労働体制(戦時・現在)研究のページ

労働分野において特に重要視される時代として挙げられる1940年前後の体制を研究し、同時に、その体制が崩れつつある現在の状況を考察します。

2011年9月20日(火)

『隣の国で考えたこと』

この本は私の持っている中公文庫1996年版で14版というものであるから、このジャンルでいえばロングセラーといえる。
大局的に歴史をみる方法は、ヘーゲル史観並びに唯物史観が日本歴史学及び日本における学問に多大な影響を及ぼしたものであるが、そうした歴史観の方法を活かしたうえで思想性をある程度抜いてできたのが、所謂「教科書」である。著者岡崎氏は優等生さながらである。よく調べているなぁと頭が下がる一方、何か物足りない。尤も、著者によれば、あまりにも日本人書生が無関心であるため、そのように書いたというのであるから、所期の目的は達しているわけである。

この本は1975年の講演を下にしている。一方、「ハングル酔い」という人気フレーズが作られた関川夏央氏の『ソウルの練習問題』は1981年である。

この本では封建制を接点にして日本と韓国とでは諸要素から行き方が違ったところに触れられている。書き方が学術的であるため、というか、色々な文献をあたってつなげているという方法上、非常に読み進みにくい。が、日本においては中央権力が弱まっていったこと、地方の政治は乱れるにまかせられていたこと、武士が力をつけていったことの記述の7章「絢爛たる李朝文化」のところは興味がそそるところである。明治の中央集権体制、戦中の国家体制、戦後の都市集中の様相が今日、崩れてきたとともに中央政権が確実に異常な信号を発している。そうした様相の符合のためである。

ところで、永遠のロングセラーであった『水戸黄門』もいよいよ終了である。もともと史実と異なる講談の世界のドラマであったが、仮面ライダーやウルトラマンシリーズがどんどん変化していくのと同様、このシリーズも控えめながらも変化していった。ところが、紅白歌合戦とこれだけは変化してはいけなかったという意見も根強い。代りに、素人のど自慢が好調。
日韓ともに、相手国批判がナショナリズムをもたせる変な構造を共有するのだが、戦後日本のナショナリズムは弱く、論理化するにも泥濘に建物を建てるようなものである。かつては文芸雑誌が文化を形成してきたものだが、今は成立しない。映像もまた然り。ネット社会のような弱いナショナリズムメディアにおいて日本の状態はマッチするはずだが、うまく反応しきれてはいない。次の段階に進めない何かがある。

日本では、テレビで見たいものがないという意見も増えている。ドラマで特徴的なものは「○○殺人事件」モノが定番となっているくらいである。これが輸出できるのであれば、相当なソフト量といえるが、強いて見たいというものでもない。青少年への影響、表現規制、CM企業への配慮など製作側はがんじからめである。
テレビ局に対する視線も制作会社に対する重し批判など、厳しくなってきた。ただ、それでも情熱さえあればいいものはできていくものだが、もはやその時期は過ぎたのか。

作成者 魚座労務士 : 2011年9月20日(火) 17:45
[ コメント : 0] [ トラックバック : 0]


2011年9月15日(木)

『墜落する日本』

「行き詰まった」「停滞する」などの表現が、この20年間の日本を表してきた。20世紀初めにロシアの艦隊を破った国、第2次世界大戦での敗戦後20年余りで米国を驚かせた「超一流国家」の日本が、なぜこのような状態に陥ってしまったのだろうか。


《日本がかたくなに守ってきた官僚体制は、大地震と原発事故の前に「想定外」を繰り返し、崩壊した。無気力な「引きこもり」の若者や、孤独な死を遂げる高齢者たちが急増している現状から「家族の崩壊」を垣間見ることができる。最高の料亭が残り物を再利用し、最高の温泉では水道水を混ぜ、創業300年の老舗和菓子店が製造日を偽るなど「職人意識」が失われた事例が相次いで起こっているのも衝撃的だ。》


