コンセプチュアルなのに詩的、社会批判なのに楽しい、一味違う現代アートを作る坂田英三のパリ便り

パリに住んでもう二十余年。版画からはじめた制作活動だったが、田舎でのランドアート的作品から、水をあつかうエコロジカルな企画へと範囲は広がるばかり。フランス超田舎の旅行記だったり、パリの展覧会報告だったり、フランス社会批判だったり、制作=生活の現場を気のままに書き綴ります。

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2012年1月28日(土)

役だたずの確信犯

経産省前のキャンプ撤去命令のことを知らされて、色々なサイトを見ていたらやっぱり今日は目がしょぼしょぼし、弱い頭痛もする。
よく人に「原発事故のニュースを訳すような役立つ事をしたら」と言われるのだが、肉体的に長時間コンピューターとにらめっこは不可能ときたうえに、「人に役立つ事などごめんこうむる」(*)という信念を持っているのでしない。

糊口を凌ぐために翻訳のバイトを探していた頃(90年頃かな)、原発関係専門の翻訳事務所があった(フランスは原発先進国だから)。すぐにクビになったのは何故だったか? まじめに仕事して専門知識を身につけていれば今頃本当に皆様のお役にたてたかも。それからグループを作ってマンガを翻訳してほしいという話もあったが、これは「翻訳」ではなく語感の問題だからと思い自分には向かないと断った。これはまじめにやっていれば今頃億万長者だった。でも「あーあ」と後悔はしない。私は基本的に怠け者で、いずれにせよ「まじめ」に何年も続けられた訳はないから。だから何の役にも立たない絵だけは毎日でも描ける。絶対に何もしない「役だたず」の確信犯の私だが、たまに(**)「英三さんのいるお陰で助かっています」と言われるのはとても嬉しい。

註 *害を与えたいという意味では全くないので誤解のないように
  **「役に立つ事すれば」と「助かってます」との割合は1000:1ぐらい

作成者 Eizo de Paris(エイゾウ・ド・パリ) [ コメント : 0]

2012年1月26日(木)

清貧なるアーティストの集いの場

昨晩ルーブルのホールでドイツのWerner Herzog(ヴェルナー・ヘルツォーク)監督が南仏の洞窟画を撮った映画の上映があったので出かけたところ、ルーブル商店街側からの美術館入口のシャッターが降りている。水曜日は夜間開館の日だから旅行客もうろうろ。私は上映10分前なのに、、、。リボリ通りに戻ってピラミッドまで行ったらもう遅刻だろうと焦っていたところ、係員が現れ、シャッターを開くと言うので待った。走ってついた映画のチケット窓口には20人ほどの列が、だから間に合ったかと思いきや「満員御礼」(信じがたい事態)とのことで入れずじまい。
折角来たのに馬鹿馬鹿しいから、何となく美術館に。セーブル焼きの特別展の矢印にまたまた何となく従って行った会場は2間だけの小さな展示会。そこからエスカレーターまかせで上の絵画部門に着いて、新しく収蔵されたクラナハの三女神を見ていない事を思い出し、中世絵画部をそそくさと抜けようとすると、おおありました、このピエタ。昔は「アヴィニョンの師匠」作とされていたが、いつからかアンゲラン・カルトン(Enguerrand Quarton)作となり、配置も昔は仏絵画部門入ってすぐにあったが、今は少し奥まったホールに。だから久々の予期せぬ場所での対面。しばらく後ろの方から見ていたのだが、絵の前ではるばるこの絵を見に来たらしい日本人が右に左に動いては眺め、そしてG君に似たつるつる頭の男が正面にじっと立ったまま何分も動かない。これはほぼ間違いがないから「ムッシュG、そこをどけ!」と言い放ったところやっぱり振り返ったのはG君だった。彼はアパートの家の鍵を忘れて奥さんが帰宅するまでの時間つぶし。ルーブルはアーティストパスで無料、名作が一杯で退屈することないからね。でも巨大なルーブル美術館の中、よりにもよってこのピエタの前で私とGが出会う? 結論:この絵の前はきっと清貧なるアーティストの集いの場なのだ
(アップロードして昨日の私のデッサンと写真が並ぶと、差が甚だしくて恥ずかしくなったが、今やもう遅し)

作成者 Eizo de Paris(エイゾウ・ド・パリ) [ コメント : 0]

2012年1月25日(水)

