Sat, Mar 14, 2009
ロードバイクの科学
大先輩に紹介していただいた解説本。
実に素晴らしい。
こんな本があったら面白いのになぁと思っていたそのものだ。
著者のふじいさんは、本田技術研究所のエンジニアだそうだ。
流石!ホンダのエンジニア。
理論的に多岐にわたって解りやすく説明してくれている。
特に車輪の慣性モーメントの解説ではF=maから説明されている。
このあたりは高校の物理の知識があれば大丈夫だと思いますが、もう少し解り易く説明してくれるともっと嬉しかった。
私としてはこの本に100点を上げたい。と思ったのだが....
二点ほど、ちょっと気になるところが...
一つは、コーナリングフォースについて、タイヤのスリップアングルのみで解説をされていた点だ。
自転車はオートバイと異なり車速は確かに劣るが、ロードバイクの場合、やはりキャンパースラストが自転車とはいえ支配的になるので、とても苦しい説明になっていた。
後輪がスリップしても転倒しにくいとか、前輪がスリップすると転倒しやすいと言う結論は問題ないが、その理由がコーナリングフォースがなくなるためとそうなると言うのは、基本的に間違いではないが、肝心なところが抜けている。
二輪はあくまで、重心とタイヤの接地点でバランスをとっているので、スリップしてコーナリングフォースがなくなった前輪では、バランスを取るために必要な方向に進行できなくなり、バランスが取れず、転倒にいたるのだ。
もう一点はジャイロモーメントのところであるが、プリセッションの理論説明は問題ないのだが、その立証実験において、もう一つの車輪をハンドルの右端に取り付けているのはいただけない。
案の定、実験の結果はその車輪の回転方向に関係なく不具合はなかったと書かれている。う〜ん、理論と違うじゃぁないですか。
ステアリングの回転軸上ジャイロ用の車輪がないので、ジャイロモーメントが発生しても操舵に影響が出ないので、そうなります。
次は車輪の設置場所を間違えないようにお願いします。
後、リーンイン、アウトの解説で気になるところがあるが重箱の隅をつついても仕方がないので....
しかし、それら問題点はほんのわずかで、基本的には理論的に丁寧に説明されており、アイザックコンセプトと共通する点が多々あるので、トータル95点の本であり、是非お奨めしたい。
こんな本が物理の教科書だったら理科離れも防げるのではないかと思う。
著者のふじいさんは他にもスノーボードなども執筆されているようで、これからも楽しみにしています。


