2011年8月1日(月)
中国高速鉄道衝突事故、当局対応の不可思議!!
発行されたばかりの「フォーリン・アフェアーズ リポート 2011年7月号」に次のような公開論文が載っているので、紹介しよう。
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真実を求める中国の民衆と秘密主義の政府
―― 中国の高速鉄道事故の政治的脱線
China's Policy Train Wreck
7月23日に起きた中国の高速鉄道事故の原因は人的ミスだったのか、制御装置の動作不良だったのか、それとも、報道されているように、落雷が原因だったのか。いまや問題は事故に北京がどのように対処していくかだ。
情報公開が不可欠だ。中国の高速鉄道システムは、中国のインフラプロジェクトの宝物であり、世界のハイテク輸出市場に進出するための中国の切り札ともいえる存在だ。
中国の鉄道大臣が2月に(入札をめぐる)汚職の容疑で逮捕され、この時期以降、中国の鉄道システムで問題が相次いでいることから考えても、中国側は高速鉄道システムの安全性を保証し、鉄道を利用する中国市民、中国の鉄道システムを導入するかもしれない国を安心させる必要がある。
だが北京は判断を間違えたようだ。中央政府は、メディアに対して事故を調査・論評すること禁止した。これでは、当局が発表した情報を流すしかない。列車の残骸を小さな水たまりに埋めようとしている画像は、車両を分解して何が起きたのかの真相を究明することが中国政府の意図ではないことを物語っている。
こうした状況にある以上、3人の鉄道省関係者を解雇しても信頼を取り戻せるわけではなく、むしろ、3人はスケープゴート(生け贄)にされたのではないかという疑惑を高めるだけだ。
中国の民衆はなにが真実であるかを知りたがっている。現在は当局によって閉鎖されている新浪微博(Sina Weibo)は、インターネットユーザーに対して、「なぜ列車の残骸は埋められたと思うか」という質問をしている。
ニュースメディアは三つの考え得る理由を示していた。「小さな水たまりを埋めるため」、「救済活動をしやすくするため」、あるいは「中国の高速鉄道技術が盗まれないようにするために」という三つの理由だ。新浪微博のアンケート調査ではインターネットユーザーに何が理由だったと問いかけるとともに、「事故の証拠を隠滅するため」という4番目の理由も合わせて示された。結果は次のようになった。
1)小さな水たまりを埋めるため 607人(1%未満)
2)救援活動をしやすくするため 506人(1%未満)
3)技術が盗まれるのを防ぐため 429人(1%未満)
4)証拠を隠滅するため 61382人(98%)
中国のブログでは次のようなジョークもささやかれている。「どうすれば天国にいける。高速鉄道のチケットを買えばいい」。「中国鉄道省は天国特急へのご乗車を皆様にご案内いたします」。
こうした人々の声を聞いて北京は何かを学んだのかもしれない。事故から数日後、北京は衝突事故の真相究明のために一度は地中に埋めた列車を掘り起こしていると報道されている。人々には真実を知る権利があるし、政府は発見したものを誠実に発表しなければならない。そうしない限り、中国政府は、期待している高速鉄道システム輸出をフイにすることになり、国内における政治的正統性も損なわれることになる。
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これによると、国民の98%が事故車両を埋めたのは、「事故を隠蔽しようとするため」と看破している。事故の原因究明を最優先にすべきなのに、遺族や怪我をした乗客、国民の「知る権利」をないがしろにしている。「人権を軽視・無視する国」と評されても仕方ないところだ。
中国は、大急ぎで近代国家・一流国家の仲間入りを果たそうと躍起になっているようだが、急ぎすぎるあまり、安全性を軽視してきているようだ。
そして、もっとも改善すべき点は、『不都合な真実』 が露見した場合、意図的にその真実を当局に都合のよいように歪曲したり、隠蔽しようとする体質だ。
このハードルをクリアしない限り、中国は 『信用に足る国家』 として世界に認められる日は来ないだろう。