王様のお出まし

サルコジへの当てつけではない。零点をくらった私のデッサン。12/26に書いたが、最近毎日ドローイングを描いては1作をフェースブック(FB)に掲載中。6億人の利用者がいるとされるFBだが、私のデッサンを定期的に眺める人は10人ぐらい。FBの世界ではまあまあ気に入れば、「見ましたよ」という跡を残すために「お気に入り」マークをクリックする。今まで最高7点。でもこれはクリスマスだったから「挨拶」クリックが多かったはずで、平均は(当然計算してないが)3点ぐらい? もう1ヶ月も続いてしまったdaily drawingだが、その中で零点は2作。もう一つは好まれなかった理由は一応想定でるのだが、この「王様」はちょっと不思議。阿呆らしくて自分では結構イケていると思のだけれど、、、。
上に述べたようにFBの「お気に入り」は到底あてにならないないし、それ以上に人の評価など到底気にしない私だが、最近資料を作る時に参考にすることにした。例えば自分で何十作の中から5作を選ぶのはなかなか頭の痛い作業。だから1次審査はFBの採点任せにすると気楽で簡単。だから「王様」が日の目を見るのはこれが最後でしょう。

HPにもdaily drawingのページを作りましたのでFB会員でない方はご参考に(これはFB得点方式を思いつく前に作ったので低得点作品も入っています。7点作品も入っていますが)
http://sakata.eizo.perso.neuf.fr/Esquisse.html

得点と言えばオランダ候補は「何でも採点するのだから企業の厚生的採点をしよう」と言い出しました。 冗談なのか本気なのか?

それからジェノサイド弾劾法は上院も通過しました(12/23&24参考)。

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2012年1月23日(月)

AAA(アーアーアー)

ちらりと13日の金曜日に書いたが、Standard & Poor'sという格付け会社のフランス国家の格付けが最高レベルのAAAからAA+に一段落とされた。9月から「そうなったらここの世の終わり」のような雰囲気で取沙汰されていたが、結局大ショックはなかった。世界を席巻している感のある格付け会社だが、私のような門外漢には本当に訳がわからない。経済状況の悪い国の信頼度評価を下げるのはよいが、それにより格下げされた国の払う利子が高くなるのは血も涙もない借金取りの論理、それでは経済回復するわけがないではないかと日頃思っていたのだが、私の常識がそう外れてない事が先日France Cultureの経済顧問の論説を聞いていてわかった。以下『』内は顧問の見解と考えてもらっても良い。

フランスが1ランク下げられた時に、イタリアは旅客船座礁が一番のニュースかと思いきや2ランクも一挙に落ちていた。やっと『ベルルスコーニを辞めさせて新政府が厳しい緊縮経済政策と構造改革を採択したのに。理由はこの政策だと経済成長が見込めないから』ということらしい。国家経済を採点をするし、政府がへいへいしているから大先生みたいな存在かと思いきや、これは落第聖徒に何やってもダメですよと奈落に突き落とすようなもので無茶苦茶だ。つまりこの種の会社は先生でも何でもなく『近視的展望しかない』、というよりおおよそビジョンなどないのだ。だから10年20年後を目指して教育や基礎研究の予算を増やせばまた借金財政として格下げするに決まっている。何でこんな機関が重きを置かれているのか? 私は格付け会社に、自分達がいる資本主義システムの存続さえももうどうでもいいというほどのアナキーさを感じてしまう。
ところで『イギリスはフランスと同じほどの赤字率、低成長などなどなのに格下げされなかった。その理由はポンドを保持したので自国での通貨政策が可能だから』。これには極右のマリー・ルペン大統領候補がほくそ笑むに違いない。一部の誤りや矛盾を指摘して全体を否定するのが詭弁術の常道だから、これは絶対に使える!と私が極右のブレインでもないのに思っていたら、社会党のオランド候補は「私の本当の敵は(サルコジではなく)金融界だ」と昨日の大集会で演説した。僕は本当には何がどうなっているかさっぱりわからないが、金融システムは絶対に狂っていると思うから「オランド頑張れー」と応援したいくなる。だがどうみてもオランダ君には敵が勝りすぎている。顔を見ても演説を聴いても、八岐大蛇のような敵を前に剣を振るって大活躍をするような知恵と勇断のある強者には到底見えなくて、、、(10/17も参考に)。選挙までの3ヶ月を考えると、やはり出るため息はアーアーアー(AAA)のまま。