やや持ち上げすぎの説明であるが、その通りである。
最近のヤフーニュースなどで韓国の話題が載ると、かなり深刻なバッシングが見られるが、それをステップボードとして何とか伸び上がろうということが読み取れる。こういったことで日本人はまたひとつになり…というイマジネーションが漂う。無論、感情が高ぶるに対し、ストレスは自分に帰ってくる行為となる。ただ、こういったとき、悪い意図であれ、意識の上で韓国が登場してくるという点は興味深い。言うまでもなく、私は善い意図による意見を求める。


高度成長期の日本といっても、必ずしもすべてよかったというわけでもない。
また、「官僚体制」はもはや官僚そのものよりも、国民の在り方を示すものと拡大してもよい。会議に出ると、大方根回しが済んでおり、実際の会議時間での発言はほとんど必要ではなくなっているとか、新たな情報を出しても反応できなくなっているとかは、これが日本のありとあらゆるところでそうであれば、確かに大きな船が沈没していっているといえる。


ただ、韓国は何でも日本の通りにやってきたとはいえそうもない。日本人からは独特だとみえるものがたくさんある。「悪いことは何でも日本」はナシでお願いする。

作成者 魚座労務士 : 2011年9月15日(木) 23:09
[ コメント : 0] [ トラックバック : 0]

前の記事  |  次の記事   
2011年9月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

バックナンバー

2012年5月

2012年4月

2012年2月

2011年12月

2011年10月

2011年9月

2011年7月

2011年6月

2011年5月

2011年4月

2011年3月

2011年1月

2010年12月

2010年11月

2010年10月

2010年9月

2010年8月

2010年6月

2010年5月

2010年3月

2010年1月

2009年11月

2009年9月

2009年8月

2009年7月

2009年6月

2009年5月

2009年4月

2009年3月

2009年2月

2008年12月

2008年10月

2008年8月

2008年7月

2008年6月

2008年5月

2008年4月

2008年3月

2008年2月

2008年1月

2007年12月

2007年11月

2007年10月

2007年9月

2007年8月

2007年7月

2007年6月

2007年5月

2007年4月

2007年3月

2007年2月

2007年1月

2006年12月

2006年11月

2006年10月

2006年9月

2006年8月

2006年7月

2006年6月

2006年5月

2006年4月

2006年3月

2006年2月

2006年1月

2005年12月

2005年11月

2005年10月

2005年9月

2005年8月

2005年7月

2005年6月

2005年5月

2005年4月

2005年3月

2005年2月

2005年1月

2004年12月

2004年11月

新着記事一覧

普通の人

暴走事故 で

大国の病

15年ひと昔

そろそろ時代史的思考を

形式的民主主義の壁

『隣の国で考えたこと』

『墜落する日本』

労働組合法上の労働者性の判断基準を初めて提示

体質強化中

メビウスの環

37年ぶり電力制限令発動

時効の撤廃

「連合軍」の影

国民年金第3号問題

新着コメント一覧

そろそろ時代史的思考を
  ⇒ 中山大障害 2011

大正・昭和(戦前)の労働運動 27
  ⇒ uoaqvlfuz

1940年体制について
  ⇒ cucyuwcfng

大正・昭和(戦前)の労働運動 20
  ⇒ fowwjtfdh

労働事件解決の流れなど
  ⇒ znefkx

新着トラックバック一覧

形式から内容へ
  ⇒ 佐藤ゆきぴこ

形式から内容へ
  ⇒ ばぶるまん

形式から内容へ
  ⇒ ばぶるまん

島国の混沌
  ⇒ がんもどき

島国の混沌
  ⇒ おしゃぶりクソ野郎

リンク

魚座のぺージ
   このジオログは「魚座のページ」をホームのページとしています

士業ブログ
   人事・労務管理改善や相談内容についてコメントしています

「論争する文学」完全版
   まぐまぐさんがプログメルマガを中止されたため、こちらへ全文を載せています。

労務士 山口事務所
   職場のトラブル解決 ※非更新版

「論争する文学」 ※簡易版
   まぐまぐ版
My Yahoo!に追加 RSS

Counter


プライバシーポリシー - 利用規約 - ガイドライン - 特定商取引法の表示 - サイトマップ - ヘルプ・お問い合わせ
Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.