モルセラのジオログ

古川柳と現代川柳のご紹介です。

2006年3月20日(月)

喫茶去(きっさこ)

よくいらっしゃいました。
まずはお茶でも召し上がれ。




   大衆川柳
   
   仲畑貴志編「万能川柳デラックス1000」毎日新聞
   第四章 「彼等」のことを考える。
   第五章 さまざまな「何か」を考える。

   ヒモ付きのペン銀行の客不信

   銀行が客に説いてる自己責任

   解約をする度聞くな使い道

   銀行は冗談が好きこの利息

   質問でなくて演説する議員

   政治家もチンパンジーも握手好き

   アホらしい党首討論寄席でやれ

   議員だけ税率上げてみたらどう

   生きていちゃいけないような増税案

   サギ師より政府が怖い高齢者

   天下り特殊老人なんですね

   質問が与党になって画面変え

   集金がうまくあだ名が自民党

   ほしいのは道路じゃなくて工事だな

   国敗訴賠償金は税金だ

   久し振り地球に来たがまだ戦争

   地球こそ世界遺産のはずなのに

   同盟を破るのいつも強いほう

   誰のため正直に書く申告書

   何のため書かせるのだろ職業欄

   誓約書書くのはなぜか患者だけ

   ナベ奉行アク代官も連れて来た

   老人会青年部会を結成し

   病名を披露してから仲間入り

   このごろはプールでみんな歩いてる

   店じまい今度はいつと聞いてみた

   二、三日あさりを置くと情がわく

   要領がいいのか風呂で待ってる蚊

   クマがいたクマにしてみりゃ人がいた

   人柄も一緒に出てるごみ出し日

   もし空気見えたらきっと汚せまい

   人生に真ん中という齢はない

   幸せはなるんじゃなくて気付くもの

   飲むだけでやせるってそれ毒だろが

   正解はコマーシャルの前に言え

   見せといて良い子はマネをしないでね

   リストラをしながらCM派手ですね

   セキュリティ盗られた後に来る警備

   理念より人手がほしいケアハウス

   何か変自殺者多い長寿国

   携帯に負けずうるさい車内アナ

   歳末に突然増えるたすけあい

   家計簿に寄付金と書く宝くじ

   上質な「ユーモア」を含む佳句が多い万能川柳でした。
   「人生、多く笑った方が勝ち」の見本みたいな選句集です。

作成者 モルセラ : 2006年3月20日(月) 12:37 [ コメント : 0]

2006年3月19日(日)

喫茶去(きっさこ)

よくいらっしゃいました。
まずはお茶でも召し上がれ。



   大衆川柳

   仲畑貴志編「万能川柳・デラックス1000」毎日新聞
   第二章 いろんな「家族」を考える。
   第三章 「あの人」のことを考える。

   家で金拾って妻に届け出る

   赤ソーメン譲り合いする老い二人

   懐かしい歌手の歳当てする夫婦

   妻の出す薬迷わず飲む夫

   麻酔銃撃たれたように妻昼寝

   ラブ運がいいのに夫ついて来る

   遠くから見てると妻も優しそう

   ただいまの父の声して皆解散

   ずるいなと思うあなたのいい笑顔

   「女性から」大声で娘が呼ぶ電話

   どっちにも味方しないと子に言われ

   本当は何歳なのと子に聞かれ

   底々のくらししてると子のメール

   アンタ誰?誰だろねエーと老母をふく

   母の字の便りが父の名で届く

   高いとこ苦手な母が星となる

   亡母の名で呼びとめられた故郷の駅

   政治より百円ショップに助けられ

   女はね児童手当で子を産まぬ
  
   警官も信じちゃダメ?と聞く小二

   人なのよ医者も教師も警官も

   引っ越しで貧乏神も梱包し

   平凡な顔ってどんな顔だろう

   重く受け止めていますと軽く言う

   第三者みたいな人が責任者

   リストラしまたリストラしまだ社長

   味よりも作り方きくほめ上手

   たばこ屋の主人こっそりたばこやめ

   ごめんねと2000円札出した人

   過去のことすべて昨日と言う二歳

   飼い主のしつけの本はありますか

   坊さんのライブのようなお葬式

   「人間味」のある佳句が多いようですね。

作成者 モルセラ : 2006年3月19日(日) 23:39 [ コメント : 0]

