2010年9月29日(水)
またしても「ローマ」
先日来、ひょんなことから・・というか、ちょっとしたことから「密偵ファルコ」シリーズ(リンゼイ・ディヴィス 光文社文庫 全17巻)を読み直したんですね。
ほんの一巻・・のつもりが、ぱらパラ読んでいくうちに、再びハマってーって、もう何回も読み直したところもあるんですよー、それなのに、どっぷりハマりまして、どんどん読み進めて、夜も寝られん。ほんまに、読み直しの度に、この小説は新しい発見なんですね。
ストーリーは知っているんだけれど、細かい設定や、状況が、「おお!そうだったのか!」という、発見が多すぎて、やめられない〜♪とまらない〜♪。
一冊がけっこう分厚いし、事件は、一応一冊ずつ「解決」するんですが、微妙な事柄を次回に引きずるんですね。そのときの登場人物の後日譚とか、名前だけしか出てこなかった「重要参考人」が、次のお話では、主要人物になったり・・・。
勿論、主人公たちの「関係」の進展も興味をひく事柄で、前半部分では、ファルコとヘレナは、一体どうなるんや〜!? いや、どうするんや〜!という興味で引っ張るのは勿論、邪魔する人物も大物そろいだし、その展開が、親友やら、家族を巻き込んできて、なかなかにスリリングなんです。
フラヴィウス朝という、あまり「メジャーじゃない」と言われている時代を扱っているとはいえ、この時代は、コロッセオが建築されているし、ポンペイが埋まったのは2代目ティトゥスの時代だし、親父さんのヴェスパシアヌスの時代には、ローマの大スター?「ネロ」時代の後遺症を、十分引きずっているんですね。
ファルコが、打ち合わせのために訪れる「宮殿」は黄金宮なんですよね。ティトゥスは黄金宮に住んでいるんですから。
それに、話題になる地方のローマ遺跡(ポンペイなんて近すぎるんですが、ファルコの甥が住んでいる。イギリス本土の王宮跡とか、レプティス・マグナとか)が、現役で登場するし、水道の施設の流通経路ががどうなっているかというのを、巧みに取り入れる殺人事件とか・・なかなかに奥深いんですね。
もと軍団の工兵出身で、走行距離測定機のついた貸し馬車屋なんてのも登場し、警備隊(ローマの消防署と警察をあわせたような機能を持つアウグストゥス時代に設立された組織)や、軍団についても、とってもリアルで面白いし、アウグストゥス時代に全滅したヴァッロの軍団の「遺跡」が登場するあたりは、ほんとうにぞくぞくするホラー仕立てで、なかなかスゴイ。新宿区で、戦時中のとある施設で、謎の頭蓋骨が大量に出土したことがありましたけれど、あれよりもなまなましくてコワイんですね。といっても、未だに大坂城から不発弾が出る・というのもこわいですが・・。
あらためて、再読したら、本当にマニアックなネタが満載!! しかも、笑い所満載! 人間関係も勿論ですが、レギュラーには、なかなかに味わい深い人物が揃っているんですが、2009年からこっち、全然次巻が出ないんですが、・・・これ、翻訳は、もう打ち切りってことなの? こんな中途半端なとこでやめないでほしいなあ・・。コアなファン絶対ついてると思うけどなあ・・・。ドラマ化ってのは、立ち消えになったとか、サイトのウワサできいたけれど、BBCあたりは、やってくれないかなあ・・。
しかし、日本人はローマときたら、カエサルやクレオパトラが出ないとあかんみたいやし・・・・やはり、フラヴィウス朝なんてマニアックすぎるかもね。
フラヴィウス宮廷のプリンスで、若き将軍にして次期皇帝の「時代の花」ティトゥスが・・超リアルな肖像彫刻が残っていて、四十前から、太めで、ちじれた髪がうすい・・ということが分かっているから・・というのも「人気」がない理由かも。
※ 写真は L’Impero Romanoから。「おいおい、ちゃんと遺言書の中味を確かめたんだろうね。写しをおじさんにお見せ」と、いかがわしい親族が、両家の息子に近づいている・・という場面・・・ではありません。儀式の復元写真の一部です。


