文机

月刊エッセー、大智寺の愉快な日常?生活

← 2011年12月 →

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
My Yahoo!に追加 RSS

2011年12月9日(金)

紅葉散る

霜月末つ方
自坊にて しばし方丈記の世界に遊びしが…
にわかに
ひゃ〜 の声   
ゥわァー の叫び?
とッとッと・・・と小走りの靴音
で =はいポーズ*=
と聞こえて来る

山門を抜け 中門を過ぎた辺り…
真赤な紅葉の下で
様々な感嘆の声がする
あるいは沈思黙考の人
または、カメラレンズを終日覗き込む人

今年は、某タウン紙上に掲載された為か
例年より多くの人に参拝して頂いた

毎年、一部の狂いもなく
まさに燃えんばかりの紅葉である
時雨に霞む日もまた格別の美しさである
しかし、この紅葉の深遠さは
長らく、自分だけの秋の楽しみであった
誰一人訪れることもなく、散っていく…そんな秋が続いた
それとて何の不足も無かった…
が・・・
ひとたび、この紅葉に
ちょっとした弾みで、小さなスポットライトが当ると
今まで素通りしていた人も、振り返り、足を止める
一人が止まれば、次の人も止まる
充足されていた空間の色香が変わっていく

地味だった株価が、「ここは有望!」と言うエコノミストの発言で
突如浮上したようなもの?
反対に、「あれは価値なし」というメディアの言葉が
人一人をも殺してしまう。

こんな危うい社会の中で繰り広げる浮舟生活…
浮世を憂き世と思う侘しさ空しさ
すべて承知で生きていく ふてぶてしさ……

そんな人間の有象無象に「我関せず」の如く
紅葉は、今朝ほどすっかり散ってしまった
大智寺の境内も まもなく 冬枯れである

作成者 kan : 2011年12月9日(金) 16:04
前の記事  |  次の記事