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初めての上高地から涸沢の紅葉1
【山域】北アルプス 【山名】涸沢(標高約2300m) 【山行日】2005年9月30日(金) 〜2005年10月1日(土) 【メンバー】単独 【地図】エアリア『槍ヶ岳・穂高岳』2004 【天候】一日目 晴れ 二日目 晴れのち曇りのち雨 【コース】 ☆☆☆ 一日目 ☆☆☆ 上高地BT 12:25 - 13:35(自然探勝路回り)明神池 13:50 - 15:00 徳沢 (テント泊) ☆☆☆ 二日目 ☆☆☆ 徳沢 05:45 - 06:35 横尾 06:45 - 07:48 本谷橋 08:05 - 09:35 涸沢ヒュッテ・涸沢小屋 10:25 - 12:00 本谷橋 12:00 - 13:00 横尾(昼食) 13:35 - 14:20 徳沢 (テント撤収&祝杯♪)15:00 - 15:40 明神 15:45 - 16:35 上高地BT 【山行記】 10:15松本BT発上高地行きのバスは、平日なのに見事に満席になってバスターミナルを発車、予定時間の一時間半ほどで上高地バスターミナルに到着した。上高地は初めて訪れたのだが、想像以上に観光地化されていて、ふだん寂れた田舎町を歩いている自分にはちょっとなじみにくいという感想をもった。タダなのは飲料水の水道だけ。トイレまでチップと称して金銭を要求しているのにはびっくり。よっぽどのお金持ちが避暑に来るのだろう。 ベンチがあいていて、時間もちょうどお昼どきだったので、持ってきたおにぎりをパクついた。ビールや酒の表示が売店に見えたが、さすがにテントを担ぐ前に飲むのは我慢して、一息いれたところで、ゆっくりと重いザックを担ぎ上げた。 河童橋を渡って、少し遠回りだが自然探勝路回りで明神へ向かう。今日は徳沢までしか行かないのだ。ゆっくりのんびり行けばいい。前穂高に登る岳沢の登山道を左に見て探勝路をゆったり進む。とりわけ自然が豊かというわけでもないが、のんびり散歩するにはまあまあいいところかも知れない。途中車道(治山運搬路)を通ったりしながら嘉門次小屋につく。明神池と記された方向に向かうと、これまた拝観料とやらを払えときた。お金を出してまで見たいとも思わないので神社にお参りだけして休憩。 明神橋を渡って明神館の前でまた休憩。ここで清涼飲料水を購入。重い腰を上げて徳沢に向けて出発した。すぐに徳本峠への分岐。10人くらいの団体さんを連れたガイドのお兄さんがなにやら説明をしていた。
初めての上高地から涸沢の紅葉2
ほとんど登りらしい登りもなく梓川の川面を眺めながら歩いていくと常念岳が見えてくる。百名山。いまのところさして登りたいとも思わないが、登ってみればいい山なのかも知れない。 ほどなく徳沢。平坦な道だったのでなんてことはない。広大なテントサイトの向こうに見える徳沢園でテントの受付をし、二泊分の料金1000円を払い、表の自動販売機でロング缶を買った。 テントを張り、陽射しが降り注ぐ中で芝生の上にあぐらをかいてビールをぐびぐびと飲む。この瞬間が山をやっていて一番幸せなときかもしれない。あっというまに酔っぱらって目がとろんとしているのが自分でもよくわかる。 少し酔いが覚めたところで、夕餉の支度に取りかかる。今晩のメニューはフリーズドライのドライカレーとビール。フリーズドライにしてはなかなかおいしい。暗くなって寝酒のビールを調達して戻ってくるとすぐ隣にテントを張った人が声をかけてきた。毎年のように涸沢の紅葉を見に来ているとのことで、明日の予定や最近の山行の話などもした。話の途中で現住所やら御正体に行った話など出てきて「もしや」と思ったが、4月に御正体山で無線の話をした方だとわかってお互いにびっくり。 疲れがたまっていたのか、寝心地の好いテントサイトだからか、隣のテントの人がもう一つ隣のテントの人にお風呂行きませんか、と言われていたのを夢うつつできいたのが最後で、夜中の11時過ぎまで寝入っていたようだった。その後もよく眠ったようで、3時頃隣のテントの人がごそごそと起き出した頃まで記憶はほとんどない。 4時頃、寒いがトイレに行きたくてヘッドランプをつけて外に出た。見ると満天の星空♪。都会ではぜったいに見られない光景。すばらしい至福の時だ。ああ、やっぱり山に来て良かったと思う。 それにしてもすごい寒さ。吐く息が白いのがよくわかる。テントの中の温度が10℃ほど。外は5℃かそれ以下ではなかっただろうか。テントに戻るとまたシュラフの中に潜り込んでしまい、朝食を作り始めたのは5時になってからだった。朝早すぎるせいか、あまり食欲はない。中華フカヒレスープを作って流し込み、食欲の出るのを待ったが、結局フリーズドライのきのこご飯を3分の1ほど口に入れ、残りはジッパーをしてそのまま持って行くことにした。
