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ファイナンス博士の洞察 ブログへようこそ

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Tuesday, October 19, 2010

英語公用語化 (2)

企業での英語公用語化を考えるために、具体的な事例で考えてみたい。

ネイティブとの会議を考えるために、アメリカでのMBAプログラムの状況を思い出してみた。MBAの授業なので、学生には、授業参加のために発言が求められる。なので、特に、いい成績が必要な学生は一生懸命考えて、先生から授業参加点をもらおうとする。

アメリカのMBAプログラムの授業を何校か経験したが、日本人の学生(その多くは日本を代表する大企業からの派遣学生で、各企業でもトップの人材)が、授業でネイティブと丁丁発止(ちょうちょうはっし)の議論しているところを見たことがない。国民性や、日本で受けてきた受身の教育スタイルにも問題があることは否めないが、要するに、英語が聞けない、話せないのだ。

勿論、1年、2年と慣れてくると少しは状況は変わるのだが。

中には勇敢に議論をしようとする日本人学生もいて、挙手して話し出すのだが、何故このタイミングでこんなことを言い出すのだろうと不思議に思う場面が多い。

自分にも経験があるのでわかるのだが、その学生は、彼(女)なりにほかの人の発言を聞いて、自分の意見をまとめて、挙手して発言しているのだ。ただ、彼(女)の主観としては議論にオンラインでついて行ってるつもりだが、実際には、英語の処理速度が遅いので、5分ほど遅れているのだ。なので、はたから見るとなんで、このタイミングでこんな内容を話し始めるのだろうと思われてしまうのだ。

そこでよくある質問なのだが、
Q1. 英語の試験で何点あれば、会議で丁丁発止(ちょうちょうはっし)の議論が出来るようになるのか?

英語圏の大学への英語検定試験としてTOEFL は、よく使われるが、一般的には学部入学にはTOEFL 550 点、大学院入学にTOEFL 600 点必要といわれている。ETSの換算表によれば、

TOEFL 600   TOEFL(iBT) 250   TOEIC 870

だ。先ほどのMBAクラスの例を考えると、この点数のレベルでも国際会議で丁丁発止(ちょうちょうはっし)の議論ができるわけではないという結論に達してしまう。

そこで次の疑問として、
Q2.英語の能力試験は、本当に実用的な英語能力を測定しているのか?

もちろん英語能力試験は英語能力を測定する目的で設計、実施されているものだが、人間の言語能力のすべてを正確に測定しているわけではない。端的にいえば、英語試験だけのために学習した能力は、それだけでは実践には使えないということだろう。

先程の例の企業派遣の学生は、多くは留学前の短期間に試験の点数を上げるために勉強したと思われる。

Q3. 日本では英語を学校教育で10年間学んでいるが、聞けないし話せない。何か問題があるのか?

2つの答えがある。
第1の答えは、「これでは少なすぎる」である。10年間の学校教育といっても、大抵の場合は週数時間程度の学習なので、10年間続けたところで、少なすぎる。これがもし3年間の英語での教育なら話は違う。

理想的には、高校生レベルの英語能力を身につけるには、高校生までの内容をすべて英語で再教育するのが望ましい。ただ、現実には無理なので、このプロセスを少しでも短縮する様に工夫することが必要になる。

第2は、日本の英語教育の問題点である。日本の語学教育は、長い間、翻訳のためにあった。

明治から考えると、欧米の進んだ文献を翻訳し、翻訳本を読んで身につけることから日本の近代が始まった。なので、日本の語学教育の最終目標は、翻訳なのである。

学校の試験で、最後に英文和訳や和文英訳の問題が出題されることがこのことを端的に表している。ただこれでは、会議には通用しない。

人の意見を、英語から日本語に英文和訳し、自分の意見を日本語で考えて、それを和文英訳していたら、5分ぐらいはかかってしまう。それでは、会議には通用しない。

もうひとつ言うならば、ビジネスマンに必要なのは、語学という学問ではなくて、英語という反射神経なのだ。

人間は、例えば、テニスを10年間練習すれば、プロになれなくても、それなりに上達するものだ。

ラケットの素振りが毎日100回必要ならば、同じように、英語のロジックを脳の反射神経に刻みつけることを毎日繰り返すことも必要なのだ。

作成者 takeda_fin : Tuesday, October 19, 2010 23:26