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Saturday, December 31, 2011
大変な一年間でしたね。
今年の日本を15ラウンドのボクシングの試合に例えるとダウンされたり、奪ったり、時にはカウント9ぐらいまで取られたり、観客が居なくなったり、場外乱闘もあったり、観客入り乱れてのバトルロワイヤルになったり、これは公私共に本当に凄まじい一年だった。
しかも未だ勝負はついていない、と云う・・・。
私で云えば映画『私の叔父さん』の撮影、完成だけでもハードだったのに、暮も押し詰まっての旗揚げ公演『マルクス愚連隊、原作者Jr.拉致事件なう。』。
自分達で「創作ユニット スタニスラフスキー探偵団」を立ち上げた以上、内容は勿論、興行的にも失敗できないッ。
しかも、公の大惨事となった東日本大震災と東電福島第一原発のメルトダウンの被害が納まらない不況の中での師走公演!?
改めて御来場頂いた方々、最後まで調整して観ようとして下さった方々、本当に有難う御座いました。
御蔭さまで、昨年の『スタニスラフスキー探偵団』を上回る盛況さで幕を閉じることが出来ました。
師走に公演、観たくても観れないじゃないかッ、とお叱りや顰蹙を買いながらの公演は正にタイトロープ以外の何物でもありませんでした。
さて、来春公開の『私の叔父さん』の撮影は、7月下旬から8月中旬に掛けて九州の福岡を中心に行なったのですが、現在の日本の状況の中で撮った映画であることは間違いありません。
この東日本大震災の爪痕が、東電福島第一原発が撒き散らす放射性物質だけでなくマダマダ多岐に亘って残っているこの日本に生きている我々、スタッフ、キャストが、同じ状況に置かれている同時代人に向けて創った映画なのです。
勿論、それは何も『私の叔父さん』だけではありません。
成島が監督した『山本五十六』もそうです。
ですから、今、リアルタイムで作られている映画から目を離さないで下さい。
否、映画だけではありません。
今、作られている全てのサブカルチャーから目を離さないで欲しいのです。
日本は必ず変わっていきます。
どう、変わるのか? それは判りません。
悪い方に変わるのか? 良い方に変わるのか?
そのヒントが、直截にではないだろうけども現在、作られている映画に、音楽に、文学に、その外の創作物に有ると思うのです。
そこに、生きている人間がちゃんと描かれていさえすれば、世の中がどう変わっていくかが、どう変わるべきなのかが見出せる可能性があると思うのです。
映画の、ドラマの、物語の持つ力を信じてみて下さい。
商業性の陰に隠れた創り手達の魂の咆哮を見逃さないで下さいッ。
我々、映画人は、皆さんに信じられるように映画に、ドラマに、物語に常に向き合っています。
対峙しています。
それが譬え低予算作品であったとしても。
ちょっと照れくさくなってきたのでこれくらいにしておきます(笑)。
それでは来年、亦、御会いしましょう!!
作成者
映画の用心棒
: Sunday, January 1, 2012 10:45
Saturday, December 24, 2011
一面識もなかった或る映画監督の早過ぎる死
文字通り森田芳光監督の代表作である『家族ゲーム』は、私にとってリアルタイムで観た一番「新しい映画」だった。
今から28年ほど前、にっかつ撮影所で『探偵物語』(根岸吉太郎監督作品、薬師丸ひろ子、松田優作主演)の準備をしていた折、優作さんがスタッフルームにヒョッコリ現れ、
「今から『家族ゲーム』の試写をやるから見に来いッ。」
云われた我々、助監督はヒョコヒョコ試写室に向かった。
その時のことは忘れようがないッ、正に衝撃的な映画体験だった!?
