2008/7/27 (日)
―福岡・住環境を守る会も注視している愛宕浜紛争の関係者より投稿がありましたので全文を掲載します―
企業の社会的責任、企業のモラルについて(後半)
3.法に触れなければ、何をやっても良いという訳ではありません
企業に求められる社会的責任は、法律の順守は重要な原則の一つではあるが、それがすべてではない。すなわち、次の四つの責任レベルを誠実に履行することにあるという考えが定着してきました。そのことが、健全かつ持続的な企業の発展に繋がる道です。
第1は「法規範(法令・規制)の責任」
第2は「社内規範(諸規則・規程)の責任」
第3は「あるべき姿(経営理念・社是)の責任」
第4は「社会規範(企業倫理)の責任」
明文をもって定められた法規範(法令・規制)や社内規範(諸規則・規程)は当然に遵守されるべき性質のものです。
しかし、自然発生的に成立したルールが、不文律に、暗黙のうちに守られるべきものとして人々の意識の中に定着し、安定化した場合、その安定したルールが、その組織の構成員がお互い守るべき義務として意識される。それが不文律な社会規範です。
また、「あるべき姿(経営理念・社是)の責任」として、社員の行動指針として、コスモスイニシアはじめ大半の企業が、行動憲章等を定めています。
ここで、大手商社の「行動マニュアル」を紹介します。
「正義と利益のどちらかを取らねばならない状況に遭遇したら、迷わず正義を貫け」
わかれ道でこの道標を見落とし、易き道を選び、コーポレートブランドを一度傷つけてしまえば、その回復に長い時間とエネルギーを費やさなければなりません。
それゆえに、私たちは目先の利益に惑わされて危ない近道を走るのではなく、遠回りでも正道を一歩一歩、着実に歩まなければなりません。
今一度、一人一人がよく見つめ直してください。自分が進もうとしている道は、
○法律に違反していませんか
○家族に自信を持って話すことができますか
○子供にも同じ道を進ませることができますか
○新聞やテレビに発表されても堂々としていられますか
○誰かにつけ込まれるすきを与えることにはなりませんか
○自分だけが汗をかかずに楽ができる近道ではないですか
4.コスモスイニシアは、上記の4つの責任レベルを誠実に応えているか?
私は、平成18年の9月から愛宕浜の住民運動に参加し、コスモスイニシアの行動、姿勢をつぶさにみてきました。
しかし、あるべき姿(自ら定めたグループブランドステートメント、建物づくりのコンセプト)の責任レベル、さらに、愛宕浜マリナタウンのコミュニティにとって、もっとも尊重すべき不文律な社会規範(街並み、場の空気、阿吽の呼吸 、暗黙のルール)の責任レベルに真摯に応えているとは思えないのです。
コスモスイニシアは、建物づくりのコンセプトで、次のように謳っています。
「・・・・。そして、それと同じくらい重要視されているのが、住む方や近隣の方々、そして周辺の環境・景観に深く配慮した建物づくりだといえるでしょう。
私たちは、独自の仕様基準を設けてお客さまのご要望に応える住まいづくりを実現すると同時に、人にも景観にも優しい建物づくりを実践しています。環境にとけ込み、景観の美しさに貢献できる建築。私たちは、思いを込め、知恵を駆使して、未来にわたって尊重される建築を創出してまいります。」
むしろ、それに反するか、無視するかのごとき行動・姿勢を敢えてとり続けてきたのです。
請願採択(世論)を無視、話し合いを打ち切っての工事強制着工、戸建て住居を中心とするマリナタウンの景観を損なう10階建ての建物、住民の安息日を無視した休祭日の工事、緑道公園通りのコンクリート塀の設置、言論の自由を封じようとするカメラ片手の高圧的な態度等は枚挙にいとまがない。
「イニシア愛宕浜」の折り込みチラシが今日も入っていました。
「住環境のよいおだやかな街、愛宕浜に生まれるのは、品と格を掲げた114邸」
この一文が、白々しく思えてなりません。
私たちの目には、コスモスイニシアが「自らの権利は最大限に主張する反面、他人の権利を土足で踏みにじることについては何の躊躇もない。自らの利益だけを最大限に追求し、それに伴うマイナスを周辺住民に一方的に押し付ける。」そのような写像しか映らないのです。
果たして企業のあるべき姿勢として許されるのでしょうか。
以上
平成20年7月27日
福岡市西区愛宕浜在住 自然人
―福岡・住環境を守る会も注視している愛宕浜紛争の関係者より投稿がありましたので全文を掲載します―
企業の社会的責任、企業のモラルについて(前半)
(法より以前にモラルを守る 愛宕浜マリナタウンの生垣の垂幕より)
平成18年6月に愛宕浜マリナタウンの低層商業施設地区に高層マンションの建設計画が浮上して以来、今日に至るまで、まさに、私たちは、理不尽な被害をこうむり、その不当性・違法性を訴えて死力を尽くしてきたといえます。
しかし、10階建のマンションが現実に立ち上がり、第1審に続き、7月15日の控訴審でも、私たちの請求は棄却されました。
控訴審の判断が下された今、当事者の一つであるコスモスイニシアに焦点をあてて、企業として社会的責任を誠実に履行しているかどうかを検証し、その問題点を市民に(内覧者にも)問いかけていこうと考えています。
1.控訴審の判断で注目すべき点
7月15日、控訴審の争点に対する判断のなかに注目すべき点がありました。
私たちは、この点についても、機会あるごとに、コスモスイニシアに訴え続けてきました。
(1)マリタウンの景観に及ぼす影響(争点(5)に対する判断)
「マンションが建築されつつある土地は、マリナタウンの玄関口ともいうべき場所であるから、そのような場所に地上10階建てのマンションがそびえ立つことになれば、戸建て住居を中心とするマリナタウンの景観に影響を及ぼすことは否めないところである。・・・」と 私には、「マリナタウンの街並みには不相応な建物だ!」と裁判官がその心証(真情)を吐露したように聞こえます。
(2)建築協定廃止の申請、認可に重大な瑕疵(争点(2)に対する判断)
「過半数の合意は、建築協定廃止のための唯一絶対の要件であるから、過半数に満たないということは決定的な重大な瑕疵があるというべきである。したがって、そのような瑕疵のある廃止申請を前提にした認可も同様に重大な瑕疵があるものといわざるを得ない。」と、明白な瑕疵については退けられたものの、重大な瑕疵については、建築審査会の付帯意見より踏み込んで、はっきりと断定しています。
2.リクルート事件
コスモスイニシアの社会的責任を言及する上で、どうしても、触れておかなければならない事件があります。それは「リクルート事件」です。
リクルート事件とは、リクルートの創業者である江副浩正社長がグループ内のリクルートコスモスの未公開株を当時の政治家をはじめとする有力者多数にばら撒いた事件です。
1988年12月、経団連はじめ財界4団体首脳は、リクルート疑惑に関する見解書をまとめ、その中で、リクルート疑惑のような不祥事を未然に防ぐため「企業人一人一人が企業の社会的責任を自覚し、企業モラルの問題として自省自戒しなければならない」と強調しました(1988年12月19日日本経済新聞の記事)。
倫理に反するということで世間は厳しくこれを糾弾したという事件です。
従って、コスモスイニシアに社名変更した今も、グループブランドステートメント、建物づくり、街づくりのコンセプトのなかにも、その当時の自省自戒の念(精神)を引き継がねばならない責務があるはずです。
(続く)
