松実会

ようこそおいでくださいました^^ こちらは「松実会 宝生流能楽師 石黒実都オフィシャルサイト」のブログです。

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2011年7月1日(金)

パゴダ!

良いか悪いかわからないものは、とりあえず見とくべきだと思いました。パゴダを観たことは、私にとって、結果的にとても良かったです。脇はネイティブの女性だったのですが、第一声の謡を聴いた瞬間に、能として成立していると思いました。謡の節も含めて、能の組み立て方にかなり忠実に作られているので、言葉がわからなくてもストーリーをある程度追うことは出来ます。むしろ、外国の方が初めて能を観るよりは有利かも知れません。しかも、言葉はわからないなりに、能を感じようとしてくださる外国の方の感覚も追体験出来た気がします。外国の方でも、能に魅力を感じて、日本人と同じように、真剣に能に取り組もうとされる方はいらっしゃいます。この能は、そういう方たちにも、光明となり得る気がしました。実は、懐かしい、嬉しい再会もありまして、芸大時代にご縁のあったアメリカ人の留学生の方が「パゴダ」の地謡に参加されていました。見た目明らかに西洋の方なので、玄人にはなれなかったけれど、楽屋の修行もされて、本格的にお稽古をされた方でした。先生 の信頼も篤く、芸大の学外公演でご一緒させて頂いたことがありましたので、とても懐かしかったです。きちんと謡える方なので、このような形で能の舞台に参加する機会が出来たことは、本当に素晴らしいことだと思いました。外国の方なので、いわゆる玄人ではない、と言ってしまえばそうなんですが、間狂言の方とか、凄いお上手で、ちゃんと、狂言でしたしね。脇もツレも外国の方ですが、運びも姿もとても美しく、違和感を感じずに鑑賞出来ました。玄人でない、というのは、職業として能を生業としていない、ということで、お稽古は相当してらっしゃる方々なのでしょう。舞台芸術に携わってらっしゃる方(俳優さんとか)が多いようでした。一緒に行った観世流の後輩が、終了後どんどん楽屋に行っちゃうので、くっついて行って、シテの衣恵さんにも会えたし、思いがけず、衣恵さんの新婚の旦那さまにもお会い出来ました。作り物の片付けを手伝わせて頂いたりして、なかなか楽しかったです!!!惜しむらくは、広報がうまくいっていないこと、ですかね、やはり 。朝から東京で「文月能」の申し合わせに参加していたのですが、ほとんど誰も「パゴダ」の日本公演があっていることを知りませんでした。2日前には、国立能楽堂でも上演されていたのに。良い、悪いは別として、こういう試みがありこういう試みがあり、現在ここまでの水準に達している、ということは、能に携わる者として、知っておいても良いかなと思いました。今後を展望する上でも。私自身、実際に目にするまで、これ程のものとは想像も出来ませんでした。制作に携わっている方たちの想いが伝わってくる、良い作品だと思いました。700年も前に確立された能という手法が、これ程までの可能性を秘めていることに、感動します。自分がその能に携わっていられることに、改めて感謝します。

作成者 shojitsu-kai : 2011年7月1日(金) 23:28 [ コメント : 2]