2008年10月20日(月)
新刊案内 『イラク崩壊』 合同出版/吉岡一・著
この本は合同出版から先月刊行されたもので、同時期に出た『イラク 米軍脱走兵、真実の告発』とともに、出版社では現在のイラクの実相を伝える2部作と位置づけられている。
※参照; 『イラク 米軍脱走兵、真実の告発』の紹介記事
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2008_the_book_Joshua_Key.html
著者は朝日新聞記者で、2003年より外報部、2004年4月から2007年5月まで中東アフリカ総局(カイロ)特派員としてイラクを中心に中東諸国を取材している。危険ゆえにイラクに入国できなくなってからも、イラク人助手たちからの情報を切らさず、またイラクで発生するさまざまな事件・現象についても、優秀なイラク人助手を介して現地イラク人ならではの分析や受けとめ方を代弁してくれる。
著者自身にとっても、既成概念や米系メディアを通して描いていた通念をくつがえすものであったり、ジャーナリストならでは現地取材ぬきには見えなかったであろう真相も少なくない。それは読者にとっても、「目からウロコが落ちる」ような情報・解説となりうるだろう。
本書は「米国の言う<対テロ戦争>の実態の報告」に多くのページが割かれ、「イラク戦争の真の目的」を論証するのは「本書の役目ではない」とプロローグでは書かれている。
しかし、占領軍がイラク人にどのように受けとめられているのか、さらに進んで、そもそもアメリカはなぜイラクに侵攻したのか、それが石油だけで説明がつかないとすれば本当の(最大の)理由はなんだったのか−−という根本的な問いかけには、むしろイラク戦争と占領の実態を積み重ねることを通して答えようとしたのではないかと思われる。イラクにとどまらない著者の戦争取材も駆使して。
諸事件の評価については、見解を異にするところもあるが、占領下のイラクで生起する多方面のできごとを、これほどまでに現地取材にもとづいて、一つ一つ丹念に伝える作業は、まだ誰もしなかったと言えるだろう。それを一冊にまとめ出版にこぎつけた要因は、それを見聞し取材した者としての責任感でもあろうが、同時にイラク現地で交わってきた人々への愛着であり、そこに根ざした執念の結実なのかもしれない。
------- 各章のタイトル ----
バグダッドの雨
「法と秩序」の境界
レジスタンスか、テロリストか
なぜ、自衛隊はサマワへ?
異端排斥
占領軍
野放しの石油省
バグダッド脱出
狂気の支配
内戦への序曲
キリングフィールド
裏切られたハラブジャ
自爆とは何か?
アルカイダ対イラク武将勢力
現代の宗教戦争
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『イラク崩壊』−− 米軍占領下、15万人の命はなぜ奪われたのか
吉岡 一著
税込価格: \1,890 (本体 : \1,800)
出版 : 合同出版
サイズ : 20cm / 405p
ISBN : 978-4-7726-0435-2
発行年月 : 2008.9
オンライン書店ピーケーワン http://www.bk1.jp/product/03031806
7&Y http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32129410
紀伊國屋書店 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4772604359.html

