2011年12月30日(金)
「終わった経済」には「終わった銀行」が現れる
12月30日(ブルームバーグ):米銀2位バンク・オブ・アメリカ(BOA)の株価は、このまま推移すると今年のダウ工業株平均構成銘柄で最悪のパフォーマンスになる。住宅ローン部門の損失拡大や世界的な景気減速への懸念で、株価が押し下げられた。BOAの株価は年初から今月29日までに59%下げ、ほぼ800億ドル(約6兆2000億円)の株主価値が失われた。米政府の救済措置で破綻を回避した2008年に66%下落して以来の大きさだ。S&P500種金融株指数とKBW銀行指数の構成銘柄の中でも今年のパフォーマンスは最下位になるとみられる。
ドナルドソン・キャピタル・マネジメントのグレッグ・ドナルドソン会長は「3つのリングで同時に演技するサーカスを見ているようなもので、BOAはどのリングでも演技は良くない。新規制や不良債権コストの上昇、経営陣の信用欠如など、今年は次から次にサプライズが起きた」と語った。同社の運用資産は5億ドルで、BOA株も保有する。
BOAのブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は先週、年末に際して従業員に宛てた書簡で、企業価値を高める取り組みが「株主へのリターンとしてまだ表れていない」と説明。資産売却に加え、住宅ローン債権とクレジットカードローンの圧縮、従業員約3万人の削減を含む年50億ドルのコスト削減計画を示し、今後の混乱に備えたと説明した。
ダウ工業株平均は年初から今月29日までに6.1%上昇した。構成銘柄で上昇率トップは31%上げたマクドナルド。一方、80銘柄で構成するS&P500種金融株指数は同期間に18%、24銘柄で構成するKBW銀行指数は24%それぞれ値下がりしている。
BOAの広報担当、ラリー・ディリタ氏はコメントを控えた。モイニハン氏は、09年末にケネス・ルイス氏からCEOを引き継いだ直後から始まった株価下落に歯止めをかけようと取り組んでいる。08年に買収した住宅金融会社カントリーワイド・ファイナンシャル関連の損失を抑えるため、住宅ローン債の投資家や保証会社との和解に努めたが、昨年4月に19.48ドルを付けた株価は29日に5.46ドルで終了した。
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「BOAの株価は年初から今月29日までに59%下げた」と言っても、結構なことじゃないですか。我々は、バンカメの存在すら認めない方向に動きますから。その意味で、今もまだバンカメの株式に価値がついているだけ、過大評価されていると考えているわけです。
米国において「終わった経済」が示される以上、「終わった銀行」が出てくるのが当然であり、それがあくまでバンクオブアメリカだった、それだけのことです。先にご紹介したとおり、著名投資家ジム・ロジャ−ス氏やマーク・ファーバー氏も、資本主義社会では破産は起こるべきと考えているわけです。それが、当たり前です。ところが、バ−ナンキをはじめ世界の政府関係者らは、破産を認めようとはしなかったのです。住宅バブルを創り上げたといっても過言ではないファニーメイとフレディーマックをはじめ、とても保険会社とは言えない投機企業のAIGも潰さなかったわけです。ところが、規模の小さい銀行は潰して、米国一の自動車メ−カ−であるゼネラルモ−タ−ズも潰したわけです。いかにも、やっていることが解せません。
では、2008年から2009年にバンクオブアメリカを潰していたらどうなったのでしょう?リ−マンブラザ−スを潰しながら、バンクオブアメリカを潰せなかったことも解せません。それは単に、FRBの株主であったか否かのエゴが働いていたに過ぎません。バンクオブアメリカを潰しても、バンカメに対して債券を有する者、たとえば国民の中の預金者、社債や株式の保有者などが負の清算を負うだけで、その多くが米国内で地獄絵図が繰り広げられる清算を進めていたはずです。
しかし、バ−ナンキは米国一国だけで負の清算を行うことを拒否した。世界にも苦しみを分け与えて、自分たちは少しでもこの苦難から逃げたいと判断した。でも、逃げ切れるとでも思っているのでしょうか?いや、本心は延命できることだけを願って、危機の本質を先送りしているだけに過ぎないでしょう。
「借金を借金によって返済し続けることが可能か?」、「ドル紙幣を刷れさえすれば米国は持続可能か?」、この大きな命題に2012年も取り組んでいくわけですが、世界諸国もそろそろ「正直者になれ!」と申し上げたいところです。ロン・ポ−ル氏同様、正直者はバカを観るような時代が続いていますが、米国内でもその正直者が見直されてきていることは支持率からもわかります。米国が正直に生きる、あるいはキレイになるということは、その垢とか害が他国に及ぶということを意味します。今の米国をうまく殺すことなど、そんな都合よくはいかないものです。

