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2009/10/6 (火)

これからの‥‥環境

ここのところ、さっぱりジオログを更新しておりませんでした。もちろん、仕事が忙しくログを書く余力が無かったからなのですが、その「仕事」の内容がなかなか手強かったのも、余力を消耗した理由ではあります。

64bit環境を自宅で試用しつつ、本業ではグレーディングやビジュアルエフェクツ、さらにはイメージボードなど、いやゆる「撮影」の平常業務から離れた作業をし、さらには編集、クラスタレンダリングの環境作り‥‥と、今までの10年とは大きく異なる作業を続けています。使い慣れたTIFFやQTアニメーションコーデックを離れ、Cineon/DPXやProRes422,4444を常用する毎日へと変化しました。

これから先、今実感している以上に、「コンポジット」を囲む環境は、ハード・ソフトの両面から変動していく‥‥のでしょう。業界で主流のAfter Effectsは、当然の流れとして64bitへと移行するでしょうから、OSやマシンの更新も合わせて行わなければなりません。そもそもコンポジット作業における「After Effects一本槍」の構造自体が変化するようにも思います。

「ソフト」の変動は、アプリケーションソフトウェアだけでなく、映像コンテンツソフトウェアの内容にも波及する事でしょう。例えば解りやすく「萌え」をとってみても、作画じゃないと「萌え」ない事はなく、立体造形や3Dでも十分「萌え」るポテンシャルを持っているように思います。以前は「絵で描く」のが一番効率が良かった訳ですが、今はそうとも言い切れません。ツボを抑えてさえいれば3Dの方がポテンシャルが高い事だって往々にしてあります。ツボを抑えた3Dの「萌えキャラ」に、作品世界のニュアンスをビジュアルエフェクツで足せば、随分と完成度の高い「萌え」な映像は作れそうです。手軽なところでは、「Poser/もえたん」と「SketchUp」で基本的な絵を作り、After Effectsでニュアンスを加えれば、「そっち方面」の良い絵は何種類も作れるでしょう。

つまり、作画は「作画する意義」が必要となって来ている訳です。「アニメの撮影」的に言い換えれば、「セルと背景を組み合わせて映像を作る意義」‥‥とでもいいましょうか。

日本人の食生活の、「食事の基本はお米」という意識が、「別にご飯を食わなくても、パンでも良い」という意識へと変化したのと同じく、「アニメと言えば、手描き」という「定番」に陰りが出てきたように思います。

そうした中、たまに「手描きは心がこもっているから良い」という風潮と出くわしますが、私が思うに少々感情的・短絡的な「気分」だと感じます。あくまで「上手い人が描くと(または下手でも一生懸命描くと)、絵に心がこもる」のであって、無条件に心がこもる訳ではないのです。私の小さい頃に見たアニメの中には、技術も未発達な上に乱作乱造で、「心のこもってない絵」のアニメはいくらでもありました。
*それに、「心がこもってないもの=感動しない=悪い」という考え方自体がおかしな話です。私は、人が全く手を触れないもの‥‥例えば、水面の反映や空の雲を見ただけでも感動しますけどネ。

絵を描いて、セルと背景に仕上げて、撮影して映像化さえすれば、お客さんは無条件に買ってくれる‥‥という意識とは、そろそろ決別しなければと思います。


64bitへの移行の都合から、生き残れるハード&ソフトはわずか。また、映像コンテンツの内容も大きく揺さぶられる。となれば、ワークフロー、作業体制自体が大きく変動するのは必至‥‥。

12年前に感じた大きな変動の予感と、同じクラスの‥‥いや、それ以上の予感を、毎日ひしひしと感じています。

作成者 ezura