以前に書いた國分功一郎『スピノザの方法』(みすず書房)の書評に大幅に加筆し、全面改稿しました。
「それではこの神のことを、われわれは、その寝椅子の『本性(実在)製作者』、または何かこれに類した名で呼ぶことにしようか?」
(プラトン『国家』下,藤沢令夫訳,岩波文庫,1979年,p.309)
哲学者の國分功一郎の博士論文であり、初の著書でもある『スピノザの方法』(みすず書房)のテーマは、タイトルのとおりスピノザの方法である。
スピノザの方法といえば、だれもが幾何学的方法と呼ばれる『エチカ』(1677年)の記述スタイルを想起するだろう。だが、本書が課題としているのは、もちろんそうした形式上の特徴の退屈な解説などではなく、方法に対するスピノザのどのような考え方がそのような様式を要請したのかという問題である。
無論、それと同時に、本書はスピノザの読み方を教える本でもある。私自身、本書に教えられるまで、理解するどころか、そこに問うべき問題があることさえ気づかずに素通りしていたところがたくさんあったことに気づかされた。本書をつうじてはじめて真にスピノザを読めるようになると言っても過言ではないだろう。
本書第一部の議論を追ってみよう。
・方法の逆説と方法論の逆説
・観念の順序と方法
・新たな神の概念の創造
・デカルト主義の精神

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