2010年9月7日(火)
ケルトファンタジー
この夏の(といっても、もう秋なのですが)暑さは異常だということは、あちこちで言われていますが、こんなになっても何をすれば、「地球温暖化」がとめられるかわかっていないのが「人類」の現状ですね。せいぜいが熱中症対策くらい?
こういう暑さの中、頭の中もだんだん、ゆだってきて(もうかれこれ3ケ月も茹でられているんですから)、気力の喪失ははなはだしいですね。と言うわけで、だらだらと本を読み、マンガを読みで、すごしているのですが、ここんとこ、友人から送ってもらったハプスブルグ関係にしばらくハマっていて、なかなかにゴージャスでしたが、数日前、ふとしたことから読み始めたのがケルトファンタジー「夢の書」(O・R・メリング 講談社)。
「妖精王の月」「夏の王」「光をはこぶ娘」の三部作がすでに出ていて、その完結編にあたる巻なのですが、掟破りで、三部作をぶっとばして読んでしまった。「スターウォーズ」のエピソード3だけを見るみたいなもん。でも、別に不便はしなかったんですよね。って、まあ、登場人物の過去やら、なんやらが一応説明されているので、「あっそう」と言う感じで、するする読めてしまった。
ファンタジーって本当に久しぶりで、かの指輪物語も、数十年前?に読んですっかり内容を忘れてしまっていたし、かつてハマっていたムアコックのシリーズだって、読まなくなって久しい。こういう世界もなんだか懐かしいんですが、いまやファンタジー系って、マンガも映画もありすぎて、ちょっとあきがきているかも。内容的には、スケールが壮大だけれど、空間と時間を飛び回る話ですが、世界中の「妖精」が大集合するあたり、「折れた魔剣」のラストのような感じもするなあ。
と言うところなのですが、読み進めていけばそれなりに面白いし、舞台がカナダってとこが、まあ、ある意味とても新鮮でした。古い土地にしがみついている「妖精」が、移民と一緒に新大陸に来ているという設定も面白いし、過去にいがみ合った記憶や、交流しあった民俗がどろどろしているというのも面白い。
アイルランドの聖人(あ、主人公はアイルランドの出身なんですね)なんかも出てくる。おおよそ、古い「異教」の神々など一蹴しそうな修道士が、ケルトという「土俗」でもって、妖精の女王などを受け入れているというのもナカナカ。カナダ産の狼男(あ、カナダの霊的な狼はル・ガルーというのだそう)の血を引くフランス人!!を悪霊?から守ってくれるのが聖ミカエルだったりするのは、まあ、なんとも、多神教の世界ですよね。そういう点では分かりやすいのかも。
主人公の女の子にしたって、妖精と人間のハーフで、おばあさんはプロテスタントだけれどカトリックの男と結婚したので理解がある(って、カトリックとプロテスタントは妖精と人間ほどの差があるとは、私たち日本人としてはとっても思えないけれど)。
ジョージア・チェンという名前の女の子が登場した時に、「おいおい! まさかトンデモなもの出すんじゃないの?」なんて予感がしたけれど、まさしくそのとおりでした・・。わははは。最終的には、アイルランドやフランスやイギリスの「妖精」に、カナダの地の「妖精」が総力を挙げて「悪」と闘うのだけれど、援軍に中国大陸のドラゴンが出てきた。
「折れた魔剣」では、妖怪大集合・・いや妖精大集合の時に日本の鬼なんかが出ていましたけれど、中国のドラゴンには、ダイダラボッチも勝てませんがな。
このあいだ「ベスト・キッド」のリメーク版を見てきたけれど、カラテ・キッドがカンフー・キッドになっていて、舞台は沖縄ではなく北京になっていたし、デトロイトの自動車工場に勤めていたのが、会社がダメになって中国の工場に働きに行く・・って設定が、ものすごく「今風」で、現代の「新天地」というキーワードは中国が握っているのかも・・
う〜ん・・・カナダの狼男も、そのうち中国系になるかもよ。だって、バンクーバーなんて、アジア系が一杯ですもんね。