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2012年1月18日(水)

ついに来ました

何が来たかというと、
先ず第一は大晦日のパーティーでお披露目した派手派手シャツの写真。でも写真だとそんなに派手に見えない。結構緊張して着たのに。これなら誰でも何処でも羽織れそう。写真の解像度が低いからかな?(現在高品質画像送付請求中:世話が焼ける)
第二はエレベーターのメンテナンス。私には理解できない「安全のためエレベーターが1階に行く」ようにするプログラムを元に戻し、普通通りエレベータは地上階に居座るようになった。これだけで夜毎の怪音は殆どなくなり、昨日から心配せずに耳栓なしで眠れるようになった。
第三は寒さ! 暖冬で朝も零下知らずだったが、ついにマイナスに。まじめに冬やってくれないと害虫等が死ななくてよくないんですよね。だから今日はすべてに満足。

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2012年1月13日(金)

13日の金曜日

今日は13日の金曜日。A君が4月にノルマンディーの展覧会に誘ってくれたが、冗談好きのA君は13日の金曜日にオープニングをすると言っていた。今月そして4月、そのあと7月にも13日の金曜日がある。不吉な日との迷信がある「13日の金曜日」はそんなに頻繁にあるなのだろうかと思ったが、自分で計算するのは難しそうだからゴーグルしてみたら日本語ウィキペディアに「(グレゴリー暦では)400年で同じ曜日のパターンが繰り返される。そのパターンでは、13日の曜日の中で最も多いのは金曜日である」とあった。これは大発見と思い仏ウィキペディアを見てみたら、400年間に「13日の金曜日」は688回あり、例えば「13日の日曜日」は687回、そして一番頻度の低い「13日の土曜日」が684回。まあ確かに金曜日は数字の上では頻度は高いが、驚くべき事実では全くなかった。
この頻度とは逆に「13日の金曜日」を強調するので一般的には珍しいことのように思われるからだろう、この日はフランスでは宝くじが通常の2倍売れる。この「凶を吉」とする解釈はフランス独自とTVニュースでは言っていたが、本当かどうか? 暦の計算に戻ると「13日の金曜日」は少なくとも1年に1回はあり、年に1、2回が普通で3回はは少ない。だか今年はツキがりそうだが、見事仏経済の格付け落ちが発表された。(9月には「そんなことになったら大変なことで絶対避けねばならない」と言っていた政府だが、今は「そんなに心配することはない」と主張している)
当たり前だが1日が日曜日だと13日は金曜日となる。今日の13日の金曜日に先立った元旦の日曜日に撮ってもらった私の自慢のシャツの写真はまだ送られてこない。やっぱり口約束はシャンパンの泡のようなものだったか、、、。

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2012年1月8日(日)

イーストウッドの見られない映画

12月中旬からシネマテックでクリント・イーストウッドの特集をしている。年末に硫黄島に星条旗を揚げて期せずして英雄となり軍費費招集ツアーに参加させられた兵士の話の「父親たちの星条旗」を見て結構良かったので、フランスのマスコミでは代表作とされている「マジソンの橋」を昨晩見たのだが、全く予想通りの展開のメロドラマでがっかり。「お前はほんとうに人を愛した事がないからわからないのだ」と言われればそれまでの感動ラブストーリー、でもそれならば子供が遺書を読むという構成は不要で、登場人物2人だけのラブストーリーだけでぶつければいい。最後に子供が感動してハッピーになるところなど、観客に同感を強いるようで私は失笑。そういえば封切り時に名作と評判が高くて見に行った「ミリオンダラーベービー」も女性ボクサーが死ぬところまでが行く完全なるお涙ちょうだいの超駄作だった、それ以降彼の映画はいつも評判が高いが見に行かなかった(「星条旗」は「ミリオン」の次だった)が、偶然一昨年飛行機の中で見た「ミスティックリバー」が登場人物が全員善でも悪でもないなかなか良い映画だったので、ちょっと見直したのが間違え(?)のもとだった。イーストウッドはウエスタンをやめて映画監督デビューをした頃には、「ホンキートンクマン」とか今までの彼の役のイメージではない「負け組ヒーロー?」が主人公の、ほのぼのとした(今ほど無理に人を感動させない)良い映画を撮ったと思うし、近作でも上で褒めた映画のような例もあるので悪い監督ではないが、何れにせよ「やりすぎ」が多い。アメリカ映画だから致し方ないのかもしれないが、フランスでも人気があるのが不思議。

