2005年4月21日(木)
春雨
春雨です。
朝から晩まで、降ったり止んだり。
春雨というと、
「京極派」と呼ばれる人々が見事な歌を詠んでいます。
まず、心優しき帝王、伏見院は、堂々たる調べを奏でます。
のどかにもやがてなり行くけしきかな
昨日の日影けふの春雨
山の端もきえていくへの夕霞
かすめるはては雨になりぬる
中世屈指の女性歌人、永福門院は、やはりセンス抜群です。
木々の心花ちかからし昨日今日
世はうすぐもり春雨の降る
なほ冴ゆる嵐は雪を吹きまぜて
夕暮さむき春雨の空
そして京極為兼は、見事な照明・音響効果を演出しています。
霞みくるる夕日の空にふりそめて
静かになれる宵の春雨
さびしさは花よいつかのながめして
霞に暮るる春雨のそら
やはり京極派の詠む歌は美しい。
京極派との出会いは、浪人時代にさかのぼります。
まず永福門院、次に伏見院の歌に魅了され、
光厳院のファンになる、といった感じでした。
歌だけではなく、生き方も。
南北朝時代の主役は、何も、足利尊氏や後醍醐天皇だけではないのです。
歌という文化を磨き続けた京極派の歌人たちも、
南北朝時代の主役たちなのです。