2006年3月18日(土)

喫茶去(きっさこ)

よくいらっしゃいました。
まずはお茶でも召し上がれ。



   大衆川柳

   仲畑貴志編「万能川柳・デラックス1000」毎日新聞社
   第一章 いろんな「私」を考える。
   
   三つ目のすいかを持って皆落とし

   金になる話はいつも金が要り

   不思議だな負けてる方を応援す

   聞き役にいつかなってる弱い方

   バレたからわびてるだけのことなのよ

   病気だと知らず元気でいた十年

   壮大な宇宙を見ても痔は痛い

   居るわけがないと知りつつ電話する

   銀行を選ぶ時代と言われても

   彼氏なく虫の交尾の邪魔をする

   起きぬけの鏡の顔に目が覚める

   手をどこに置いて寝ようか迷う夜

   少し寝るべきかと迷う午前四時

   あいさつを受けて茶髪を好きになり

   両隣去られて寂し酒の席

   意識して呼吸をしたら苦しくて

   生きているこのささやかですごいこと

   ゴキブリが癌に効いたら飲むやろか

   去年きたばかりじゃないか誕生日

   めがねふきその後鼻をかむティッシュ

   くじ運のなさは駄菓子屋から続き

   チャーシューに「あとで」と言って沈めとく

   捨てようと試すと書けるボールペン

   まだともう使い分けてる十五歳

   退社した社の便せんもなくなった

   振られた日忘れたいけど誕生日

   立たされた母校の廊下立ってみる

   凝りすぎて思い出せないパスワード

   なあにまた別の事件で忘れるさ

   原発の事故より停電選びます

   念のため返却ボタンを押してみる

   暗号の意味を忘れた古日記

   危機感が食前食後で変わる僕

   パソコンに不正呼ばわりされている

   六十で歯の磨き方直される

   庭を掃くチョイト箒に乗ってみる

   挑戦状みたいな家の前のフン

   せっかちでとても続かぬ太極拳

   イラチですバージンロード走りそう

   ただ一度当たればいいの一億円

   ひとりだけ速度を守る強い意志

   立ち読みの本にしおりを挟んどく

   「軽味」の佳句が多いように思います。

作成者 モルセラ : 2006年3月19日(日) 16:30 [ コメント : 0]

2006年3月3日(金)

喫茶去(きっさこ)

よくいらっしゃいました。
まずはお茶でも召し上がれ。




  「川柳」は、平易性・共通性・娯楽性の要素を含み
   定型で作句し、大衆に喜ばれる短詩型文藝である。

   田口麦彦編「現代川柳」より
   (テーマ別分類:その他)作者名は省略します。

   ゆっくりと地球蝕むフロンガス
   分別のゴミの行方は知らぬまま
   いじめには無力わが師の恩を恥じ
   塾通いアリスの世界は覗けない
   ゲーム機のうしろにふかい海のやみ
   偏差値をどこまで拒むかたつむり
   金のなる木へまっすぐ伸びるけものみち
   寝返りの上手な銀行の扉
   生かさぬよう殺さぬように消費税
   百円の癒しを売っているお店
   古い背広を着ています 平成不況
   リストラの寄らば大樹に見放され
   君が代へ立たねば非国民ですか
   子の寝顔第九条を考える
   エリートのミス台本にない汚職
   すぐキレる若さよ愛が不足だな
   戦争は嫌い コンビニの明るさ
   販売機カタンと老いの日は永し
   少子化の果てのピーターパンごっこ
   ストーカー日本男子も地におちる
   正調なセクハラだったねえ祝辞
   公園でバイブルを読むホームレス
   カラオケのマイクを握るだけの芸
   IT革命庶民の暮らし知りもせず
   硝子の破片を見せ合っているEメール
   携帯電話ピポパと脛を齧る音
   知り過ぎた男も入れるシュレッダー
   ネット販売ヒトの臓器も縁組も
   バーチャルの箱庭にいて血の疼き
   ハッカー参上げらげら数字笑いだす
   ヒトゲノム でも神様はいるのです
   遺書としてこの一枚のフロッピー
   残ったのはロボットだった消去法
   フリーターになる大卒の軽い首
   ストレスが溜まる正しく生きている
   議事堂に国民でない議員たち
   政治家は落語家よりも笑わせる
   ひな壇にならぶ見事な嘘である
   政治家を信じた私同罪か
   政治ぼろいかポスターに三世載る
   四月一日政府広報ぬけぬけと
   有事論くもりガラスが外せない
   世界中ポンペイにする核の数
   折りに火を噴くまなうらの被爆ネガ
   ヒロシマを語り継げよと蝉が鳴く
   神を埋めた 長崎の炎の記憶
   敗戦か終戦かさるすべり無言

