2009年11月12日(木)
韓国と北朝鮮の海軍が銃撃戦
一昨日午前11時半ごろ、朝鮮半島西側の黄海で韓国と北朝鮮の海軍が、銃撃戦を展開したという。韓国側の主張によれば、海上の軍事境界線とされる北方限界線(NLL)を2キロメートルほど韓国側に侵入した北朝鮮警備艇に対し、韓国の高速艇が5回に渡り、戻るよう警告した。これを無視して南下してきた警備艇に、韓国側が警告射撃をしたところ、北朝鮮側が攻撃してきたとしている。約2分間に渡り、交戦状態になり、北朝鮮海軍の警備艇が破損し、北朝鮮側に戻ったという。
さて、一国の国防としての安全保障対策は、ハード面で装備や人員を整えるだけばかりではない。ソフト面で国際関係を構築していくこともその一つである。これには、一般外交や民間外交、経済取引などを通して、その関係を深化させていくことも、それに貢献してくれるであろう。
そして、ソフト面としては、他国のメディアや世論に働きかけ、戦争の悲惨さを訴え、核兵器使用の残虐性を訴えることなどにより、軍備を整えることを敬遠させ、他国が戦争を仕掛けることを遠ざけることで、自国の安全保障対策としての一定の効果を上げることもできるであろう。
この後者のソフト面の安全保障対策は、日本も対外的に積極的に活動して行かねばならない分野である。 しかし、この分野では、日本は、近隣の東アジアの国々や米国から、してやられているのではないかと思う。それは、教科書の記述や歴史認識を問題にされることであったり、戦争の放棄を規定する日本国憲法第9条の条文解釈を通してであったり、また、米国との安全保障に関する取り決めがあり、核の傘に守られていることを喧伝することなどによってである。
ところで、自然人に正当防衛や緊急避難が認められているように、国家にもこれらが認められる。国家には、国家主権を他国から侵略された場合には、正当防衛として、当然、自衛の権利がある。また、当然、緊急避難が認められる。
主権国家が、これらの自己防衛の行為をするには、自衛のための国防力や戦闘能力は、最小限必要である。これは、現在の国際社会の治安や秩序を維持するための国際的な警察機構というものが無い以上、主権国家として自衛のため当然備えるべき軍備を含む人的組織が必要ということであり、いうなれば国防力が必要ということである。つまり、主権国家には国防力を備えた軍隊が必要なのである。
そして、これをその国の言葉で自衛隊と呼ぼうが軍隊と呼ぼうが、その実態は国防のための軍隊なのである。主権国家が、主権を維持するためには、他国からの侵略や侵害を許してはならない。これを一度許したり、宥恕したりすれば、その後の外交交渉に大きな負担をかけることになるからである。また、これを放置すれば、一国の存立すら危うくすることもあるであろう。中国や北朝鮮が、国家の記念行事のたびに国防力を誇示するのには、それなりの理由があるのだ。
よって、今回の韓国海軍が軍事境界を2キロメートルも侵犯した北朝鮮警備艇に対してとった毅然とした措置は、適切だったと思う。


