2012年1月25日(水)
十字軍物語
完結しましたねえ。で、まあ、最終巻3を読みました。
う〜ん・・・・。確かに、弁論だけ熱い教皇庁と、諸事情をかかえた諸王侯たちとの、「お家」の事情が合致しなければ、ああいうこことは起こらなかったんでしょうけれど、いろんな歴史の皮肉というか、偶然というか・・。それが、今なお、これらの地域に「尾をひいいている」という気が濃厚にしますね。
しかし、リチャード獅子心王の参加した「花の十字軍」ですが、どっちにしても、それほど、リチャードって英雄か?という気がする。
塩野さんは、けっこう惚れっぽい(カエサルの巻の太さ、長さと、クレオパトラに対する表現を見てるとわかりますけど)。で、今回は、「ああ・・リチャードに惚れたな・・」なんて思うわけです。概して、女性・・とくに歴史的に男性にもてはやされてきた女性には点数が辛いけれど、惚れた男には、とことんですねえ。
勿論、この巻は最後の十字軍まで扱うので、シチリアのフェデリコさんも登場するし、聖王ルイも出るわけですが、フェデリコさん(フリードリッヒ)は、田舎の王様(シチリアだし、ゲルマンの系譜だし)なので、あまり興味はないみたい。
聖王ルイに至ってはまあ・・・アホ扱いとまではいきませんけれど、情けない男になってる。・・というのも、もしかしたら、塩野さんの大嫌いなフィリップ2世(リチャードと渡り合ったある意味毛色の違うヒーローだと思うのだけれど、この本では、リチャードの敵ですから、策士であるというより、セコいと、けちょんけちょん)の孫ですからねえ。
しかも、このフィリップときたら、(厚かましくも?)アウグストゥス(オーギュスト)を名乗っているんだもの。「別にアウグストゥスは好きじゃないけど、カエサルの後継者だし、それを名乗るのは気に入らんわ・・」くらい思っているかも・・?
だから、孫の聖王ルイも、「大したことがない」にもかかわらず、本国フランスで、いまだに人気ってことも気に入らん理由の一つでしょうか?
「フィリップ嫌い」は、まだ続く。極めつけは、ルイの孫のフィリップ(これもフィリップですので、4世。彼は美王とか端麗王とか言われますが、顔だけの男ではない)。テンプル騎士団の弾圧と、「アヴィニョンの捕囚」で、大いに「悪行」なんでしょう。彼の死を記述した後「神はいると思った」と書いてあった。
まあ、でも、彼の「悪行」はホンモノで、知れ渡っていることですから、無実の罪・・というより、財産を没収する目的で処刑されたテンプル騎士団の面々の無念や、いかばかり・・ってとこですし。この「悪行」が、ダヴィンチコードにまで続く、テンプル騎士団の隠し財産のネタになるのですから・・。
とはいえ、面白かったですよ〜♪ 別に私は、リチャードさんがカッコいい!とか、フィリップが悪い〜!とか思わないけれど、時代背景としては、華々しい時代だし、エピソードもいろいろあるでしょうから、十字軍で3冊は、ちょっと物足りないかなあ・・。
でも、ヴェネツィアやジェノバなどの海洋国家との関連など、さすがに面白かったですねえ。

