ささやかな、最後の、あそこでのガーデンパーティー
Y嬢が今週の土曜日に球根掘りを手伝ってくれるというので、それをきっかけに、今まで何度か人の集まった庭だし、名前は小さな「ガーデンパーティー」にして、その日の夕方くらいに集いましょう。
これまでそこにゆかりのあった方はどうぞご自由に、でもひそやかにかつ気楽に静けくいらしてください。
(なにしろもう借りている場所でもなんでもなく。不動産屋さんには「近いうちに庭に植えたものを掘り起こしに行きます」と伝えてあり、たまたまお会いした大家さんには「更地にしてしまうのだから、持っていける草木は持っていってください」とのお言葉をいただきました。)
9年あまり前、ここに越してきてしばらくは草木の豊かさや鳥たちの声に、私は夜明け前から楽しみでしょうがなくて起きてしまうくらいでした。
庭に椅子を置き、コーヒーを入れたらそこでまず一服、仕事を終えたら缶ビールを手にまた一服という、贅沢なことをけっこう続けていました。早朝にDATで鳥の声を録ったり。
野菜もいろいろ種を蒔きましたが、そもそも初期は回りに大きな木が多くて日差しがさえぎられるのと、雑草と呼ばれる草たちのパワーになかなかうまくいきませんでした。人参・大根は葉っぱばかりとか。
いちじくの実がなっても、いちばんおいしい頃合いを知って狙っているのは鳥や虫たち、残りをいただくとそれはとっても甘くて。苺(六ヶ所のと買ったのと)の苗を植えたらランナーでけっこう増えた。
梅は大粒の立派な実をつけて、料理が苦手な私でも、その梅は漬けないでかと、梅干作りが楽しみでした。縮葉病にかかったりもしたけれど)。その木も、3年くらい前に植木屋さんの若い衆が間違ってずんと短く伐り払ってしまい、たいへんショックでした。
やがて私も年をとり(笑)、仕事やなにやらでくたびれるとなかなか庭の草払いや枝伐りができませんでした。仕事がなければ、と悔しく思ったくらい(それ無理無理)。
植物たちは、じぶんたちの世界を、生死をさりげなくかけて、現われ続けたり姿を消したりしました。
強い植物がいかに強いか、人が手をかけてこそ花咲かすものもあるなど、いろいろ知りました。
土は耕すべきかそのままの生態系に任すべきかと迷いもしましたが、本で読んだ放置農法はなまなかではありませんでした。
雄キジのドラミングやアカゲラの木をつつく音、カモの親子の行列、たくさん楽しいものに遭遇しました。
チューリップはほとんど六ヶ所村「花とハーブの里」の菊川さんとこのです。タフです。そこからのニラやシロも毎年「はい」と出てきてくれます。
生協で手に入れた花ワサビや丈夫ないろいろな水仙、田舎館の道の駅で買った(名前忘れた)小さな八重の白い花をつけるやつも、須賀川の額屋さんからいただいた牡丹も(花は咲かせられないままだが)しっかり根づいています。
イチジクは、下から子っこの枝がばかばか出てきますが、あれは挿し木にできるのか?
そして何より初代の大家さんが植えたのであろうスノードロップや野生化したヒヤシンス、アマランサス、キクザキイチゲ、ヒトリシズカ、、ヤブラン、ニリンソウ、、今は駐車場になってしまった手前の家のおばあさんからいただいた白ヤマブキ、シュウメイギク(これは怪しい、姿を消したか)、猛威をふるうウバユリやホウチャクソウ、、、更地になっても根や種を残し、しかしやがてコンクリートに覆われて絶息するかもしれない様々な植物たち、もう思い出せないものたちもきっとあります。
木蓮、椿、今年も美しく咲いてくれた。
裏庭で大きくなりすぎて危ないと伐採されたソメイヨシノも、子をぼんぼんと出している。
すごいなぁ。
てなわけで、掘りあげられるものは掘り上げ、私が転居したのはアパートでちょっと植えられるスペースはありますが、もし欲しい方、この庭にちょっとでもゆかりがあり、植えられる方はいらしてください。
私はたぶん仕事を少し早めに終えても夕方になるかな。今は日が長いから、トワイライト、日の暮れる暮れないあわいがすばらしいです。
こっそり静かに、あの庭でビールやワインくらいいっしょに飲めたら、小さな声でおしゃべりできたら嬉しいな。
ここはよかったよねありがとね、と集った人で言葉でなくとも挨拶できたら嬉しいなと思っています。
(騒ぐのは駄目だからね。笑。)
写真は5年前の赤ボケ。今年はもう盛りをすぎたかな。
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