ことの葉に色はなけれど

過去に日記などに書いた、和歌に関する記事をまとめました。
タイトルは、「ことの葉に色はなけれど思ひやる心をそへて哀れとや見る(『風雅和歌集』の花園院の御歌)」より。

← 2005年12月 →

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
My Yahoo!に追加 RSS

2005年12月31日(土)

大晦日

今年ももうすぐ終わりですね。

なに事を待つとはなしに明け暮れて
今年も今日になりにけるかな


『金葉和歌集』より。
源国信の歌です。

作成者 千郷

2005年12月30日(金)

百人一首

我が家で百人一首大会。
今シーズン1戦目。
辛うじて勝ちましたが、危ない危ない。

百人一首で名歌といえば、
壬生忠岑の

有明のつれなく見えし別れより
あかつきばかり憂きものはなし

や、
源俊頼の

憂かりける人を初瀬の山おろし
はけしかれとはいのらぬものを

などが挙げられるかと思います。

でも、
百人一首で一番好きな歌は?
と聞かれたらどうしよう。

曾禰好忠でしょうか。

由良のとをわたる舟人かぢをたえ
行方もしらぬ恋の道かな

作成者 千郷

2005年12月6日(火)

落ち葉

さっきまで降っていた雨が止んで、
今度は落ち葉が降ってきました。
風に吹かれてくるくると回りながら
ゆっくりと落ちていきます。

かれつもるもとの落葉のうへに又
さらに色にて散る紅葉かな

とは、『玉葉和歌集』に撰ばれている、京極為子の冬歌です。
「さらに色にて」という表現が気になって、
Nichibunken
UVa Library Etext Center
データベースで検索してみましたが、
他に用例が見つかりません。
「さらに色づいて」「色を重ねて」というような意味なのでしょうか。
地面に落ちて色あせた紅葉の上に、
枝から離れたばかりのまだ鮮やかな紅葉が積もっていく、
という静かな情景を描いたものと思われます。

ちょうど今、
図書館の窓の外を眺めていたら、
そんな静かな景色が見えてきました。

作成者 千郷

2005年12月1日(木)

冬。

月が改まって12月。
冬ですね。

冬枯の森の朽葉の霜のうへに
おちたる月の影のさやけさ

とは、藤原清輔です(『新古今和歌集』)。
俊成よりもほんの少し遡った頃の歌人です。

勘の鋭い方は、これに似た秋歌を思い浮かべられるかと思います。

秋風にたなびく雲の絶間より
もれ出づる月の影のさやけさ

こちらは、同じ『新古今集』に入っている、
藤原顕輔の歌です。
『百人一首』に選ばれているので、聞いたことのある方も多いでしょう。
顕輔は清輔の父にあたり、
この二代が、歌道の家柄、六条藤家の全盛時代です。

清輔の冬歌は、もちろん顕輔の秋歌を意識して詠まれたものでしょう。
同じ言葉を使っていながら
(5句目を「さむけさ」とする場合もある)、
季節ごとに様相を変える月の光を見事に詠い上げていると思います。
詠まれている光景が目に浮かぶようでしょう?

作成者 千郷
前の記事  |  次の記事