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思い出のアルカノイド! 〜後編
そんなゲームセンターでオイラはアルカノイドに出会いました。小学生のころにはやったブロック崩しで腕に覚えがあったオイラは、さっそく100円を投入してプレイ。しかし、アイテムを欲張って取りにいって自滅したり、邪魔キャラの動きに翻弄されてすぐにゲームオーバーとなってしまいました。そしてその日から、オイラとアルカノイドのひと夏の攻防が始まったのです。 1日1ゲーム。金もなかったオイラはそう決めて、昼休みになるとお茶臭い手で毎日ゲームセンターに通いました。最初のうちは5面のインベーダーの面でやられていたオイラだったのですが、ある日突然開眼し、一気に15面くらいまでは進めるようになっていきました。それからは一進一退を繰り返す日々が続き、ついに夏の終わり(バイト最終日)を迎えました。 その日のオイラはやたら調子が良く、そして1upも出まくるという運の良さで、すでに20数面をクリアーしていました。もちろんこの夏の自己新記録。しかし、無情にもバイトに戻らなくてはならない時間が近づいていました。バイトに戻るか? それともこのままクリアーを目指すのか? オイラは迷うこと無くクリアーの方を選び、吹っ切れた集中力で次から次へと面を撃破。そして午後のバイトが始まるはずの時間は遠いかなたへ過ぎ去って行ったのです。 奇跡の午後。迎えた最終の33面。今まではブロックだった敵キャラの代わりにボスキャラのモアイがオイラを攻撃してきます。そのざん新な展開に驚きと興奮を覚えたオイラは無我夢中でプレイしていました。初めて見るモアイの容赦ない攻撃に残機を残り1機まで削られたオイラは、天に祈りながら最後の戦いを挑みました。モアイに何発も攻撃を加え、そろそろ倒せそうだと思ったその瞬間、「あっ!」というオイラの軽い叫び声と共に、モアイにはじかれたボールがパドルの横を無情にもすり抜けて行きました。ゲームオーバー。何度見ても。 バイト先に30分も遅れて戻ったオイラは、担当のおっさんに「若いヤツはいい加減だ」とチクチク怒られました。しかしオイラの心の中は、怒られた事よりもクリアーできなかった悔しさでいっぱいでした。そして19歳の夏は終わりました。 ・コメントを読む