ところで皆さん、「ペンチャーワゴン」(Paint Your Wagon)というイーストウッドが出演したミュージカル映画を知っていますか? 主演はリー・マーヴィン。つまり歌など歌いそうもない2人が少し歌う。ゴールドラッシュ時代に砂金採りが、砂金で賭けが行われる西部のカジノに目をつけ、カジノの下に地下道を掘って床下に落ちてくる砂金を集めて大もうけをする荒唐無稽な痛快喜劇。多分中学の頃に見て腹を抱えて笑ったからからもう一度見たいのだが、如何せん、どんなイーストウッド特集でも絶対に上映されない。記憶違いでもあるまいしと思ってウィキペディアを見たらパラマウントの財政を傾けた大予算の大赤字映画だったそうだ(かつ女性役はゴダールの「勝手にしやがれ」のジェーン・シーベルグだったことを発見! しかしこの主役3人のキャスティングは何なんだろう?)。イーストウッド自身の言では「膨大な制作費を浪費した愚作」とのことで、、、私には今でも覚えているシーンがあるぐらい記憶に刻まれた映画なのだが、、、。

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2012年1月3日(火)

カレンダー

三賀日だがフランスでは2日から通常通り、さすがに元旦が日曜だったから学校は今日から。みんな偉いものだ。私は疲れてぐうぐう寝ている。日課のデッサン以外にした事といえばカレンダーを替えたぐらい。

昔は日本では銀行などからきれいなカレンダーが貰えたが、こちらでカレンダーを買おうとするととても高く、かつページの下に1から31の番号が並んでいるだけだったりするので、日本からわざわざ送ったり持ってきてもらったりしていた。最近は「マトモ」なカレンダーは日本でも買わなければいけなくなったが、やぱり質が良いと思って11月に戻った時も買った。しかし年末に街を歩いていたらディスカウント本屋さんで名画カレンダーが6ユーロ。印刷も良い。先日のグランパレのスタイン家コレクション展がすっかり色褪せてしまう傑作ばかりを連ねた内容の「マチス」を即購入。世の中変わった?(確かにデジタル革命以後安い本も増えた)

日本のカレンダーといえば去年犬好きのNさんに子犬をクローズアップで撮った写真のをあげたらとても喜んでいたので今年も便利なクリスマスプレゼントにと帰国時に見たのだが、同シリーズは12年用も写真は全く同じみたいだったのでやめ(ノートリーフや本のしおりにもなっていた。多分写真家は一財産を稼いだであろう)。その後実家のある田舎の100円ショップを物色していたらカレンダーを発見。子犬モノもあり、まあまあでこれを購入。値段は15倍は違うのだが(これは秘密)、、、Nさんはやっぱり同じぐらい喜んだ。

プレゼントは値段じゃない、心です!(笑)

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2012年1月1日(日)

大晦日のパーティー

大晦日のパーティーは2年前に踊ってはしゃいだFさんのアトリエ。今年のバンドはジェズ系でリズム感がストレートでなく乗りが悪かったが、こういうパーティーは鬱憤発散が第一目的として来てる人が多いから、そういう人たちと一緒に目的を達成(?)。
実は私にはそれに加え、春に仕立てしてもらったシャツの着初めをする目的も。これは母の着物の端切れで、柄が中国風ですごく派手で変わっている。これを日本人の知り合いのNさんに頼んでシャツを作ってもらおうとしたところ、着物地の幅は狭いので長袖が不可、アロハシャツ風のものになった。夏の何か晴れがましい席で着初めをする気だったのだが、パリの夏は冷夏(平均気温では観測史上一の暖かい年となった2011年だったたのだが)で着る機会がなかった。ずっとタンスの中に眠らせておいては母に着物と同じだからと昨日のパーティで初披露することにした(そんなに晴れがましい機会も私にはないし)。とはいえアロハだからいくら暖冬とはいえ寒い、かつオーダーメイドの贅沢なシルクアロハを会食中に汚してしまったら元も子もない(ドライクリーニングですからねとNさんに念をおされている)と、長袖の黒いカンフー風の中国服で完全に被い、ダンスで身体が温まってから初めてご披露。中国小僧の柄が可愛いと大好評でした。
(写真は撮ってくれた人がちゃんと送ってくれたら掲載します)

作成者 Eizo de Paris(エイゾウ・ド・パリ) [ コメント : 0]
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