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アカヤシオを見に熊倉山へ1
【山域】 奥武蔵 【山名】 熊倉山(1426.5m) 【山行日】 2005年5月3日(祝) 【メンバー】単独 【地図】エアリア『奥武蔵・秩父』2001 1/25000 秩父、三峰 【天候】快晴 【コース】 白久駅 09:15 - 10:10 城山コース登山口 城山コース登山口 10:15 - 11:35 1170m付近 1170m付近 11:45 - 12:30 熊倉山山頂 熊倉山山頂 13:40 - 14:45 営林署小屋跡 営林署小屋跡 14:50 - 15:55 林道コース登山口 林道コース登山口 16:00 - 16:22 白久駅 【山行記】 朝、家を出る前にネットで見た天気予報では天気はそれほど良くないが、雨に祟られることもなかろう、という程度のものだった。あまりに暑いよりはいいだろうし、人出が少しでも減って帰りの電車の混雑も幾分緩和されるかもしれない。なにしろ、今日は花が目的で展望まで欲張るわけでもなし、と予定通り少し遅めの出発となった。 しかし、さすがに5月3日。朝は曇っていた空も、電車が小川町に着く前に申し分のない快晴となった。 何度も山行を繰り返しているが、5月3日と11月3日はちょっとやそっとでは天気は崩れない。晴れの特異日というのは、どんなスーパーコンピュータの予報も、どんな気象予報士の予報も当てにならない。明瞭な低気圧がすぐ西にない限り、どういうわけかたいてい晴れるのである。 白久駅で降りたのは私を含め3人だけ。まあ、この時間だし、この駅だし、GWでもこんなものかもしれない。トイレに行って改札を抜けると、ほかの二人の姿はもうなかった。 これから登る熊倉山は、地図上で見ると、ちょいと行ってちょいと帰ってこれそうに見える。しかし、登山地図を見ると、最短の小幡尾根(城山コース)を登りにとっても、山頂まで3時間かかることがわかる。 これは白久駅の標高が300mちょっとで山頂が1426.5m=標高差が1200m近くあり、一時間あたり300mの高度を稼ぐ計算でも4時間近くかかることを考慮すれば、休憩をいれて3時間では普通の登山者は到達できないわけで、そこらへんがわかっていれば、軽く登れる山ではないことは容易に判るのであるが、単純に距離だけ見て、それほど難しくなかろうとナメてかかると結構しんどい目にあって往生する。
アカヤシオを見に熊倉山へ2
二回目の同じ登り(城山コース)なので、どこら辺がきつくてどこらへんが足下要注意なのかわかっているので、このような遅立ちとしたが、はじめて訪れる方、登山経験があまりない方、秋〜冬の日の短い時期に訪れる方は、このような遅立ちは真似せず、白久に8時過ぎに着き、余裕のある山歩きをしていただきたいと思う。 同じく地図上で見ると大したことはなさそうな林道歩きが城山のすぐ下まで1時間近く続く。これが結構時間の無駄なので、人数がそろえば三峰駅からタクシーを呼んで面白みのない林道歩きを片づけてしまうことをお勧めする。実際歩いている途中タクシーが降りてきたのでよっぽど手を挙げてもう一往復頼もうかと思ったが、財布にそれほどの余裕がないため、単独の私は手を挙げることができなかった。 城山コース(小幡尾根)入口。熊出没注意や、家族にこの山のことを知らせてきたか、などの警告が掲げられている。確かに「秩父の山に行く」だけでは捜索のしようがない。山ではテレフォンカードもクレジットカードも使えない。だが、最近では、そんなことをわざわざ書いて注意しないと判らない人が山に登ったりするのだろうか。 このコースは登山口を入ってからすぐに始まる植林帯の長い急登が「忍」の一字で、ここはあせらず、つとめてゆっくり登るように心がける。これが標高にして800mを超えてくると、自然林になりもう少し時期が早ければカタクリに出会える。