初めての上高地から涸沢の紅葉3
ストレッチをしてお散歩気分で歩き出す。軽い荷なので気楽だが、山中泊なんて1年以上していなかったせいか、少し胃のあたりがむかむかする感じ。新村橋を左に見て、ああここがパノラマコースの入口かと思う。今回は初めてだし、涸沢との往復にする。それほど楽しいコースでもないし、使うなら下りにというのが隣のテントの人のアドバイスだった。 横尾まではたいした登りもない道。横尾で昨日の夜、お風呂に行かないかと言っていた人に会う。朝も少し話したのだが、気のいいおじさんという感じの人で一緒に来ていた奥さんもかわいらしい。なんでも十何年ぶりのテントだそうで、「テントは重いし寝られない」とぼやいておられた。 横尾の橋を渡ると登山道っぽくなる。傾斜がはっきりとしてくるし、足場も今までみたいに目をつぶっても歩けるような道ではなくなる。 本谷橋を渡ってさすがにお腹が空いてきたので、休憩として、朝残したきのこご飯をすべて平らげた。やはり人間の身体というのは習慣が根強く、毎日朝ご飯を食べている時間になれば、それまでのむかむかも消えて食欲も出てくるものらしい。そこそこおいしくいただいた。 本谷橋から涸沢への登りにかかる。軽い荷なのでテント装備の人などぐいぐいと抜いていく。当初の予定では、松本に泊まって涸沢でテント泊だったが、最初から徳沢で正解だったと思う。涸沢までテントを担ぎ上げるのはごめんこうむりたいし、涸沢のテント場は下が岩なので相当寝にくいだろうとおもう。それに夜の冷え込みは800mも標高差があれば相当なものだろう。 高度を上げるにつれ、周囲の秋色が増えてくる。もうこのころからガスが湧いてきていた。写真にはうまく撮れなかったが、一足早い秋の雰囲気を手軽に楽しめたという意味ではこの山旅も良かったかも知れない。 遠くに涸沢小屋が見えてきた。しかし槍はもちろん北穂も雲の中だとわかる。登る気は毛頭ないので遠望はなくてもいいのだが、やはり紅葉は好天とセットでないと色褪せてしまって趣も半減してしまう。それが少し残念だった。
初めての上高地から涸沢の紅葉4
涸沢に上がると上半分が真っ白の雲の中。やはり紅葉は色あせて湿気たビスケットのような味わいだった。それでも私など運の良い方だったみたいで、しばらくするとガスがどんどんわいてきて涸沢全体が真っ白なガスの中に包まれて、ほとんど何も見えなくなってしまった。涸沢ヒュッテに寄り、しばらく休憩してから涸沢小屋へ行ってコーヒーを湧かして飲んだ。 ここでまた感じのいい例のご夫婦に再会した。 霧雨のような雨混じりになってきた。天気予報もどんどん悪くなってきていたので、テント場へ戻り今日中に帰宅しようと決め下山にかかる。先のご夫婦もテントをたたんで、今日は平湯あたりの温泉にでも泊まることにしたと言う。 下山のためもと来た道を戻ると、夜行バスで到着したらしい団体や個人、グループが続々と登ってきて、まじめに上り優先と道を譲りまくっていたら大幅にタイムオーバーしてしまった。12時頃本谷橋に着いたが、ここでは昼食をとらず、横尾で昼食にした。横尾からは道が広くなるのでコースタイムをオーバーすることもない。横尾では何故か急激に局所的に晴れた。 徳沢に着くと隣のテントの人がテントをたたんでいた。帰りのあずさで会えるかもしれませんね、と言葉を交わして彼は先に出発。私はというとテントを畳んでビールで祝杯などあげたりしていた。 徳沢から明神まではゆっくり歩いた。18時のバスに間に合えば今日中に最終のあずさで東京に帰れるとわかっていた。明神で携帯をみるとまだ圏外。しかし、公衆電話があるので帰りのバスの整理券がないが乗れるかどうか、上高地の松電バス営業所に電話してみる。空席があるので今のところ大丈夫とのことだが、電話では予約できないという。 それにしてもこの帰りのバスの整理券は何のためのものなのか。バスの台数を決めるのにおよその人数を把握したいからだと思っていたのだが、結局整理券なしでも出発5分前のバス(空いていた)のチケットが購入できたので、要は乗車する人が多すぎて積み残しが出たときの言い訳に使うだけということなのだろうか? バスは暮れなずむ松本の町へ向けて順調に走り、18:35の松本発のスーパーあずさにちょうどまにあった。今度くるときはゆっくり温泉にでもつかって旅の疲れをとってからバスに乗車したいなどと考えながら駅弁とビールでいい気分になって帰途についた。