2012年2月9日(木)
職人の心、永遠なれ
2月8日の産経新聞・曽野綾子さんのコラム透明な歳月の光は『日本を支えるのは職人の徳性』と題した記事でしたが、その通りと共感する核心をついた内容でしたので、紹介いたします。
日本人の特性も徳性も共に失われかけているというのは、重大なことかと思われる。という書き出しではじまります。
職人として尊敬されることが、男としての何よりの誇りであり、父として尊厳を見せるものであった。
原材料を加工し常に独自の製品を開発して勝負するという闘争心が減ってきた。
日本人は職人国家から売買だけで儲ける商人国家に成り下がりつつある。
職人は弟子たちに長年努力して技術を磨くこと、手抜きをせずいつまでも保つ強い製品を作ること、たえず新技術を磨くことを教えた。それには辛抱や道徳が必要だった。
辛抱さえすれば、少々頭が悪くとも、異性にもてなくとも、必ず道は開けたのだ。この日本人の徳性が日本の近代国家を作ってくれた。
私たちの親たちは、人生では苦労と労働をして普通なのだと教えてくれた。
人も組織も、常に謙虚でハングリー精神を忘れずにいなくては、健全な国家も社会も家庭も保てない。
抜粋するとこのようなことが論じられています。
ふりかえれば、以前の会社には、ものを作る仕事でなくとも多くの職人が、そして職人気質の人々がいました。
見積もり職人・営業職人・会計職人・謝罪の名人・交渉の名人などなど。
単一民族であるが故の阿吽の呼吸、良好な人間関係。
職業に貴賎は無し、身分相応と言った言葉。
士農工商は身分をあらわすのみならず、物を作る人が、現場が、何でも金に換算する管理主義よりも尊いことを言い表しているとは言えまいか。
何時の間にか、職人や名人よりもマニュアル化や標準化がもてはやされるようになり、果ては今の数字しか見ない成果主義が導入される様になってから、明るい職場にかげりが見えはじめ、ギスギスした空気が会社を社会を覆うようになってきました。
自殺者の増加や若者の無気力も、このことと無縁ではないようにも思います。
どんなに会社が苦しくとも終身雇用を守る、長くやり抜く熟練職人を敬う意味での年功序列が、影を潜めたことも日本の苦境の遠因の一つです。
欧米流の合理的でシステマティックな正論を是とするデジタル発想よりも、
一律に計り知れないアナログな仕事のやり方が、実は日本人にはあっていて、創造豊かな社会を作って行くのではないでしょうか。
標準化・マニュアル化を信奉し猛進した結果が、独自性が薄れ、競争力の無い、単なる価格競争へと迷い込む結果となったのでは。
短絡的に人を減らしてV字回帰とは、ちゃんちゃら可笑しいことであって、新技術・新商品があっての業績回復・向上が真の経営なり、辛抱と忍耐こそが経営者に求められること。
社員が会社が変わらなければならないなどと言う経営者は即刻退場すべし、人とはそんなに変われるものではない、変わり難い人の特性や徳性を見出し・引き出してこそ、真に人の上に立ち、組織を牽引する人ではないでしょうか。

雪に暮れ行く直江津駅


