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2007年12月18日(火)

ヘーゲル完全解読刊行!

 竹田青嗣・西研の、『完全解読ヘーゲル「精神現象学」』(講談社メチエ)がついに刊行されました。

 すでに発売前、予約だけでアマゾンではかなりの順位を獲得し、発売1週間でもう再版が決まったそうです。

 この本の索引づくりや校正には、私も少しお手伝いをさせていただきました。二人の天才が本を作り上げていく様を間近で見られたことは、わたしにはほんとうに大きな収穫です。



 『精神現象学』は、難しすぎて誰も読めない本。専門家ですら、まともに読むことはとても困難です。

 しかしここには、「自由」を獲得した近代人が、人と人とのつながりのなかで「生きる」とはどういうことか、その意味とより豊かな「生き方」についての、徹底的に考え抜かれた思想がつまっている。

 この近代哲学の最高峰を、研究者のみならず一般の人たちにも「アクセス可能」なものにした二人の仕事は大きい。

 ヘーゲルを勉強する人はこれからみんな読むことになるだろう。
 アカデミズムの学者たちは、これを隠れて読むことになるだろう。

 竹田=西は、その圧倒的な才能のゆえにアカデミズムからは無視され続けてきたけれど、二人はこの画期的な仕事をひっさげて海外に進出し、もっと広い舞台でその才能を大いに発揮しようと考えておられるようです。

 次の完全解読はカント『純粋理性批判』の予定だそうです。

 さらに『実践理性批判』も、フッサール『イデーン』も、ハイデガー『存在と時間』も、すでに計画は進んでいます。

 1年に1冊を目標に、竹田は、あと10冊は死ぬまでに完成させられるかなと言っておられます。

 哲学は死んだと言われる現代に、あえて一般の人たちに、哲学的思考はわれわれが「生きる」ことにとても役立つものなのだと伝えこれをよみがえらせようとする、そんな二人の大哲学者がわたしはとても好きです。
 


 「自由」だからこそ生き辛い現代。

 常に「何ものか」になることを期待され、
 「こうありたい自分」と、そうあれない自分とのはざまで苦しむ現代人。

 絶対王政が崩壊し、ようやく「自由」が解放されたばかりの200年前に、ヘーゲルはすでに、そんなわれわれ現代人の問題にも答えるヒントを与えてくれている。


 哲学は死んでいない。

 人間はここまで考えることができるのか。
 そんな驚きを与えてくれる、知の最高峰ヘーゲル。

 『精神現象学』の「完全解読」は、まさに哲学の復活を宣言するにふさわしい試みだ。

作成者 苫野一徳 : 2007年12月19日(水) 21:49 [ コメント : 4]


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