Friday, July 31, 2009
ファイナンス理論の「反省」 (1)
Principles of Corporate Finance, Brealey, Myers and Allen, 9th edition を、演習科目で生徒と輪読した。この本は、アメリカのMBAプログラム1年での必修科目の定番で、たぶん、世界で一番読まれている正統的ファイナンスのテキストだろう。
1000ページもある、理論書とは必ずしも言えないMBAのテキストを端から端まで読むのには、輪読という方法は適している。生徒もよく付いてきてくれたと思う。コーポレートファイナンスの分野では、世界でトップと思われる3人の学者が書いた本なので、自分としては2か所を除いてよい本だと思う。(*)そして、学ぶべきことが沢山あった。
なぜこの本を選んだかというと、自分として、ファイナンス理論を「反省」したかったからだ。金融危機のなか、ファイナンス理論に対する風当たりが強いなか、自分としてファイナンス理論の本質を確認して、修正・発展させるところがあれば考えてみたいと思ったからだ。
日本には、ファイナンスの専門家は沢山いるようだが、本当にファイナンス理論を理解している専門家は、それほど多くないように思える。
多くの「専門家」は、理論の仮定と結論を混同している。そして、そのほかの人々はその間違った「理論」を攻撃している。これでは議論がかみ合うはずがない。
いや本当のところは、日本の学問の世界は、その議論さえ避けようとしている。そんなことで、学問が進展するはずもない。
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注
(*)ひとつは、リターンの標準偏差をリスクと定義している所。現代ファイナンスでは、リターンの標準偏差はリスク指標の一つでしかない。もう一つは、The Efficient Market Theory という言葉を使っている所。正確には、The financial theories based on the efficient Market Hypothesis。これは非常に重要な訂正だと思う。


