映画レビュー
観た映画と、映画に関する講演会の感想です。ネタバレにご注意。


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2012年2月19日(日)

今日と明日の間で

映画「今日と明日の間で」(2011年/日本)を観ました。バレエダンサー首藤康之(しゅとうやすゆき)の2010年の活動を追ったドキュメンタリー映画です。監督は小林潤子。

椎名林檎がテーマ音楽「Between Today and Tomorrow」を手掛けています。作編曲は椎名林檎。演奏は「林檎とネコかる」。ピアノ五重奏の編成で、斎藤ネコカルテットのメンバー(斎藤ネコ、グレート栄田、山田雄司、藤森亮一)に、椎名林檎がピアノを弾きます。歌はありません。不協和音もあって、やや暗い音楽です。この音楽に合わせて、首藤が1人でダンスを披露します。冒頭と最後の2回踊ります。
パンフレットによると、首藤が椎名林檎を指名したようです。椎名林檎は首藤のステージをたびたび鑑賞していたようで、「彼が最高。最高は何人もいらない。」とメッセージを寄せています。首藤康之と椎名林檎は、2004年6月にタワーレコードのポスター「NO MUSIC, NO LIFE.」に、ツーショット写真(4種類)が使われたことがあります。写真集「NO MUSIC, NO LIFE」(マガジンハウス)に収録されています。

ナレーションはなく、最小限の字幕で進行します。「時の庭」は、神奈川県民ホール内の展示スペースでの上演。ライトアップされた木の切り株の間で踊ります。「空白に落ちた男」は、首藤が主演した舞台で、小野寺修二が作・演出。cobaが音楽を担当しています。小野寺は首藤を「そんなに器用な人ではない」「形になるまでに時間がかかる」「時間はかかるがブレない」と語ります。「アポクリフ」は、コンテンポラリーダンスとのコラボレーション。男性3人で操り人形を操作しながら踊ります。アポクリフとは「聖書から排除されたもの」とのこと。バレエ以外のパフォーマンスにも積極的に挑戦しています。

都内のダンススタジオで、1人で練習します。首藤は自転車に乗ってやってきます。ビルの一室で、鏡張りですが、あまり広くありません。「練習では骨を意識しなくてはいけない」と語ります。やさしい口調で、きれいな声です。

また、首藤がバレエを学んだ大分県の「笠木啓子バレエ研究所」の創立50周年記念公演で上演される「くるみ割り人形」を指導します。生まれ故郷の景色を見ながら、「バレエと出会ってから、学校(高校)に行くのがつらかった」と語ります。

東京バレエ団に所属していた頃のステージが写真で紹介されます。モーリス・ベジャールから「ペトルーシュカ」の指導を受けている映像があります。

作成者 ハムラ : 2012年2月19日(日) 01:48 [ コメント : 0]
2012年2月7日(火)

ロボジー

映画「ロボジー」(2012年/日本)を、吉高由里子目当てで観ました。監督・脚本は、矢口史靖。

木村電器が開発したロボットが壊れたため、中に人間を入れて動かすというストーリー。ロボットの中におじいさんを入れたためか「ロボジー」というタイトルですが、ロボットの名前は「ニュー潮風」。作中で「ロボジー」と呼ばれることはありません。
中に人間が入っていたと分からないように、代理ロボットを窓から落としたという展開は、夢があって美しい。ストーリーはやや非現実的ですが、「スウィングガールズ」ほどではありません。

鈴木重光役の五十嵐信次郎(ミッキー・カーチス)は、はまりすぎで演技なのか素なのか分からないほど。73歳には見えません。五十嵐信次郎は、本名ではなく別名とのこと。佐々木葉子役の吉高由里子は前半は出てきません。ニュー潮風の正体を知るために、必死になるところがいい。就活のスーツもよく似合います。木村電器社員役の3人(濱田岳、川合正悟、川島潤哉)もキャラクターが立っています。

撮影は北九州で行われたとのこと。門司港駅前でも撮影されています。

主題歌は、五十嵐信次郎とシルバー人材センターが歌う「MR.ROBOTO」。原曲はアメリカのロックバンド「スティクス」が1983年に発表しました。この映画にぴったりです。
BGMで使われているヴィヴァルディ「マンドリン協奏曲ハ長調RV.425第1楽章」、さくらと一郎「昭和枯れすゝき」も印象に残ります。

脚本が『シナリオ』誌(2012年2月号)に掲載されています。監督が脚本を書いているせいか、状況説明などはあまり細かく書かれていません。映画では気がつかなかったような細かな設定に気付きます。例えば、窓から落ちた代理ロボットに「コスプレ制作・ドリーム工房」のステッカーが貼られていたようです。

作成者 ハムラ : 2012年2月7日(火) 23:09 [ コメント : 0]
2012年2月4日(土)

ヒミズ

映画「ヒミズ」(2011年/日本)を観ました。原作は、古谷実の漫画『ヒミズ』(2001〜2003年)。監督・脚本は、園子温。園子温初の原作作品の映画化です。第68回ヴェネチア国際映画祭で、染谷将太と二階堂ふみが、日本人初となるマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞しました。殺人シーンがあるため、PG-12指定。

ヒミズとは「日不見」と書いてモグラのこと。親から暴力を受ける中学三年生が、周囲に住む大人と協力しながら、ボート屋で生活するストーリー。東日本大震災の被災地の映像が挿入されます。原発の被害を伝えるテレビニュースも流れます。ラストシーンは、園が大震災後に書きなおしたとのことで、原作と異なるようです。「住田がんばれ」と励ましながら走る前向きなエンディングです。

住田祐一役の染谷将太は、これまで物静かな役(パンドラの匣東京公園アントキノイノチ)が多かったですが、今作では泣き叫ぶなど感情が激しい。
茶沢景子役の二階堂ふみは、「指輪をはめたい」のインパクトが強烈でしたが、今作も表情豊か。「愛のむきだし」の満島ひかりを彷彿とさせます。
夜野正造役の渡辺哲、金子役のでんでんが好演。田村圭子役の神楽坂恵はセリフがありません。ミキ役の吉高由里子はワンシーンだけ出演。

音楽は、モーツァルト作曲「レクイエム」の第1曲「イントロイトゥス(入祭唱)」の合唱が入るまでが繰り返し使われます。後半には、バーバー作曲「弦楽のためのアダージョ」が流れます。非常に効果的な使われ方です。演奏者名はクレジットされていません。

作成者 ハムラ : 2012年2月4日(土) 19:34 [ コメント : 0]
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