このときはもうすでに花期は終わっていたようで、花のない葉っぱだけがそこここに見られた。そして再び登りがきつくなって、1000mを超えると尾根に乗ったことが明確になり、尾根がやせて岩がちになってくると、ようやくアカヤシオに出会える。この日は1000m付近の花がすでに落ちていて、「もしやもうすべて散り去ったあと?」と危惧したが、さらに高度を上げ1150mあたりの少々スリルもある岩場のあたりで咲き誇るアカヤシオを見つけることができた。 1170m付近に進行方向右手、地形図(三峰)でいうと、北北西の方向から小尾根が合わさる地点がある。ここもアカヤシオがきれいで、この場所で腰を下ろし少し休憩をいれた。
アカヤシオを見に熊倉山へ3
最後の登りがべらぼうにきつい。等高線の間隔を見れば山頂直下はほとんど直角に登るような感じであることがおわかりいただけると思う。山頂である限りそう簡単にピークをあけわたさないことは承知しているが、最後の最後にこの登りは二度目でもやはり疲れる。 山頂に到着し、三角点を撫で、少し奥に進むと祠があるので無事登頂の感謝と無事下山の祈願をして、少し戻ったところにアカヤシオを見下ろしながら休める場所を見つけたので、そこでお昼にした。 「あでやか」という言葉があるが、辞書にその語義を「アカヤシオをみたときに感じるさま」と載せてもいいほど、「上品なくれなゐ」である。桜のように薄くなく、しかし派手すぎるほど濃くない。桃の花よりやや控えめな上品なピンク。 休憩場所は日陰であったせいか、好天とはいえ、1時間以上の長居をしたら、さすがに指先が冷えてきた。片づけをして下山にかかる。 帰路にとった谷津川林道コース。名は林道だが実際は最初から最後まで舗装道路は一切ない。 地形図に記してある波線の登山道とは出だしが少し違う。エアリア記載通り、1200m付近まで聖尾根の北側を巻いていく。1200mを少し切るところで聖尾根と別れ、道しるべがあって、聖尾根方面は「危険立ち入り禁止」と書かれ封鎖されている。聖尾根の方を見ると、かなりしっかりした踏み跡がついている。 いつか、登りにとってみたいと考えているが、今日は一般登山道である谷津川コースを降りる。
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しかし、この谷津川林道コース、決して「安全」とはいえない。とりわけ地獄谷という名の沢を渡ったあと、対岸の禿げ山の尾根をトラバースする間がなんともいやらしい。 伐採され、植林が始まったこの斜面につけられた道は「本当に聖尾根の方が危険なのか?」と思うほど、崩れやすく足場もザレていて、雨の後でなくともスリップを起こしそうで二度とこの道は使いたくないと思った。実際死亡事故もおきているというこのコース、長丁場でもあり、疲れた体で下るのはかなり危険だ。 ようやくいやらしいトラバースが終わり、右手が自然林となって、谷津川に向かってぐんぐん下る。自然林はすぐに消え、また植林になる。林道コースというのは「林業用山道利用コース」というほどの意味でしかない。長い下りがようやく終わり、林道コース登山口で、舗装道路に戻った。 登山口の岩に腰掛け水を飲み少し休憩。ここからはもう30分も歩けば元の白久駅に戻れる。今日も事故なく無事に帰れたことにほっとする。 駅に向かい歩いていくと、近所の方だろうか、ヨモギを摘んでいるおじさんに会い挨拶を交わす。山歩きの楽しみのなかに下山先ののどかな風景を堪能するというのがあると思う。こういう何気ない、しかし、都会では忘れ去られた光景を目にすると、昨今の勝ち組だの負け犬だのという価値観がなんと虚しく貧しいことかと切に感じる。 白久駅で時刻表をみると、数分後に電車がくるとわかり、近くのお店であわただしく缶チューハイを買い求め、切符を買って缶チューハイを飲みながら電車を待った。