登場する人物が皆、我々の周りに居ても不思議ではない市井の人々であり、主人公の中学生が抱える悩みもそう大きなものではなく受験絡みの学校問題であるが、その人物一人一人の描き方に乾いたユーモアがあり、抜群のセンスで軽やかに、しかし市民社会を撃つある種の毒を放ちながら綴られて行くのだ。
しかも、製作費はそれほど掛かっていないが、そこには凝縮された映像表現が満載されていた。
魅力的な映画には、撮影所で作られてきた名作や傑作映画の系譜を汲む「より良く出来た映画」と、撮影所で作られてはいても、それとは全く関係なく新しいテーマ、表現を獲得した「新しい映画」の二つが有ると思う。
リアルタイムでは観られなかった「新しい映画」の代表は、黒澤明監督作品『羅生門』、今村昌平監督作品『にっぽん昆虫記』だろう。
撮影所で培われてきた技術の延長線上にある「より良く出来た映画」とは極北に位置した、正に「新しい映画」以外の何物でもないと信じている。
リアルタイムで観ていたら、とんでもない驚愕体験になっていたことは間違いないであろう。
そこから考えると、『家族ゲーム』は、私がリアルタイムで出遭った正しく「新しい映画中の新しい映画」だった。
そう、森田芳光監督は、リメイク、再生産とは真逆の監督として私たちの前に突如、現れたのだ。
これは事件であり、衝撃であった。
だからこそ、だからこそ『椿三十郎』のリメイクはして欲しくはなかった・・・。
その『家族ゲーム』の監督、脚本の森田芳光さんが12月20日に61歳の若さで急逝された。
しかし、「新しい映画中の新しい映画」『家族ゲーム』はこれからも観る人を挑発し、衝撃を与え続けていくことは間違いない。
そして、それこそが真に「新しい映画」にしか為し得ない芸術的刺激なのだ、挑発なのだッ。
生涯、私を刺激し、挑発し続けてくれるであろう『家族ゲーム』を世に贈り出してくれた森田芳光監督に最大限の敬意と感謝の念を抱いて、合掌・・・。
作成者
映画の用心棒
: Saturday, December 24, 2011 13:59
Monday, December 19, 2011
『マルクス愚連隊、原作者Jr.拉致事件なう。』千秋楽。
年末に公演!? と顰蹙を買いながらも、大盛況の中、千秋楽を迎えることができました。
観劇して下さった方々にも、観劇したくても多忙で出来なかった皆様にもお礼を申し上げます。
有難う、ございました。
さて、恒例の、劇場でお配りしたパンフに載せた私の言葉を、ここに採録させて頂きます。
御笑読ください。
※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※
【笑毒劇】としての遺言、その一。
作・演出 細野辰興
さて、中井邦彦、パスタ功次郎、壷井濯と共に始めた「創作ユニット スタニスラフスキー探偵団」の旗揚げ公演『マルクス愚連隊、原作者Jr.拉致事件なう。』であります。
色々な方々の御協力、サポートの御蔭をもちまして、満身創痍ではありますが初日を迎えることができそうです。
もともと描きたいことが有って始めた演劇なので【帰結】と言えばそうなのですが、年甲斐もないことを始めたものだ、と云う想いも勿論、あります。
昨年公演した『スタニスラフスキー探偵団』に続き、映画をモチーフとしたプロットを創ったのは、東日本大震災が起きる前でした。
敗戦から7年経って生を享けた私にとっての日本は、貧しくはあっても夢と希望に溢れていたように感じられました。
決して裕福ではないが貧しくもなかった家庭で、家族と親戚、隣人たちに囲まれて育った私にとって映画も亦、家族のようなものであったようです。
しかし、日本が敗戦以来未曾有の深刻な状況になった現在、そして私自身も観客だけではなく作り手ともなってしまっている現在、【映画と云う媒体の本質】を検証し直してみたいと思い始めてしまいました。
家族の一員である映画の哀しみが解かってきた様な気がしたからです。
来春公開の新作映画『私の叔父さん』(原作・連城三紀彦、主演・高橋克典、寺島咲)を10月に完成させ、七転八倒しながら稽古のための台本を書き上げました。
そして二ヶ月に亘る稽古で推敲を重ね、恥ずかし気も無く映画への「想い」を謳い上げてきました。
しかし、稽古の途中で気づき始めたのは、映画と対峙する時の己の立ち位置でした。
現代日本と日本映画。そして自分の立ち位置。
映画ファンの自分が、映画人である自分を責め苛むのです・・・。
そう、【笑毒劇】としての一撃は、皮肉にも先ず私に襲い掛かって来たのです。
しかし、オーディションで出遭った出演者たちの一人一人の「物語り」の力を借り、新たなる展望も見えて来たようです。
これが、演劇のダイナミズムと云うものなのでしょう。
ともあれ、皆さんに御覧になって頂き、どの様な感想を持って頂けるか?
