が選ばれたのは、色白で幽霊らしく見えるからでしょうか。英語、韓国語、日本語の3ヶ国語を話します。 3本目は「LOVE FOR SALE(ラブフォーセール)」。監督は韓国のチャン・ジュナン。脳の記憶を取り出す装置によって、過去の出会いが回想されます。ジェイ(カン・ドンウォン)による激しい銃撃戦があります。ボラ役のソン・ヘギョはかわいい。