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新緑の奈良倉山から小菅の湯1
【山域】奥多摩(小菩薩) 【山名】奈良倉山(1348.9m) 【山行日】2005年5月21日(土) 【メンバー】単独 【地図】エアリア『奥多摩』2005 1/25000 七保 【天候】晴れ 【コース】 佐野峠入口 09:25 - 10:20 尾根上の大岩 尾根上の大岩 10:25 - 10:55 西原峠 西原峠 11:00 - 11:45 佐野峠 佐野峠 11:50 - 12:35 奈良倉山 奈良倉山 14:10 - 15:00 鶴峠 鶴峠 15:10 - 16:35 小菅の湯 【山行記】 猿橋駅発08:46上和田行きのバスに乗り、オモレという変わった名前の次の停留所、小寺がアナウンスされたので、降車ボタンを押す。運転手さんも心得たもので、「佐野峠ですよね」「はい」と答えると、小寺の少し先の佐野峠入口の標識のあるところでバスを停めてくれた。 日焼け止めを塗り、準備運動をして出発。松姫鉱泉の看板があり、予約すれば入浴可能とのことだが、いったいいくらなんだろう? 橋を渡りなおも進むと民家に突き当たる。あれ、間違えたかな、とも思ったが民家の脇を抜けると、「左ちちぶこすげ 右さいはら」の石標とそのすぐ横に、「佐野峠」と大きな字で記された青い道しるべがみつかった。 道は最初はやや下草がうるさいが、やがてしっかりとよく踏まれた峠道になる。地形図「七保」でみると、この道は尾根を馬鹿正直に直登しているように描かれているが、実際は尾根に沿って、きつい登りであれば臨機応変にジグザグを刻んだり、巻いたりしながら北東方面に進む。とても歩きやすく道がつけられており、山道とは本来こういうもの、というお手本のような峠道である。 昔ながらの峠道を上り下りするたびに思うことだが、体にかかる負担が最小限に抑えられているこのように芸術的な峠道というものは先人の貴重な遺産なのであり、安易に林道を通したりして破壊するものではない。 新緑もきれいだし、ヤマツツジがそこここに彩りを添え、登って楽しい山道で、ここなら秋の紅葉もよさそうだと思った。 登り始めて小一時間。左手が急に開ける。見ると富士山がまだ少し雪を残して堂々と美しい。ここから更に10分ほど登ると、尾根に完全に乗っかったことがわかる。大きな岩があったので、ここに腰掛けて少し休憩をいれた。遠くでホトトギスが鳴いた。今年はじめて聞いたホトトギスの声。
新緑の奈良倉山から小菅の湯2
更に登っていくと尾根の左側を巻くようになって、左手に佐野峠からの稜線が近づいて、未舗装の車道に飛び出した。ここが西原峠。しかし峠の雰囲気はまるでない。権現山、坪山、松姫峠の道しるべがある。 ここからはあまり面白みのない未舗装の車道歩きが奈良倉山の山頂直下まで続くので迷うことだけはまずありえない。松姫峠方面へ向かって一時間半ほどで奈良倉山の山頂直下に行ける。展望は申し分なく、三つ峠と御正体山の間に大きな富士山が見え続ける。冬枯れの頃日だまりハイクなら楽しいかもしれないが、今日は少し暑いぐらいで、これからの季節はちょっと遠慮したい道である。 佐野峠の直前で、この日はじめての登山者(親子3人)に出会い挨拶を交わす。あれ、どこかで見たお子さんじゃないかな?「どちらへ」と聞かれたので奈良倉と答え、ついでに「もしかしてHPやっていませんか」と思いきって尋ねてみた。やはり間違いではなく、この奈良倉山行の前に下調べのネット検索でヒットした「モリモリ・キッズ」HPの管理者さんであった。いやいや、こういうことってあるんだ〜、と思わぬ出合にびっくり。 佐野峠。七保へ降りる登山道があり、道しるべもあった。この道は藪がすごいと聞いていたため敬遠したのだが、最近整備されたのだろうか? 入口付近の踏み跡はまあまあしっかりしているように見える。最初のところで「左ちちぶこすげ」とあった方に出るのだと思うが、登り口の方はかなり藪が深そうにみえたし、踏み跡も頼りなかった。