2007年5月5日(土)
624.伝統工芸とデザイン
山形出身のデザイナー奥山清行氏が、山形の地場産業をデザインの力で盛り上げて行きたいとがんばっている。
その中に、創業400年の鋳物の菊地保寿堂がある。
奥山氏が手がけたのが、鋳物のヤカン(急須?鉄瓶?)。
従来のものは、取っ手の断面が縦に長く、つかんだ時、手が痛い。
これをなんとか平べったいものにしたいと考えたが、取っ手も鋳物のため、製法上無理な話。
そこで、取っ手をアルミダイキャストで作った。
持っても痛くないものができた。
鋳物ポット「まゆ」の誕生だ。
これは、Gマークの特別賞を受賞した。
でも、奥山氏も悩んだと思う。
伝統ある鋳物の会社に、同じ鋳物であっても、鉄でなくアルミを持ち込むということ。
鉄の鋳物だけにこだわって400年。
そこに異種素材。
菊地保寿堂は、この時点で、「伝統工芸の店から近代工場に変わった」と言ってもいい。
伝統あるこだわりの形の鉄瓶を作るのでなく、現在の生活にマッチした商品を作るということになったのだ。
もともと、生活に密着した鉄瓶を作っていたはずだが、もう近代生活は、重くて不便な鉄瓶など必要なくなっていた。
一部の懐古趣味の人の工芸品になってしまっていた。
長い目で見て、菊地保寿堂の選んだ道は良かったか悪かったか。
作成者
kuroda
: 2007年5月5日(土) 20:39
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