   川柳や その名は柄井八右衛門
   以上、モルセラの偏見で選句しました。
   
   

作成者 モルセラ : 2006年3月3日(金) 18:06 [ コメント : 0]

2006年3月2日(木)

喫茶去(きっさこ)

よくいらっしゃいました。
まずはお茶でも召し上がれ。



   「川柳」の鑑賞力を養う
        人間とは?

   田口麦彦編「現代川柳」三省堂より
  (テーマ別分類:愛情)作者名は省略します。

   愛は瞬間 ほうれん草の茹でかげん
   あとは愛教えるものはなにもない
   愛そうとしたのよずっとずっとずっと
   逢いに行く答えは一つしか持たず
   逢うた日の愁い塩つぼ砂糖つぼ
   子を産まぬ約束で逢う雪しきり
   彼に逢う一日のための六日間
   すきだよと言ったあなたをもっと好き
   人さまの涙がわかる子に育て
   青空のいよいよ青し片思ひ
   唇吸えば満天の星落ちてくる
   引金を引く一瞬が恋にあり
   恋人にボタンはずしてもらう初夏
   バラ切ってバラより好きな人を訪う
   初恋の糸をたどれば木の校舎  
   ライバルが妻の息災問い合せ
   わからないおんなが妻の中にいる
   好きだったなどと今ごろ言われても
   頷いただけで夫婦になりました
   シーソーがときどき止まっている夫婦
   妻と書くときはうしろをふりむくな
   船底の穴を夫婦でふさぎ合う
   台風が来ると夫婦の気が揃う
   ああ夫婦おんなじ時に胃が痛む
   戦友と呼びたい妻と幾山河
   老いていく うふふと笑い受け止める
   三つ聞いて二つ忘れて老い進む
   老い独り人の情けの中に住み
   どん底の情黙って手を握る
   寝たきりにさせたくなくて母叱る
   車椅子母の重さがまだ嬉し
   丸い背が過去を許して少し呆け
   ニコニコと痴呆の母は足りている
   惚けたなら惚けたでよろし愛してる
   介護する少し疲れてきた笑顔
   老老介護蝉の元気が今欲しい
   介護保険へお座りもお手もさせ
   介護保険甘い話にきっと罠
   福祉課の窓で乾いた声をきき
   輝いた過去を吸い取る紙おむつ
   世話される方も切ない紙オムツ
   人間を続けるための紙おむつ
   だんだんと喜劇仕立てになる介護
   看取るのはわたし大事になさいませ
   夫より一日長い命乞い
   子は要らぬ話ヘルパー聞かされる
   骨肉のこわれやすきや砂糖菓子
   病床に群がる嘘に労られ
   点滴が終わる菜の花畑かな
   病人の笑顔のあとが静かすぎ
   ガン告知ポカンと昼の月が浮く
   癌病棟長い廊下といのちある
   病名を知らぬ振りして逝った父
   
   

作成者 モルセラ : 2006年3月3日(金) 13:01 [ コメント : 0]

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