やはり途中で藪に出会うのかもしれない。 更に進む。左手の展望が再び開け、眼下に新しくできた深城のダムが見える。少しお腹が空いたので、チョコボールを二つ三つ口にする。もう行く手に奈良倉山のたおやかな山容がみえている。なおも右手に注意しながら車道を進んでいくと、大月市の道標が見つかり、道標にしたがって、山道を登っていくと富士の展望地点があり、すぐに山頂に着いた。 山頂には富士の展望地点から戻ってきた登山者が一人。彼がハルゼミの声を聞きながら昼寝している最中、おにぎりでお昼ご飯とした。今年最初のハルゼミの声。しかし、一匹だけなのか、リードボーカルが鳴いても後に続くものがなく、少し寂しい。やはりハルゼミは合唱に限る。
新緑の奈良倉山から小菅の湯3
長居をする私に対し、昼寝の彼は起き出して「それじゃあ」と山頂を去っていった。やがてもう一人登山者が「回り道」と道標が指す方向からやってきた。この男性は朝一番の小菅行きバスで小菅からモロクボ平を経て大ダワに上がり、鶴寝山〜松姫峠と稜線をたどってやって来られたそうである。これから鶴峠を経て小菅に戻るとのこと。 丹沢・黍殻山からのCQ(無線)に応答するも全く拾ってもらえず、しびれを切らせて、2時過ぎにやっと山頂をあとにした。 鶴峠に行くには、ここから、松姫峠(回り道)と書かれた方向へ進む。下りきって左に大きく戻るように曲がる。すぐに分岐となるが、「鶴峠→」の標識が見落としやすい位置にある。大月市の標識には「奈良倉山 松姫峠」しか書かれていない。大月市にしてみれば小菅村に降りる人の面倒まで見てられないということなのか。 鶴峠への道を下る。少し急なところもあるが、おおむね下りやすい道。新緑がここもきれい。道端にヤマエンゴサクだろうか紫の花がたくさん咲いていた。エアリアに書いてあるとおり、20〜30分も下ると林道(未舗装)に出る。ここが少しわかりにくいが、林道を降りるのではなく、林道と交差する背の低い植林の山道を更に下るのが正解。道標はないが、向かいに木の段があるので注意してみればすぐにわかる。 植林帯をなおも下れば鶴峠のある上野原丹波山線の車道が見えてくる。下りきると見覚えのある鶴峠へ出た。小菅村バスのバス停があり、立派な木の案内板で「奈良倉山登山口」と書かれている。この前来たときバス停はあったが、こんな立派な木の案内板はなかった。向かいの三頭山の登山口にも新しい案内板が設置されている。五年前に来たときは、今にも朽ち果てそうなボロボロの木製の道標に「三頭山登山口」と書かれていて、おそるおそる三頭山へ登ったものだが...
新緑の奈良倉山から小菅の湯4
小菅の湯へ向かって、車道を下る。五年前は朝っぱらからこの道を余沢から登ったのだ。途中、サイクリストが苦しそうに登ってくるのに出会う。白沢・余沢と小菅の湯・橋立との分岐で左手:小菅の湯方面に足を踏み入れてからが大変だった。それほど疲れていなかったものの、想像以上の車道の登りで思ったより時間を食った。 結局、懸命に歩いて小菅の湯に着いたのは16:30を回ってから。バスの時刻17:15と奥多摩行き西東京バスへの連絡を確認してから、カラスの行水で汗を流し、ビールをイッキ飲みした。 17:00頃、靴を履いていると、昼間、奈良倉山の山頂でお会いした男性から声をかけられた。「峠からここまで思った以上に時間かかりましたね」と同じ感想を話し合い、バスに乗る。乗客は私たち奈良倉山登山者二人だけ。金風呂で乗り継ぎの西東京バスはすぐにやってきた。 奥多摩行きの西東京バスは、最初は空いていたが、予想通り小河内神社で満席になり、倉戸口からの乗客でかなり混雑した。17時台のバスとはいえ、シーズン中の奥多摩のバスはやっぱり混雑する。行きの上和田行きのバスの乗客はたったの4人だった。この差はいったい何なのだと思いつつも、久しぶりの奥多摩行きのバスは登山を始めた頃の思い出などよみがえり、妙に懐かしい感じがした。