労働体制(戦時・現在)研究のページ

労働分野において特に重要視される時代として挙げられる1940年前後の体制を研究し、同時に、その体制が崩れつつある現在の状況を考察します。

2012年2月11日(土)

大国の病

厚労省の定義では見えない“パワハラ”の境界線
機能不全の職場で神経戦を続ける上司と部下の苦悩


「パワハラ」。
「セクハラ」に並び、職場によくある行為を是正するために、定義付けを行い、世間に周知させ、摘出しやすくすることが推進されていることは周知の事実である。おおむね、裁判例からある程度共通し、判断の要素となった事項が抽出される。
裁判例はまず不法行為と債務不履行による損害賠償請求であり、裁判においても、個別の民事事件ではなく労務管理に基く企業事件だとするものである。なお、さらに近年の法違反の根拠として、会社法429条が使われた。こうなると労務管理から離れ、商事事件である。


《会社法第429条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。》


これが使われたことは、従業員=労働者は会社にとって第三者だとすることであり、この思想は近代法のものであるが、日本社会では実際そのように運営しようとはしなかった。裁判例も直接それを明確にする判断は避けていたものである。
日本的経営システムが新たに設計できないため、破損箇所が大きく広がっている。テレビ事業は戦後直後のような低価格化戦略で国際市場を維持する判断により、劣悪な雇用市場を作り、加えて低価格戦略では勝てないという結果を招いた。やることなすこと、上手くいかない次第である。産業界全体的にそうで、それがやはりパワハラという日常的な振る舞いに反映している。企業においては自傷行為でしかないが、もはや理屈ではない。
また、差別言語禁止の風潮など、汚い言葉に免疫を持たない国民も増えてきた。大国主義の病として共通することだろう。やはり落ちてきたときにこそわかる。やはり既に遅しも。しかしまた原石も見えてくることも。ほとんどの人間は依然として立ち止まったり転回するだけの余裕はないが、少しだけでも原石を拾い上げて磨いてやることも今必要なことである。

作成者 魚座労務士 : 2012年2月11日(土) 18:59
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