労働体制(戦時・現在)研究のページ

労働分野において特に重要視される時代として挙げられる1940年前後の体制を研究し、同時に、その体制が崩れつつある現在の状況を考察します。

2011年6月24日(金)

時効の撤廃

戦前、戦中に焦点を据えていたところ、軽く撫でた程度であったが、ひとまず区切って、次のタネを捜し求めていた。
だけどだんだんやる気が失せていくばかりで、惹くテーマがない。

そういうとき、国民年金の拠出制度発足に伴い、全国規模での反対運動がなされ、政府は強制化まではできなかったという歴史事実を知った。誰からも直接そのようなことを聞いたことがなかったが、事実のようである。なぜそのようなことを誰からも聞けなかったのか?

すっかり国民の頭から消えているのである。これこそまさに「消えた年金」云々のパロディといえる。ブラックユーモアとも。

現在の日本人は原理原則がない。もともとなかった民族といえるが、戦中の突貫作業と戦後の生産性向上運動などから、それなりのものが拵えられたが、その後自信喪失とともに、何も手に付かないというべき思考状態に陥っている。
少なくとも、こういうとき、頼れるのはリアリズムでしかない。生の情報というべきものである。それで、これまでまず触れることのなかった戦後を調べることにした。

まず1冊大河内一男『戦後日本の労働運動』(岩波新書)を購入。久しぶりにやる気が出てきた。この著者は戦中戦中ものからお世話になっているから、姿勢がわかっている。
内容はよくわかるが、事実が複雑で正味のところわからない点も今となっては多い記述となっている。
あと戦後について書かれたものといえば、数冊しかないし、読む余裕もない。したがって、キーワードにて色々とネットで検索して情報を集めることに切り替えた。(それで先の「生産向上運動」が出てきたものである。)

もともと戦後日本において労組の運動は国民運動に類するものであった。したがって「文学者」の関心テーマの一つでもあった。尤も、戦前のプロレタリア運動において、文学的には既にマルクス主義文学理論の雪解けがなされていたため、残るは政治的なものであった。戦後文学的には「近代文学派」が政治からの自律を唱え、主流をなした。
戦後の諸労組の活動はそのまま戦後日本の歴史でもあるが、もはや国民運動ともいえなくなり、官公労組、大企業労組の動きは世間に知られるが、中小労働者は無論非正規型労働については保護外とされた。そこで「格差」がキーワードとして上がった。なお、推定組織率は戦後の数年間を経た時点から逓減する傾向が止まらず、原因はその当時から存したものである。(日本人の分裂性向、事大主義と独立主義等)
個別労使紛争解決の導入をみたが、労働組織秩序の形成に新施策が打ち立てられぬまま、国際経済情勢に揺り動かされるまま、「生ぬるい」ということで、圧力としての裁判への志向も気分的に解決できていない。
どうやら、戦後の軌跡については、もう少し腰を据える必要がありそうである。民主党政権下、歴史においても時効を外したといえる。

作成者 魚座労務士 : 2011年6月24日(金) 22:02
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2011年6月4日(土)

「連合軍」の影

公務員の労働基本権回復


《 民主党は衆院選マニフェストに、支持団体である自治労が求めた公務員の労働基本権回復を打ち出した一方、国民受けのいい総人件費2割削減を盛り込んだ。 改革案では、この両立を図るため、まず大幅な給与削減に向けた労使交渉の実現が必要だと指摘し、平成24年度からの人事院勧告制度の廃止を明記した。さらに、スト権付与は25年度以降として「2段階」での改革を進める考えだ。
 また、警察官など治安や防衛にかかわる職員はこれまで通り、労働基本権を制限▽それ以外の部長級以下の職員に団結権と労働協約締結権を付与▽労使交渉で給与などの労働条件を決定できるようにする−などの方針も決めた。》


公務員の労働基本権については、「2.1ゼネスト」以降制限が加えられた。当時の「労働組合」は、「連合軍のお墨付き」の団体であり、飛躍的に増大したものだが、占領政策の一環でもあることから労働団体というよりも、民衆団体というものの役割をもっていた。したがって、他の国民による支持の如何によって、運動の評価が決定するものでもあった。つまり、公務員(公共企業体含む)組合と他の労働組合とが組んでストを行うこともまたありえたのである。

現在、公務員は公務員、会社員は会社員である。公務員は安定している、会社員はもはや雇用の安定とは遠のいている割合が増加している。もはやゼネストといって、両者が組むことはない。
また、ある一定の範囲でスト行為が及ぶからこそ効果があるわけで、個別にストをしたとしても、当該企業だけが業界から外れるにすぎない。企業内組合の致命点である。もはや労働組合の必要性は、横断的かつ統括力がない限り、目標なき地域闘争に終わる。そのため、産業もまた、疲弊していっている。


しかし民主党というものは、こういう古い出来事(昭和20年代後半の)を脈々とつないできているもので感心する。尤も、戦後の日本労働組合の分裂の宿命等もまたつないできているが。
諸労働運動から出て、政治闘争へ転化した者ら作ったのが民主党で、事大主義でない民族独立派の色合いが強い。ただし、労働組合本来の組合主義とはやはり違うのである。
自民党は、観念的、ロマン主義的色合いを濃くし、戦後日本の与党カラーになった。

作成者 魚座労務士 : 2011年6月4日(土) 18:11
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