ことの葉に色はなけれど

過去に日記などに書いた、和歌に関する記事をまとめました。
タイトルは、「ことの葉に色はなけれど思ひやる心をそへて哀れとや見る(『風雅和歌集』の花園院の御歌)」より。

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2005年11月1日(火)

65年後自分は生きているのだろうか?

11月に入りました。
ますます秋が深まったところで、思い出すのは、
藤原俊成です。

荒れわたる秋の庭こそあはれなれ
まして消えなむ露の夕暮

『新古今和歌集』の「巻第十六」(雑歌上)に入っています。
千五百番歌合で詠まれた歌です。
嗚呼と聞こえてきそうな頭韻が印象的ですね。
単なる秋歌ではなく、
述懐としての性格が強い歌なのだと思います。

千五百番歌合が行なわれたのが1201年。
俊成の生年が1114年ですから、
この歌を詠んだ時、既に80代後半だったということになります。
『新古今集』でも、この歌の直前には、

「八十におほくあまりてのち、百首哥めしゝに、
よみてたてまつりし」と題して、

しめをきていまやとおもふ
秋山のよもぎがもとにまつむしのなく

という歌が載っています。

その辺りを考慮すると、
「まして消えなむ露の夕暮」
が、いっそう味わい深く感じられるものです。

作成者 千郷