2009年5月30日(土)
初めての料理
人生で最初に作った料理はうどんです。
僕は父をものごころつく前に亡くし、母と兄と3人暮らしで、小学生の頃母が仕事で遅い時はカップラーメンやボンカレーが晩御飯でした。
その日は祖父が田舎から来ていて、母は仕事、兄は学校の部活かなにかで、僕と祖父の二人っきりが家にいました。
たしか小学4年生か5年生くらいの時だったと思います。
お昼は普段ならいつものようにカップラーメンを食べるところですが、祖父はそういうものは食べないことを知っていました。
冷蔵庫にはゆでうどんが入っています。でも作ったことはありません。
しばらく考えて僕は「お昼はうどんでいい?」と祖父に聞くと「うん」とうなずきました。
僕は鍋にお湯を沸かし、しょうゆを入れて、沸いたところでうどんをおもむろに入れて温まったところで火を止めて、どんぶり二つに取り分けました。
二人は向かい合わせに座り、うどんを食べ始め「しまった」と思いました。
それはダシも何も入れない変なうすい醤油汁のうどん。
あまりの不味さにどうしようかと思うくらいでした。
祖父はそれを黙って食べています。
きっと不味くて食べられないはずなのに、黙ってすすっています。
二人でそのうどんを食べて祖父はどんな気持ちだったか…。
時々祖父を思い出すとそのときのことを思い出すのです。