興味津々なのであります。
平成23年12月12日記す。
※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※
「遺言」とは余り響きの良い言葉ではありませんが、まあ、映画への想いを遺したい、と云うことだと思って下さい。
今年は、映画と演劇の2本を創ったことになります。
一年に2本は10年ぶりのことです。
取敢えずは、暫くの間は自失呆然としていようかと思います。
来年には、その『私の叔父さん』(原作・連城三紀彦、主演・高橋克典、寺島咲)の公開が控えています。
3月3日より九州全土で先行公開。
東京は、
4月7日より銀座シネパトス、新宿K's cinema、立川シネマシティでの公開となります。
亦、色々とアップしていきますので偶には覘いてやって下さい。
作成者
映画の用心棒
: Friday, December 23, 2011 12:38
Sunday, December 11, 2011
『マルクス愚連隊、原作者Jr.拉致事件なう。』【初日直前の御案内】です。
【劇団1980】の稽古場を借りての集中稽古も余すところ3日間となり、14日にはシアター・ブラッツ小屋入り致します。
一昨日の通し稽古では出演者全員の魂の叫びが聞こえて来る瞬間が此処彼処に在り、一瞬、客観性を失ったことを告白しておきます。
二ヶ月の稽古の中で、私自身が気づき始めたことは、映画と対峙する自分の立ち位置でした。
映画ファンの自分が、映画人である自分を責め苛み始めたのです。
当然、台本も変わりました。
そうです。【笑毒劇】としての一撃が、先ず私に襲い掛かってきたのです(苦笑)。
こんな舞台を目撃しに是非、御来場下さい。
公演が始まってからの予約受付は、予約したい日にちの前日午後11時までとのことですが、決まりましたら成るべく早目に教えて頂ければ、取り置きしておきます。
当日券は、なるべく避けられた方が無難だと思います。
では、劇場で御会いできることを楽しみにしております。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~stanis2011/nextstage.html
チケット予約専用電話:090-8503-3813
作成者
映画の用心棒
: Sunday, December 11, 2011 11:00
Tuesday, December 6, 2011
予告篇完成
『マルクス愚連隊、原作者Jr.拉致事件なう。』の予告篇をリンクコーナーの一番下にリンクしました。
昨年の『スタニスラフスキー探偵団』と同様に撮影の道川昭如君、録音の荒井保さん、編集・MAの是永さんの御尽力で完成しました。
YOUTUBE
http://www.youtube.com/watch?v=islE4fQJBVs&feature=share
で観ることが出来ます。
上演初日まで、後、9日!?
作成者
映画の用心棒
: Tuesday, December 6, 2011 08:33
Friday, December 2, 2011
「スタニスラフスキー・システムと闘った映画莫迦たちの今回の敵は、マルクスの『資本論』だった?!
映画界に入って約30年、監督になって21年。
その間に考えた映画に関する想いを前作
『スタニスラフスキー探偵団』と
今回の
『マルクス愚連隊、原作者Jr.拉致事件なう。』に纏めてみました。
映画製作システムの摩訶不思議さ、映画の社会的意味と個人的意味、映画の功罪、色々なことを考えてみた訳です。
前回は、「スタニスラフスキー・システム」が重要な小道具でしたが、今回は、カール・マルクスの『資本論』が更に重要な小道具として登場します。
そのせいか、かなりアナーキーな【笑毒劇】になってしまいました(笑)。
兎に角、映画好きには堪らない内容になっていると自負しております。
出演者は、急遽ピンチヒッターとして立った一人を除いて全員オーディションで決め、配役は更なるオーディションで決めました。
皆、まだ無名の人と云って良いかもしれませんが、目を瞠るパワーを持った者も少なからず居ります。
若しかしたらダイヤモンドの原石が在るかも知れません。
乞う、ご期待です。
決定稿は、稽古をしながら創る方法でやってきましたが、ソロソロ完成稿と云って良いものが出来上がりつつあります?!
この『マルクス愚連隊、原作者Jr.拉致事件なう。』を観て頂いて皆さんがどの様な感想を持たれるか、興味津々です。
さて、その『マルクス愚連隊、原作者Jr.拉致事件なう。』
12月15日の初日まで余すところ12日間になろうとしています。
昨年の公演では、リピーターも続出しましたし、当日券が売り切れる日も出ました。
御覧になって頂けるならHPやチケット専用電話から御予約して頂いた方が宜しいかと思います。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~stanis2011/nextstage.html
チケット専用電話:09085033813
先ずは2週間前の御報せのみにて失礼します。
作成者
映画の用心棒
: Saturday, December 3, 2011 14:30
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